スタパ齋藤のApple野郎

Webアプリ版「Midjourney」がどんどん便利に! iPhoneやiPadでもほぼ同じUIで利用できる!!!

 人気の画像生成AIサービス「Midjourney」。チャットサービス「Discord」経由で使える有料画像生成サービスだが、最近ではWebアプリ版から手軽に使えるようにもなった。

Webアプリ版Midjourneyの表示例。これはユーザーの生成を閲覧するExplore表示だ。
画像生成をしている様子。英語表示ではあるが、直感的で理解しやすいUIになっている。

 このWebアプリ版Midjourney、最初はやや取っつきにくかったものの、どんどん機能アップしつつ使いやすくなっている。俺も最近はWebアプリ版Midjourneyだけ使っている。

 で、このWebアプリ版Midjourney、2024年8月22日から誰でも無料トライアルができるようになった。生成できる画像の枚数は25枚までと制限があるが、DiscordかGoogleのアカウントでサインアップすると、最新のMidjourney 6.1や、Midjourneyのアニメ絵版であるniji・journey(にじジャーニー) 6を使って画像生成できる。

Midjourneyでは、リアル系・アート系などを得意とするAI「Midjourney」と、アニメ・マンガ系を得意とするAI「niji・journey」を利用できる。これはMidjourney 6.1で生成したもの。
同じプロンプトを使い、niji・journey 6で生成したもの。Webアプリ版だとMidjourneyとniji・journeyの切り替えも容易だ。

 アカウントを作れば、このWebアプリ版Midjourneyを使い、無料で25枚までの画像を生成できる。ただ、Webアプリ版は簡単に使えるとはいっても、いきなりだとなかなか使いこなせないと思う。「Midjourney Webアプリ版 使い方」などで検索し、事前にどう使えばいいのか調べてからにしたほうがいいと思う。25枚の生成ってアッという間っスからネ。

 ちなみに、Midjourneyの有料プランは4種類。月払いだと1カ月10ドルから、年払いだと1カ月8ドルから使える。

1カ月毎に料金を払う場合、月額10ドルから使える。俺のアカウントでの表示なので、使用中の30ドルのプランがActiveとなっている。
1年分まとめて料金を払う場合、月額8ドルから使える。

 なお、8ドル/10ドルのプランは、けっこう制限が多い。枚数制限があったり生成にやや時間がかかったりするので、「けっこうたくさん生成させたい」という場合は24ドル/30ドル以上のプランがオススメ……という気がする。

 いやーでもWebアプリ版Midjourneyの無料トライアル、イイっすね〜。これまではDiscord経由で使うAIだったので、何をするにも英文字のコマンドが必須。いちいち面倒だったんだが、Webアプリ版Midjourneyだと主要な設定変更などは全部クリックなどの操作で手軽に扱える。ほかのWebアプリ版画像生成AIと比べても、Midjourneyは非常に扱いやすいので、ぜひ体験してみてほしい。

Discord版と比べると超使いやすくなったWebアプリ版Midjourney

 以前のMidjourneyはDiscordというチャットサービスを経由して画像生成する必要があった。Discordはゲーマーなどに人気のチャットサービスだが、Midjourney(Bot)をチャット相手として設定し、チャットするようにテキストでコマンドとプロンプトを送ると、それに応じてMidjourneyが画像で返答する、という使い方だった。

Mac版Discordアプリを使い、Midjourneyに画像生成させている様子。

 これまでは、まずMidjourneyを使う前に、DiscordやDiscordアプリの使い方をひととおり覚える必要があった。次にMidjourneyに画像を生成させるわけだが、今度はMidjourney独自のコマンドを扱う必要があった。ステップが2段階あるうえに、Midjourneyに慣れてうまく扱えるようになるまでがけっこうタイヘンだったりした。

 一方、Webアプリ版Midjourneyはとてもわかりやすい。なーんとなく、でも使えるくらいにお手軽だと感じられる。どんな感じで使えるのか、スクリーンショットで見てみよう。

Webアプリ版Midjourneyの表示例。左側でメニューを選ぶと、それに応じた表示がなされる。これは「Create」モードを選んだところ。プロンプトは画面上部に入力すればいい。なお、生成開始はエンターキー押下となっていて、日本語入力システムなどによっては、変換確定のエンター押下が生成開始と判断されることがある。ので、プロンプトはテキストエディターなどで書き、それをコピー&ペーストするのが無難かもしれない。
プロンプトを入力した様子。Midjourneyは英語でプロンプトを入力する必要がある。プロンプトは「こういう画像を生成して」というメッセージのようなものですな。プロンプトと並べて、Midjourney独自のコマンドやパラメーターも入力できる。ちなみに、プロンプトを日本語で入力した場合、プロンプトとは全然関係のない画像が生成されたりする。なお、niji・journeyを使った場合は英語でも日本語でもプロンプトを入力できる。
プロンプト入力エリアの右のボタンでおもな設定を変更できる。たとえば「Image Size」エリアでは生成する画像のアスペクト比をコントロールできる。スライダーを動かすとエリア右上の枠が変化してアスペクト比が可視化されるなど、非常にわかりやすい。ほかいくつかのパラメーターを変更できるが、Midjourney特有のものなので、少し学習が必要。ただ、パラメーター上にマウスポインターを移動させると、説明表示(英語)がポップアップするので、理解しやすい。
こちらは「Organize」モード。生成してきた画像を一覧したり探したり、非表示にしたり「いいね」を付けたりして整理できる。Discord上で生成してきた画像もすべてここで確認できる。
生成した画像を1日単位でまとめて選択したり、部分的に選択したり、それを一括でダウンロードしたり、まとめて非表示にしたりすることもできる。まとめてダウンロードした場合、画像50枚毎に1つ、ローカルPC上にzipファイルが生成さる。それを展開すると「midjourney_session_2024-8-29_[0-50]」のような名が付いたフォルダが生成され、そのなかに画像が保存される。また、Webアプリ上でフォルダを作成し、そこに画像整理をしていくこともできる。全体的にとてもよくできた画像管理機能だ。
ちなみにこれらはWebブラウザSafariによる表示。Safariの翻訳機能を使えば、Webアプリ版Midjourneyのほとんどが和訳され、より理解しやすくなる(ことが多い)。ポップアップする説明なども和訳される。入力済みのプロンプトも和訳される。なお、Webアプリ版Midjourneyには入力済みプロンプトをワンクリックで再利用できる機能があるが、その機能を使って再入力されたプロンプトは和訳されない。日本語表示状態でWebアプリ版Midjourneyを使っていける、という感じですな。

 ほかWebアプリ版Midjourneyは、生成した画像の検索(Search)が使いやすい。プロンプトベースのインクリメンタルサーチとなっていて、プロンプトに含まれる単語を入れていくと、瞬時に画像が絞り込まれていく。

 たとえば検索エリアに「girl」と入力すれば、プロンプトに「girl」が含まれる画像がサムネイル表示される。次いで「cat」を加えて「girl cat」とすれば、この2つの単語がプロンプトに含まれた画像がサムネイルとして絞り込まれる。

右上の検索エリアに英単語を入れていくと、その単語がプロンプトとして使われた画像がインクリメンタルサーチされて絞り込まれていく。また絞り込み条件として、生成したMidjourneyバージョンや画像のアスペクト比などを追加することも可能だ。
検索語に「girl」を指定。プロンプトにgirlが含まれる画像だけが一瞬で絞り込まれる。
「girl cat」を指定。画像がどんどん絞り込まれていく。
「girl cat japanese」を指定。下段に関係ないような画像があるが、これはプロンプトに「catalogs」が入っていたためだ。catalogsのcatがヒット。

 こうして検索・絞り込みが済んだ画像群を、簡単な手順でWebアプリ版Midjourney上のフォルダに入れて整理することもできる。もちろんフォルダ内のファイルを部分的もしくは一括してローカルにダウンロードするのも容易だ。

 Webアプリ版Midjourneyでは、ユーザーが生成した全データから容易に目的の画像を探せるので、ローカルに画像管理ソフト(たとえばEagleなど)を用意して、そこで画像とプロンプトを管理する必要はあまりないかもしれない。Webアプリ版Midjourney上にそういう目的で使えるデータベースが構築されているからだ。

 Webアプリ版Midjourneyは、2023年12月にテスト版がリリースされた。最初は画像生成枚数が多いユーザーだけしか使えなかったが、徐々に利用可能ユーザーが増えていった。そして2024年8月21日に正式リリースされ、Midjourneyユーザーなら誰でもWebアプリ版Midjourneyを使えるようになった。

 現在のWebアプリ版Midjourneyはとても使いやすく、ユーザーの手間を省くような機能も多々盛り込まれている。今年の5月くらいから現在までにその使いやすさがグググッと高まったような記憶がある。

 ということで、現在の俺はDiscordからMidjourneyへアクセスすることがない。Webアプリ版Midjourneyだけ使っている。すごーく便利。オススメ。

インペイントやアウトペイントもWeb上で使える

 Webアプリ版Midjourneyでは、いわゆるインペイントとアウトペイントを簡単に使える。インペイントは、生成された画像の一部を選択し、その部分だけを再生成させるというもの。アウトペイントは、生成された画像の周囲に新たに画像を描き足すというもの。

 また、Midjourneyにはアップロードした画像をプロンプトの一部として新たな画像を生成する機能がある。画像を参照させつつ、そこにテキストのプロンプトで追加指示を入れる、といった使い方だ。これもWebアプリ版Midjourneyで容易に利用できる。

 どちらも非常に簡単かつ直感的に利用できる。Discord版でも画像をアップロードしてそれを参照させての画像生成はできたが、画像のURL取得、プロンプト内へのURL追加など、ミョーに手間がかかってメンドクサかった。だが、Webアプリ版Midjourneyでは簡単な手順で行えるようになった。

たとえば生成した画像のインペイント。画像を表示して「Editor」をクリックする。
インペイントやアウトペイントを行える状態になった。
ツールとして「Erase」を選び、再生成したい部分を消していく。その後「Submit」をクリック。
するとインペイントされた画像が4枚生成される。
画像の一部だけが描き直された。
今度はアウトペイント。画像を表示して「Editor」をクリックする。
既に生成された画像の外側をどこまで描き足すかを指定する。その後「Submit」をクリック。
アウトペイントされた画像が4枚生成される。
自然な感じで元画像に周囲の画像が描き足された。

 ちなみに、Webアプリ版Midjourneyではインペイントとアウトペイントを同時に行うことができる。生成された画像の一部を描き直させつつ、画像の外側に世界を描き足せる、というわけだ。

 余談だが、アウトペイントした画像をより高い画質で利用したい場合、元画像とアウトペイント後の画像を合成するという方法がある。たとえば上の猫の画像だが、アウトペイント後は猫が画像上で小さくなり、元画像と比べると画質的にやや見劣りする。しかしそこに元の猫画像を貼り込んでサイズを合わせるなどして合成すれば、猫のサイズは小さいものの、意外なほど高精細に見える猫画像となる。

 続いて、画像をプロンプトとして新たな画像を生成する方法を。方法、といっても画像をドロップし、テキストのプロンプトを入力して生成するだけだ。

画像をプロンプトとして、新たな画像を生成させることもできる。これが元画像。
元画像をプロンプト入力エリアにドロップし、さらにテキストのプロンプトを入力してエンターキーを押す。なお、画像を2枚以上ドロップした場合は、テキストのプロンプトを入力しなくてもよく、画像ががミックス(blend)されて生成されたりする。猫写真と砂漠写真をドロップして生成すると、砂漠にいる猫の画像が生成されたりする。猫と人間の顔写真をドロップして生成すると猫人間ができたりもする。
すると4枚の画像が生成された。元画像に近い画像で、テキストのプロンプトの内容も反映されている。
生成された画像をモト画像としてさらに生成……などとすると多数の類似画像が得られたりもする。

 といった感じで使えるWebアプリ版Midjourney。もちろんiPhoneやiPadなどでも、ほぼ同じUIで利用できる。直感的に使えるWebアプリ版Midjourneyなので、興味があればぜひトライアルで使ってみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。