スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ちょいと便利なビジネスツール2種

ちょいと便利なビジネスツール2種

 2014年1月15日、ちょっとおもしろそーなビジネスツールが2機種発表された。キングジムの「カメラ付マウス CMS10」「ココドリ CC10」だ。あら便利そうかも!! ということで発売前の実機を借りて試用してみた。

左がマウス底面にカメラを内蔵した「カメラ付マウス CMS10」。右がクリップ専用プリンターの「ココドリ CC10」。発売日はどちらも2014年1月31日で、メーカー本体価格は「カメラ付マウス CMS10」が4000円、「ココドリ CC10」が1万4000円

 それぞれ簡単に説明すると、「カメラ付マウス CMS10」は製品名通りカメラを内蔵したマウスですな。通常はマウスとして使い、必要とあらばカメラモードに切り替えて撮影&PCに画像を取り込めるという製品だ。

 それから、「ココドリ CC10」はクリップ専用プリンターとされていて、PC画面上の一部やクリップボード上のテキストなどをクイックにプリントアウトできるという製品。PC画面上の文字やグラフィックといった情報を、サッとプリントして利用しようゼ的なコンセプトのプリンターですな。

 てなわけで以降、「カメラ付マウス CMS10」と「ココドリ CC10」の機能や使用感について書いてみたい。なお、これら製品の発売日はどちらも2014年1月31日。メーカー本体価格は、「カメラ付マウス CMS10」が4000円、「ココドリ CC10」が1万4000円となっている。

画像メモを即活用できる「カメラ付マウス CMS10」

 まずは「カメラ付マウス CMS10」(以下、CMS10)から。モノとしては、USB接続の光学式マウス(解像度は1200dpi)で、ボタン×2と押下できるホイールを搭載している。底面には切替カバーがあり、これをスライドさせると200万画素のカメラが現れ、静止画や動画を撮影できる。なお、対応OSは日本語Windows 8.1/8/7となる。

小振りの光学式マウスで、PCとはUSB接続して使う。裏面には切替カバーがあり、スライドさせることでマウスモードとカメラモードを切り替えられる

 上記のとおり、カメラは200万画素で固定フォーカス。静止画(JPG/BMP/PNG)と動画(WMV/AVI)を撮影でき、どちらの場合も1600×1200ピクセルの映像が得られる。

 撮影時は、CMS10裏面の切替カバーをスライドさせてカメラモードにする。すると専用ソフトが自動的に起動し、その表示を見て(ファインダーとして使って)シャッターボタンを押せばOK。シャッターボタンは、マウス左サイドに静止画撮影用のボタンがある。動画撮影用ボタンはホイールの押下となる。また、別途マウスやポインティングデバイスがあれば、専用ソフト上のボタンをクリックして撮影することができる。

 撮影した静止画や動画は、ダイレクトにPCへと転送保存される。デジカメやスマートフォンで撮ってメモリカードを抜き差しするなりしてPCへ転送、みたいな手間はない。撮影→画像の活用までが非常にクイックかつスムーズで快適だ。

マウスの左サイドに静止画撮影用シャッターボタンがある。ホイールは動画撮影用のシャッターボタンとして機能する。被写体にマウス底面を向けて撮影するんですな
CMS10をカメラモードにすると、専用ソフト(キャプチャーツール)が自動的に起動する。撮影した画像はこのソフト上で編集したり、メールへの添付などが行える

 撮影した静止画や動画は、そのまま専用ソフト上で閲覧や編集を行える。編集は、画像の回転や反転やトリミング、明るさやコントラストやシャープネスの調節が行える。線やテキストを書き加えることもできる。

 またこの専用ソフト上から、画像をメールに添付して送ったり、プリントアウトすることもできる。専用ソフトの「ファンフレーム」機能を使うと、被写体の周囲をフレームで囲んでの撮影も可能だ。

撮影した静止画や動画は、そのまま専用ソフト上で編集することができる。コメントなどを加えることも可能。また、日付挿入にも対応している
専用ソフト上で、画像をメールに添付したり各種SNSなどにアップロードすることもできる。右は「ファンフレーム」機能の使用例。撮影すると、黒い部分に被写体が入る

 で、画質なんですけど、率直なところ、あーんまり良くない。200万画素で固定フォーカスということで、ぶっちゃけた話、ウェブカメラ程度の画質というイメージになるかもしれない。

 ちなみにCMS10はPCからウェブカメラとして認識されるので、Skypeなどのアプリケーションから利用可能だが、その形状からウェブカメラとしての利用は現実的ではないかも。ともあれ以下に、CMS10で撮影した静止画を掲載してみたい。

約8×4×4cmくらいの紙パッケージを撮影。細部はクリアという印象ではないが、文字はだいたい読める。左は元画像を縮小したもので、右がドットバイドットの画像となる(以下同様)。また、画質調整などは行っていない(以下同様)
約7×5×1cmくらいのブリキ缶を撮影。ピントは全体的に甘めという印象だが、被写体がどんなものかは十分わかる
約8×10cmくらいの紙の面をほぼ正面から撮影した。印刷物の文字も十分読めるレベルですな

 てな感じで「写真としてはキレイってほどではない」のだが「画像メモとしてなら十分使えるレベル」の画質だと思う。手元にある立体物や資料などを、手っ取り早く相手に送信して見せたいというシチュエーションでは実用的ですな。

 画質面でキビシい言い方をすると、100~200万画素レベルのウェブカメラで少々高性能なものだとオートフォーカスが機能したりもして、じつはCMS10より高画質だったりする。ので、頻繁に「手元にある立体物や資料などを手っ取り早く相手に送信して見せたい」と思う人は、そーゆー高性能なウェブカメラを使ったほうがいいかもしれない。ただし、そーゆー高性能ウェブカメラはけっこーお高い。

 CMS10の場合、メーカー本体価格が4000円。発売前の予約実勢価格を見ると3900円くらいで購入できる。画像メモ用としてはコストパフォーマンスが高いわけですな。また、別途ウェブカメラを常時置いておかなくても良い。いつもはマウスとして使って、必要なときそのマウスで撮影できるので、机上がスッキリするという点でもいいかもしれない。

 なお、CMS10のマウスとしての使用感だが、わりと小型でありかつかなり軽量で扱いやすいと感じた。カーソル追従性も問題ナシ。マウス買い換え予定でありかつ、画像メモを手軽に撮れるナニカが欲しい、てな人は一度をチェックしてみてほしい。

画面表示を即プリントして持ち出せる「ココドリ CC10」

 次に「ココドリ CC10」(以下、ココドリ)。PC画面上の画像やテキストを素早くプリントできるクリップ専用プリンターですな。プリンターとしては、印刷幅約72mm(203dpi/576dot)の熱転写プリンターで、用紙は専用ロール(2種)が使える。対応OSは、Windows 8/7/Vista/XPとなっている。

クリップ専用プリンター「ココドリ CC10」。専用ロール紙(感熱記録紙)にモノクロで印刷するプリンターで、画面上のイメージやテキストを手軽に印刷して持ち出せる

 PCとはUSB接続し、専用ソフトにより「画面表示の一部」や「コピーされてクリップボード上に一時保存されたテキスト」をプリントできる。専用ソフトはPrintScreenやPauseキーなどのホットキーで呼び出せる。ホットキーは違うキーに変更できる。

 では実際にどんな感じのプリントが得られるのか見てみよう。以下がウェブサイトから画像やテキストを取り込んでプリントした様子だ。

左のようなウェブページをPC画面上に表示し、ハイライトした部分を取り込んでプリントしてみた。右は専用ソフトの印刷設定表示。印刷対象の取り込み時にホットキーを押せば自動的に表示される
左はウェブページの画像を文字を合わせて画像として取り込んで(つまり部分スクリーンショット)のプリントアウト。右は文字だけコピーしてテキストとしてプリントアウトしたもの
表示を画像として取り込むか、テキストとして取り込むかは、ホットキー(変更可能)で使い分ける

 要は、PC画面上のスクリーンショットの一部をそのままプリントしたり、コピーした文字列のみをプリントしたりできるプリンタなんですな。ちなみに、プリントにかかる時間は、選択範囲や画像の濃淡、文字の長さなどによるが、数秒から10秒程度。印刷結果として黒の部分が多いほど印刷に時間がかかる。

 ほか、機能面では、印刷時の濃淡を調節できたり、フォントを選べたり、履歴から再度印刷できたり、「画面上の表示を手っ取り早く紙に出すプリンタ」としては必要十分の機能が備わっていると感じられる。印刷結果の四隅に「ショットノート」と同様のマーカーを付加することもできる。

対象をキャプチャするホットキーは変更できる(左)。キャプチャーの履歴が保存されるので、そこから再度印刷することもできる(右)
コピーしてクリップボードに一時保存されたテキストを印刷する「テキストモード」での設定例。フォントの変更や、テキスト自体の編集に対応する
PC上の画面表示を画像としてキャプチャーして印刷する「キャプチャーモード」での設定例。画像の濃淡の設定や、画像縮小などを行えるほか、印刷結果の四隅にショットノートと同じマーカーを付加することもできる
ショットノートと同じマーカーを付加して印刷したものと、それをショットノートアプリでスマートフォンに取り込んだ結果。印刷結果の縦方向の長さにより、縦横比が異なったり、アプリで取り込めない場合もある

 ココドリはいろいろな使い方ができると思う。たとえば目的地の住所や電話番号をメモ的にプリントして持ち出すとか、ルートをプリントするとか、必要に応じての活用ができそうだ。解像度がそーんなに高くない熱転写プリンター(サーマルプリンター)なので、印刷品位はあまり臨めないが、メモ印刷という目的を十分果たす解像度があると思う。

Googleマップでルート探索し、探索結果のテキスト部分をコピーしてプリントしてみた。一時的に使うメモ用途になら十分実用的ですな
こちらはGoogleマップ上で探索した地図上のルート。ハイライトの部分をプリントしたが、まあまあ使えなくもないという雰囲気。設定によりさらに見やすい印刷結果になるかもしれないが、その手間を考えると「素直にスマートフォン使えば?」となるかも

 各種情報をPCやスマートフォンなどのデジタル機器に集約しているような人にとっては、二度手間な感じのプリンターかもしれない。「印刷なんてしなくても、スクリーンショットなりファイルなりをモバイル端末に入れとけばいいじゃん」となりがちですな。

 ただ、PCもスマートフォンも使うけど、紙も使うし、紙に利便も感じている、てな人には少々刺さるプリンターかもしれない。たとえば今日出かける先の住所を見るために、いちいち端末を操作……するよりも、手帳の今日のページの貼ったプリントアウトを見るほうがいいと感じる人も少なくないだろう。

 また、スクラップ帳にPC上の情報を追加したい人にも向くと思う。ただし、用紙が感熱紙なので、プリントアウト自体は長期保存には向かない。年月の経過とともに印刷物のコントラストが下がって、だんだん視認性が悪くなるからだ。

 ちなみに、前述のとおりココドリでのプリントには専用ロール紙を使う。「メモタイプ」と「ふせんタイプ」の2種類がある。「メモタイプ」はレシートと似た感じの感熱紙で、「ふせんタイプ」は背面が弱粘着の薄手のふせん紙という感じの感熱紙となる。

 これら2種類の専用紙、用途にもよるとは思うが、個人的には「ふせんタイプ」が非常に便利だと感じた。貼れるから無くさないし、目立つ位置に貼れば備忘にもなるし、何かと使い勝手が良い。ただ、両方ちょっと高いですな。メーカー本体価格が「メモタイプ」が500円、「ふせんタイプ」が750円。1巻で4mあるのでけっこーたっぷり使えるとは思うが、用途によってはランニングコストが少し高めだと感じるかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。