スタパ齋藤のApple野郎
Apple Arcadeのジグソーパズルに感動し涙する
2023年2月1日 00:00
Apple Oneでいちばん使わないのがApple Arcadeだったが……
Apple Oneを利用している。Appleの4つのサブスクリプションサービスをセットにしたプランで、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、iCloud+を個別に契約するより安価で利用できるというものだ。
個人プランとファミリープランがあり、契約者のみ使える個人プランが月額1200円、契約者を含めて合計6人まで使えるファミリープランが月額1980円。俺の場合はApple Musicと有料のストレージサービスであるiCloud+を使っていたが、Apple TV+も使いたくなったのでApple Oneに契約したという感じ。ファミリープランを契約している。
4つのサービスのうち、毎日使っているのはApple MusicとiCloud+。やや頻繁に使っているのがApple TV+。そして全然使ってなかったのがApple Arcadeだ。
Apple Arcadeについては、一度スケートボードのゲームをプレイしてみて「なかなか愉快」と思い、ほかのゲームもプレイしてみて「けっこう愉快」と思ったり。しかしゲームはもっぱらPS5でプレイする(しかも頻度が低い)ので、Apple Arcadeは全然使わなくなった。
そんなとき、iPhoneのポップアップだったかなんかで、Apple Arcadeからのレコメンドがあった。ジグソーパズルの「Illustrated(イラスト)」をオススメされた。
えージグソーパズルぅー? 好きじゃないんですけどアレ。とは思ったが、課金されるわけでもないし、レコメンドされると試したくなる性分なので、とりあえずプレイ。
結果、ヒッジョーにハマり、プラスアルファの効能も得られた。さらには感動の涙を流すに至っちゃった俺なのであり、ナニそれ大丈夫キミって感じだが、どういう体験だったのかご紹介したい。
絵画を堪能しつつ解くジグソーパズル
まず「Illustrated(イラスト)」がどんなゲームなのかを。
わりとフツーのジグソーパズルだが、ベースのグラフィックは絵画やイラスト。ゴッホから現代の水彩画やガッシュ画、Procreateによるデジタル絵画、ファンタジックな子供向けイラストなどまで様々なグラフィックが用意されていて、それをジグソーパズルとして遊べる。
ひとりの作家ごとに同一テーマで数枚から10枚以上のグラフィックが用意されている。それぞれの絵にはストーリーや詩のようなテキストが添えられている。このグラフィックはイギリス人イラストレーターChris Dunnによるもの。Kenneth Grahameの「The wind in the willows」(たのしい川べ)の世界を描いている。
難易度は簡単から超ムズまで調節可能。設定で難易度を調節できるほか、パズルの進行を手助けするヘルプ機能もある。それらを説明しつつ、このゲームの特徴をスクリーンショットで見ていこう。
こんなようなゲームである。ピースがハマるのに合わせてアンビエントサウンドが流れたりしつつ、完成形に近づく絵画やイラストレーションを楽しめる、なかなか心穏やかに遊べるジグソーパズルだ。
色と形に対する感受性が高まり、知らぬ間に絵を堪能している
このゲームを始めて10個から20個のジグソーパズルを解いたころ、あることに気づいた。それは「こんなに絵を注視したのは初めてかも」ということだ。
いや、そもそも、しっかり絵を見ないと解けないんですな、このゲーム。「この色は、この部分で使われているような……」とか「この鋭い線はココにつながっているような……」といった洞察を働かせつつ、ピース上の色や形、完成しつつあるグラフィックにある色や形をジックリと観察する。まあ普通のジグソーパズルと同様である。
そうしていくうちに、背景が全然わからないエリアでも、「グラフィック上の青のグラデーションはこの方向で濃くなっているハズだから、この濃い青のピースは、ココらへんにハマるハズ!」といった読みができるようになり、そこに置いたらビシッとピースがハマったりして痛快なのである。緊張が解け心がほぐれる瞬間であり、つまりカタルシスなのであり、このゲームの快感要素のひとつだと思う。
その快感を得るべく、さらにグラフィックやピースの色と形に対する観察が強まる。そうして絵のディテイルや全体をくまなく凝視するようになっていく。
同時に俺の場合、最近はちょっとだけ水彩画に手を出していて、とくにこのゲームの水彩画グラフィックについてはスゲく凝視する。多くは「すごいテクニックだ!」「なんとまあ美しい表現」みたいに眺めて楽しんでいるわけですな。
また、水彩画独特の筆運びや技法について少し知識があるので「この滲ませ方は空のグラデーションだろう」とか「背景が水彩で手前はガッシュかも」とか「森で木と草だらけだけどパース的にはこのピースの葉は近い位置だな」とか「空気遠近法っぽいしこの薄いのが上のほうかも」とか「色彩遠近法的にはこのピースは手前で下のほうかな」などと、あの手この手でピースやグラフィックに対する凝視のしかたが変わったりする。で、予想通りにピースがハマるとまたもやカタルシス♪
でまあ毎日そんな観察をしつつこのゲームをプレイしているので、最近では見上げる夕景も水彩画みたいに見えているがさておき、なんだかゲーム上の絵から描き手の心が伝わってくるような気がしている。いやたぶん伝わっていて、絵のタイトルを見て「どういうことだろう?」と思っても、絵の全体像が見えるにつれて、心動かされるようなことが多くなった。そして絵の表現と俺の心の波長が同調したりすると、不意に涙が流れ出たりする。
きっと知らない間に絵を堪能しているのだと思う。そして絵が持つ力を受け取っているのだろう。
いやーしかし絵ってすごいっスね。このゲームで毎日眼福。そして毎日心が癒されるような気がしている俺なのであった。
ちなみに記事中のスクリーンショットはMacのもの。Dell「U4021QW」(約40インチ曲面ディスプレイ/解像度5120×2160ドット)のスクリーンショットなので、横に長めなのであった。
なお、このゲームはApple Arcade専用だと思われるが、Mac版以外にもiOS版やiPadOS版やApple TV版もある。iOSだとさすがに画面が小さいのでは? と思ってプレイしてみたが、拡大縮小の一手間があったりするものの、なかなか遊びやすいUIであった。
ちなみにこのゲーム、Macで遊んで中断し、その続きをiPadでプレイ、みたいなことはできないっぽい。完成したパズルは「完成済み」としてほかの端末でも認識されるっぽいが、ゲーム中の状態は同期されないっぽい。
ともあれ美しい絵をたくさん見られるジグソーパズル「Illustrated(イラスト)」。Apple Arcadeを使っているならお試しあれ。