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「watchOS 9」が登場、健康管理や運動をより強力にサポート

 アップル(Apple)は、Apple Watch向けの最新ソフトウェア「watchOS 9」の提供を開始した。iOS 16を搭載したiPhone 8以降およびiPhone SE(第2世代)以降とペアリングされたApple Watch Series 4以降に対し、無料のソフトウェアアップデートとして提供される。

4つの新たなウォッチフェイス

 「watchOS 9」では、4つの新たなウォッチフェイスが導入された。

 グレゴリオ暦と太陰暦の関係を描いた「ルナー」、アーティストのジョイ・フルトン(Joi Fulton)とのコラボレーションによる「プレイタイム」、クラシックな雰囲気の「メトロポリタン」、現在の雲のデータがわかる「アストロノミー」の4つとなる。

「ルナー」
「プレイタイム」
「メトロポリタン」
「アストロノミー」

 「カリフォルニア」「タイポグラフィ」のウォッチフェイスには、オプションとして漢字書体が追加された。「ポートレート」のウォッチフェイスでは、動物や風景など、より多くの写真に深度効果を適用できる。

 また、「watchOS 9」を搭載しているApple Watchのユーザーは、Apple WatchのNike(ナイキ)モデルでなくても、すべてのNikeウォッチフェイスを利用できる。

「ワークアウト」アプリのアップデート

 「watchOS 9」では「ワークアウト」アプリがアップデートされた。ワークアウトのセッション中にデジタルクラウンを回すことで、データなどが見やすい「ワークアウトビュー」に切り替えられる。

 ワークアウトの強度の把握に役立つ「心拍数範囲」のほか、ワークアウトプログラムを作成できる「カスタムワークアウト」などが利用できる。

「心拍数範囲」の表示

 また、トライアスロンなどの選手向けに、新たな種類のワークアウト「マルチスポーツ」が用意される。モーションセンサーが利用され、スイミングやランニングなどが自動的に切り替わるしくみ。

ランナーやスイマー向けのアップデート

 「watchOS 9」では、「歩幅の長さ」「接地時間」「上下動」など、ランニングフォームに関する指標を「ワークアウトビュー」に表示できる。

 よく走るルートで自己ベストの記録と競ったり、セッション中にペース配分のガイダンスを受けたりできる「レースルート」が、2022年後半に搭載される。

 スイミングの新たなストロークタイプとして「キックボード」が追加された。ユーザーは、キックボードを使って泳いだ距離などを把握できるようになる。

「コンパス」アプリのデザイン刷新

 「コンパス」アプリのデザインが刷新され、より詳しい情報が表示される。

 アナログのコンパスダイヤルとデジタル表示の両方を同時に表示する「ハイブリッドビュー」などを利用できる。

 デジタルクラウンを回すことで、緯度や経度などを表示することもできる。

 また、GPSデータを活用してユーザーが進んだ道のりを示す「バックトラック」は、道に迷ったときなどに役立つ機能となっている。

睡眠の分析

 「watchOS 9」の睡眠トラッキングでは、「睡眠ステージ」が加わり、さらに詳しい情報が提供される。加速度センサーや心拍数センサーの活用により、ユーザーのレム睡眠や深い睡眠などの状態を検知するしくみ。

心房細動に関する機能

 疾患のひとつである「心房細動(AFib)」について、「watchOS 9」では、「心房細動の履歴」機能をオンにすることで、状況を細かく知ることができる。

 この機能は、米国食品医薬局(FDA)が認可したものとなっている。

服薬のリマインダー

 ユーザーは服薬リストを作成し、薬の服用スケジュールやリマインダーを設定できる。スケジュールは、たとえば「一日に複数回」「一週間に一回」など、カスタマイズに対応する。

 米国のユーザーは、「ヘルスケア」アプリに追加した薬が重大な相互作用を引き起こす可能性がある場合、通知を受け取れる。

「周期記録」のアップデート、「低電力モード」の実装など

 「iOS 16」「watchOS 9」では、生理不順など、基礎疾患の症状として考えられる症状が記録された場合、「周期記録」のユーザーに通知が届く。

 また、「watchOS 9」ではプライバシーの強化が図られる。そのほか、バッテリー駆動時間を延長する「低電力モード」や、ダブルピンチジェスチャーで操作できる「クイックアクション」などが利用可能になる。