スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

12インチMacBookは快適ですな~♪

12インチMacBookは快適ですな~♪

 今回は、現在多用中の12インチMacBookについて、ワタクシ的な雑感などを。約2カ月使ってきて、どうなのか? みたいな。ていうかイキナリ全体的な結論から言っちゃいますと、かな~りイイですコレ。名機かもしんない、的な。

購入した12インチMacBook。BTOでプロセッサが「1.3GHz Dual-Core Intel Core M」のものを購入しました。カラーは少々チャレンジしてゴールドに。現在ヒッジョ~に快適に使っております。

 2015年4月10日に発売された12インチMacBookですが、ワタクシが購入して手元に届いたのは5月18日でした。発売日直前に「んんん~どっしよっかな~」と若干悩み、そのまま発売日を過ぎ、結局4月13日にポチッと注文。結果、配送されたのが5月18日。3日出遅れで1カ月以上待ち!! ともあれ、現在約2カ月間使ってきたというわけです。

 なぜ「若干悩んだ」のかと言うと、ホントはMacBook Air (13インチ)のRetinaディスプレイ搭載モデルの登場を大期待していたからです。Retinaディスプレイは高解像度のディスプレイで、非常に高精細な表示が可能。文字なんかも滑らかでキレイで読みやすく、もちろん写真などグラフィックも緻密&美麗に表示されます。小さめの画面でも広めのデスクトップを使えるというメリットもあります。

 てな感じでRetinaの13インチを期待していたので、「んんん~12インチなのか~」と迷った感じ。13インチでRetinaだったら最高なのに!! と思っていたんですが、12インチMacBookっていうか12インチでRetinaディスプレイもコレはコレでサイコーです。

 12インチMacBookは、ボディカラーをシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色から選べるほか、プロセッサの処理性能違いで3種類から選べます。プロセッサは「Dual-Core Intel Core M」で、駆動周波数を1.1GHz、1.2GHz、1.3GHz(BTOオプション)の3種から選べます。結局、カラーはゴールド、プロセッサ駆動周波数は1.3GHzのものを選びました。というわけで以降、12インチMacBookの使用感について書いてみたいと思います。

薄っ軽っ小さっ!! 見やすっ!!

 12インチMacBookをその箱から出した瞬間から薄々予感していたんですが、「この新型は、ワタクシが使用中のMacBookの座を奪うかも」と。ちなみに、それまで使用していたMacBookは3台で、15インチMacBook Pro (Retinaディスプレイモデル)、13インチMacBook Air、11インチMacBook Airです。どれも2013年モデルです。

 使い分けですが、まず、イロイロ快適にこなすための15インチMacBook Pro。仕事マシンですな。出先に持ち出すことはほぼなく、自宅(仕事場)用って感じ。

 そして、自宅~出先で使う13インチMacBook Air。主に出先でメールを多く送受信したり、軽く原稿を書いたり、あるいはクラウド経由でファイルをやりとりする必要が多めである場合に使います。

 11インチMacBook Airは、荷物を軽くしてモバイルしたり狭い場所でチョイ使うための予備機という感じ。「もしかしたらPCが必要になるかも」という場合に、念のため持ち出すマシンです。「出先でデジカメ撮影画像を精査して、コピーしたりクラウドにUPしたりする必要が出るかも!?」的な可能性があるとき、最軽量で保険をかけられるマシンという位置付けです。

 このうち、多用していたのは13インチMacBook Airです。画面サイズにもまずまず余裕があるし、室内でも屋外でも移動がまあまあラク。一時はその実用性の高さから「(アップルが想像を絶する何かをやらかす前に)備蓄機としてもう一台買っておこうかな」と本気で考えたほど、気に入っていたマシンです。

 そんな3台体勢の中に12インチMacBookが出現。手にしてまず感じたのは軽さと薄さ。11インチMacBook Airと同程度のサイズ感で160g軽く、持った感じも「薄い」という印象。画面を比べると、12インチ(2304×1440ピクセル)と11.6インチ(1366×768ピクセル)で、12インチMacBookのほうがずっとリッチに感じられます。

 また、実際に見た印象ですが、Retinaディスプレイという仕様は置いといて、アスペクト比の差も大きいですな。11インチMacBook Airが16:9で、12インチMacBookが16:10。比較すると、12インチMacBookのほうが広い画面に見えます。縦方向の広さって重要ですね。

 ちなみに、前述のとおり、画面解像度は11インチMacBook Airが1366×768ピクセルです。12インチMacBookは初期設定で疑似解像度1280×800ピクセル。縦方向の解像度は12インチMacBookが有利です。なお、後述の疑似解像度1440×900ピクセル設定にすると、縦横とも12インチMacBookが高解像度です。

 細々書きましたが、12インチMacBookは、11インチMacBook Airをズギャンと駆逐してしまいました。軽くて薄くて画面も大きくて高精細となれば、どうしても12インチMacBookのほうばかり使うようになってしまいます。

 また、12インチMacBookを多用し始めて間もなく、13インチMacBook Airも使わなくなってしまいました。やはり何かと12インチMacBookのほうが好都合だし快適だからです。画面サイズの差がありますが、12インチMacBookはディスプレイの設定を変えると、デスクトップの解像度的な広さを13インチMacBook Airと同等にできます。

12インチMacBookのデフォルトのディスプレイ設定。疑似解像度1280×800ピクセルなので、デスクトップはちょっと手狭なイメージです。ただ、そのぶん文字が大きく滑らかで、読みやすいですな。
設定を「スペースを拡大」にすると、疑似解像度1440×900ピクセルになります。13インチMacBook Airと同じデスクトップスペースが使えるようになり、実際には文字がより鮮明でかなり読みやすいです。

 12インチと13インチという、物理的な画面サイズの差はあるんですが、見え方としてはRetinaディスプレイのほうがクリアだと感じられます。小さく薄く軽く、デスクトップの解像度的広さは同等で、実は文字とか読みやすい……となると、13インチMacBook Airの出番も激減。12インチMacBookばかり使うようになってしまいました。

 11インチMacBook Airのみならず、13インチMacBook Airまでも現役の座から引きずり下ろすなんて……12インチMacBook、恐ろしいコっ!! みたいな。余談ですが、11インチMacBook Airと13インチMacBook Airは既に初期化済みで、現在、新たな活躍の場に向けて待機中です。

 あと、12インチMacBookのRetinaディスプレイ、発色もとても良好なように思います。個体差があるかもしれませんが、使っていた11インチMacBook Airや13インチMacBook Airについて「発色がちょっとヘン」と感じていました。15インチMacBook Pro (Retinaディスプレイモデル)の発色が良好なだけに、なんだかモヤモヤとしたストレスが感じられる「発色のイマイチ感」でした。

 一方、12インチMacBookのRetinaディスプレイの発色は、偏りのない自然な発色だと感じられます。見慣れたWebサイトなどを、12インチMacBook、15インチMacBook Pro、それからデスクトップPC用ディスプレイで見比べても、色の差がほとんどなく、とてもスッキリ&気分爽快です。

キーボードとトラックパッド

 ワタクシ、前述のとおり、12インチMacBookについては「んんん~どっしよっかな~」と数日迷いました。結局購入したんですが、じつは購入手続き完了の数日後に「あああっ~そうだった!! 失敗したかもヤバいかも!!」と、けっこー重大気味な気がかりを思い出しました。それは、12インチMacBookのキーボードです。

 12インチMacBookのキーボードには新開発のバタフライ構造キーが使われており、キーのどの位置を叩いても安定した反応の良いキー入力が可能だそうです。また、ボディに併せて超薄なキーとなっており、そのぶんキーストロークが非常に浅いということです。その「非常に浅いストローク」が大きな気がかりでした。

12インチMacBookには「バタフライ構造」を持つ新タイプのキーが採用されています。これにより、キーのどの位置を押下しても安定していて反応の良いキー入力が可能になったそうです。ただし、12インチMacBookの場合、キーストロークが非常に浅い設定になっています。

 キーボードの使用感は、ノートPCにおいて非常に重要な要素です。もし、この、新型キーの、「ストロークの浅さ」が、激ヤバの、ダメ、ダメ、だっ、たら……どぉぉぉ~しよぉぉ~!! と懸念したわけですな。

 しかし実際使ってみたら、12インチMacBookのキーボードには数時間で慣れました。慣れただけでなく、小気味よい押下感のあるキーは、意外なほど良いフィーリングで使えています。またこのキートップ、MacBook Airなどのキートップと比べると、ちょっと面積が広くて入力しやすい感じ。それと、最上段のキー(ファンクションキー列)以外は、キー間隔などは標準的なフルキーボードと同じで、なかなかビシッと設計されていると感じます。

 まあ、キーボードなので、ユーザーの好みによるところは大きいと思いますが、ワタクシ的には無問題でイイ感じのキーボードとなりました。最小のスペースに最大限使いやすいキーサイズ、キー間隔、そして打鍵感があると思います。気に入る人は「こういうのがイイんだよ~」とハマったりするとも思いますので、一度実機に触れてみてください。

 もうひとつ、新型のトラックパッド。感圧タッチトラックパッドと呼ばれるもので、加える圧力を検知し、物理的には押下できないものの押下したかのようにクリック感を発生させているという、なんか斬新なシクミのトラックパッドです。キーボードの件もこのトラックパッドの件も、ココに説明がありますのでご一読を。

トラックパッドは押下圧を感知して、たとえば強く押下すると単語の意味を調べたりできます。強く押すと、クリック時の「コッ」という感触が「ココッ」というダブルクリック風なフィートバックとして返ってきます。押下圧に対応するアプリはまだ少ないようですが、いろいろな可能性を感じさせる機能です。

 トラックパッドの使用感には不安を抱いていなかったんですが、改めて使ってみるとスゴいですねコレ。使った感じは、これまでのフツーのMacBookのトラックパッドと同様。至って自然に使えるし、反応なども良好なトラックパッドです。率直なところ「えっコレって前のMacBookのトラックパッドと違うの?」というくらい、構造やシクミの違いを感じ取れません。

 12インチMacBookの電源を落として触ってみるとわかるんですが、このトラックパッド、ほとんど可動しないようなんです。電源オンでは、押下時に例のあの「コッ」という感触があるんですが、電源オフにするとソレが全然ナイ。12インチMacBookのトラックパッドの「コッ」という感覚は、電気的&擬似的なフィートバックなんですな。

 なお、このトラックパッドのメリットとしては、トラックパッドのどの位置を押しても、同様にちゃんと反応してくれるところ、かも。従来のトラックパッドだと、端のほーは強く押さないとクリック操作できなかったんですが、アレがナイですな。音も静かで「コッ」の感触もおだやか(「クッ」って感じ)なので、操作感も良好です。誤解を恐れずに言えば、キーボードの打鍵感もこのトラックパッドの操作フィーリングも、従来機種のそれより一段「上品」になっているという印象があります。

 てな感じで、ディスプレイの次に多用する入力インターフェース類も好印象。率直に「MacBookがより快適に使えるようになった」と感じております。

処理速度にも電池の保ちにも大きな不満はナシ

 ワタクシにおける12インチMacBookの用途は、主にはネット端末ですな。Webサイトのブラウジングに、Webブラウザでのメール送受信やスケジュール管理、クラウド系サービスも使います。こういう処理をしていて、12インチMacBookの処理速度的な体感は「ほとんどの作業で遅さを感じない」ということです。

 って、なんかハッキリしない物言いですが、逆に言えば「速いとも思わない」ということですな。さらに言えば「一部作業では遅さを感じる」となります。

 ワタクシ的に「コレは微妙に気になるな~」と思う「遅さ」は、SafariでのGoogleマップ閲覧です。表示の拡大縮小もスクロールも、操作から0.3テンポくらい遅れる雰囲気で、気にするとほんの少し気になる感覚。

 細かいコトを言えば、15インチMacBook Pro (Retinaディスプレイモデル/2013年)あたりと使い比べると、「やっぱり12インチMacBookってそんなに速くないんだな」的なことを感じがちです。上記Googleマップ閲覧時は「気にすると明かな体感差」がありますし、アプリの表示系のキビキビ感もMacBook Proが上だと感じられます。ていうか、MacBook Proより12インチMacBookの方が体感的に速かったりしてもアレなわけですけどネ。

 でもまあ、フツーに使っていてモッサリするとか遅くてイラつくということはありません。気にしなければ気にならない~慣れちゃうというレベル、かも。

 視点を変えて、2000年以前のアップル製ノートPCっていうか「PowerBookシリーズ」あたりを知っている身として、この12インチMacBookを見れば、「今はこんなにホントにノートみたいな超薄Macで、表示も超高精細で、サクサク動くし、何時間も使えちゃって、素晴らしい時代だ!!」とかいう「イエッス!!!! (拳)」的な興奮の方が勝っています。てゅーかフツーに快適な動作速度で使えております。

 バッテリー駆動時間もイイ感じです。Webブラウザ使用を中心に、ユーザーがややアクティブに操作するような使い方で、どうでしょう、4~5時間は保つ感じ。たまに操作して、後は静かに見ている/読んでいることが多いようば場合は、5時間以上余裕で保つように感じています。

 あと細かな雑感としては、内蔵スピーカーの音が意外にイイですな。BGM的に音楽を流すのにもイイですし、ネット動画の音声も聞き取りやすいと感じます。「高音質!!」って感じではありませんが、「えっこのMacから出てる音なの?」くらい「悪くない音」というイメージです。

 また、AirPlayで音楽を聴くための母艦的なマシンとしてもイイかもしれませんっていうか、そうしても使用中です。iOS端末だと1つのApple TV/AirMac Expressにしか音楽などを出力できませんが、Macだと複数に出力可能なので、ちょっとゴージャスに音楽を楽しめて愉快です。

 残念感的な雑感としては、まず相変わらず押しにくい上下カーソルキーです。MacBook全般がそうですが、12インチMacBookはキー全体が大きめであるためか、上下カーソルキーの押しにくさが気になりがちです。

 それからポート類。USB-Cポートとイヤホンジャックしかありません。USB-C対応でない既存の機器を使うには、「USB-C - USBアダプタ」とか、「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」(←これだと充電しながらUSB機器やHDMI機器が使える)とか買い足す必要があります。正直、充電用のポートとUSBポートは分けて欲しかったな~とか思います。欲を言えば、メモリカードスロットも欲しかったところ。コレがあるとデジカメからの画像読み込みが手っ取り早いから、という理由です。

 でも、実際に使ってみると、MacBook全般でそう感じるんですが、こういうポート類はそーんなに頻繁に使わないワタクシ。Wi-Fi環境ならTime Machineによるバックアップや復元/移行なども「12インチMacBookを充電しながら」行えます。前述の「USB-C - USBアダプタ」があれば、USB系ストレージが使えますし、要アダプタですがメモリカードもつながります。

 一手間かかるわけですが、まあこういうモンだと割り切れば、USB-Cポート×1基だけというのも、そーんなには不便でないかな、と。もちろんユーザーの使い方や感じ方次第ですが。

 以上、12インチMacBookついての雑感、こんなところでしょうか。ワタクシ的には「と~っても良いマシン」だと感じており、満足しております。初めてのMacがこういうMacBookとかいう世代が羨ましかったりもします。ともあれ、サイズに限らず見どころ触りどころ感じどころの多いマシンなので、ぜひ稼働中の実機に触れてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。