シャープからもスマホ対応のイエデンが登場♪

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


シャープからもスマホ対応のイエデンが登場♪

 2012年8月20日に、ユニデン製コードレスホン「可憐 DECT3288」の使用レポートを書いた。スマートフォンとBluetooth接続し、スマートフォンへの着信を受けたり、スマートフォン回線から発信したりできる固定回線用コードレスホンですな。

 いろいろ便利で現在も常用中だが、つい先日、シャープからも似た機種が登場。固定回線用コードレスホンの「JD-4C2CL/CW」だ。

左が子機1台タイプの「JD-4C2CL」。中央が子機2台タイプの「JD-4C2CW」。どちらもスマートフォンとBluetooth接続でき、スマホのハンドセット(Bluetooth受話器)として利用できる。カラーバリエーションは3色(写真右)。2012年10月12日発売予定で、店頭予想価格は子機1台の「JD-4C2CL」が2万円前後、子機2台の「JD-4C2CW」が2万8000円前後

 シャープは、デザイン性やフォトフレーム機能などに重点を置いた固定回線用コードレスホンとして「インテリアホン」シリーズを発売しているが、この「JD-4C2CL/CW」はその最新型。コードレスホンとしては、2012年3月16日に発売された「JD-7C2CL/CW」と同様にDECT 1.9GHz方式に対応している。これに加え、インテリアホンシリーズ中で唯一、携帯電話連携機能の「スマホコネクト」を搭載している。

 で、ついこないだ上記の「可憐 DECT3288」が便利だゼ~常用するゼ~無理矢理棚に貼り付けて使ってるゼ~とか書き、俺のなかではヒトツの解が出た感じではあった。が、シャープからも似たのが出てきた。そして気になるのは、シャープの「JD-4C2CL/CW」では、「スマホの電話帳データをBluetoothで転送できる」という点。ユニデンの「可憐 DECT3288」にはできなかったコトである。

 ……このBluetooth電話帳データ転送機能、実用的だったりしたら悔しいっていうか「JD-4C2CL/CW」超欲しいなぁ。どうなんだろう? そこで、発売前の「JD-4C2CL/CW」をお借りして試用してみた。てなわけで以降、「JD-4C2CL/CW」の機能や使用感をレポートしてみたい。


気軽に置けて楽しめる親機

 JD-4C2CL/CWに触れ、まず感じたのは、なるほどインテリア性を意識したコードレスホンなんだなぁ、と。上品なステーショナリ的な作りで、親機も子機も非常にシンプルな意匠が施されている。しかも本体背面まで綺麗な仕上げ。こういう外観と質感なら目立つ場所にでも違和感なく置けますな。

 ちなみに、親機のサイズは幅22.3×高さ16.7奥行き7.9cm。子機のサイズは幅4.8×高さ16×厚み1.9cm。子機の連続通話時間は約7時間。電話帳は親機が持ち、子機は親機の電話帳を逐一参照するしくみで、電話帳には100件まで登録できる。

子機をセットして充電できる親機。親機にコード接続の受話器はない。親機は背面までスッキリとしたデザインになっている。親機のサイズは幅22.3×高さ16.7奥行き7.9cm
子機も非常にシンプルなデザイン。デザイン優先に見えるボタン類だが、キー類は押しやすく操作しやすい。子機のサイズは幅4.8×高さ16×厚み1.9cmで、連続通話時間は約7時間

 JD-4C2CL/CWは卓上設置専用のコードレスホンですな。リビングなどのテーブルや棚に置ける悪くないインテリア、みたいな。その外観の良さに加え、独自のフォトフレーム機能も楽しい。

 JD-4C2CL/CW親機は480×272ドットのタッチ対応カラー液晶画面を搭載し、フォトフレームとしても利用できる。64MBの内蔵メモリおよびSD/SDHCカードスロットがあり、内蔵メモリやSD/SDHCカードに入れた画像を表示できる(フォトスライド機能)。

内蔵メモリやSD/SDHCカードに入れた画像を、親機の画面で表示できる。デジタルフォトフレームとしての機能はあまり豊富ではないが、実用上大きな不満は感じられなかった
写真のスライドショー表示のほか、カレンダーと組み合わせての表示や、カレンダーのみの表示も行える。もちろん画面表示をオフにすることもできる

 なお、液晶は自動で消灯させることができ、消灯までの時間を5分/30分/1時間/3時間に指定できる。常時表示の設定も可能だ。画面が消えた状態からは、画面にタッチするだけでホーム画面表示になり、日付や時刻、着信や伝言の有無などを確認できる。


「スマホコネクト」はどーなのか?

 JD-4C2CL/CWには「スマホコネクト」機能が搭載されている。JD-4C2CL/CW親機とスマートフォンをBluetooth接続して活用するための機能ですな。

 スマホコネクトでデキるコトは、スマートフォンへの着信をJD-4C2CL/CWで受けられること、JD-4C2CL/CWからスマートフォンの回線を使っての発信、JD-4C2CL/CWへのスマートフォン電話帳転送となる。なお、使用するBluetoothプロファイルは、スマートフォンの発着信関連操作のためにHFP(Hands-Free Profile)、電話帳転送のためにOPP(Object Push Profile)を利用する。

 ちなみに、JD-4C2CL/CWには2台までのスマートフォンを登録でき、2台同時待ち受けが可能だ。なお、JD-4C2CL/CWにて動作確認済みのスマートフォン(携帯電話)の機種一覧はこちら

 で、早速、手持ちのスマートフォンを接続してみた。接続したのはiPhone 4SとGALAXY Note SC-05D。

JD-4C2CL/CWの画面表示に従ってスマートフォンを操作。迷うような部分はなく、スムーズに両機をBluetooth接続できた

 接続はサクッと完了。これでスマートフォンへの着信をJD-4C2CL/CWで受けたり、JD-4C2CL/CWを使ってスマートフォンの回線を経由して発信することができるようになった。それと、JD-4C2CL/CWを固定回線と接続しない場合でも、スマートフォン用のハンドセット(Bluetooth受話器)としてのみ機能させることもできた。なお、JD-4C2CL/CWの場合、子機が2台以上あれば、1台の子機でスマートフォン回線を使って通話しているときでも、別の子機で固定回線を利用して通話することができる。

 お次はスマートフォンの電話帳を転送。Bluetooth経由でスマホ電話帳をJD-4C2CL/CWへ無線転送できるというのだが、果たして!?

 手順は簡単で、JD-4C2CL/CW側を電話帳受信の待ち受け状態にする。その後、スマートフォン側で電話帳の1件もしくは複数件を選択し、Android端末ならインテントなどを使ってBluetoothでそのデータを転送(共有)すればOK。

JD-4C2CL/CWでは電話帳の受信待ち受け状態にすればいい。あとはスマホ側から好きなだけ転送。その後、JD-4C2CL/CWの電話帳を見ると、シッカリ転送されていた♪
スマホ(GALAXY Note SC-05D)側での操作例。いちばんシンプルで失敗しにくいのは、連絡先を1件表示させ、これをBluetoothへインテント(共有)する方法。連絡先を複数件を選んでの一括転送も可能だ

 スマートフォンから転送できる電話帳データだが、具体的には名前と読みと電話番号のみとなる。また、1件の電話帳データに複数の電話番号が登録されている場合は、各電話番号が1件ずつ個別にJD-4C2CL/CWへと登録される。また、1件の電話帳データについて、5番号まで転送できる。

 たとえば、インプレスという名の電話帳データに、03-1234-1234、090-1234-1234、050-1234-1234の3つの電話番号があり、これを転送した場合。JD-4C2CL/CW側にはインプレスという名のデータが3件登録され、それぞれ別の番号が登録されるカタチになる。ので、必要に応じて、JD-4C2CL/CW側で登録名を変更する必要が出るかもしれない。

 スマホの電話帳のスタイルのまま全部転送され、JD-4C2CL/CW上でもそのまま活用できればナ、とは思う。が、こーゆーコトできるイエデンは現在のところJD-4C2CL/CWだけなので、近未来の発展を期待したいところ。てか、Googleアカウントを直接利用できるイエデンができればいいのにネ、みたいな。

 もうひとつ、電話帳データの転送は失敗することもあるようだ。スマホ側の問題なのかナンなのかイマイチわからないが、単純に転送できなかった場合や、転送したけどJD-4C2CL/CW上で文字化けしてしまうような場合がある。転送の様子を見ていると、どうもスマホ側のトラブルや、スマホ上の電話帳データの整合性が原因のように思える。が、どちらにせよ、「いつも完璧な電話帳転送」という感じではないので、大切なデータの転送後は、元データと一度照合するのが無難だと思う。


しばらく使ってみて

 さて、JD-4C2CL/CWを1週間程度試用してみたが、まずはやはり、スマホ電話帳データ転送機能だけでJD-4C2CL/CWが欲しくなりましたよええ。つまりはGoogleアカウントの(Gmail)連絡先をイエデンに持って行けるわけで、これは便利だしラクだゾ、と思う。JD-4C2CL/CWは、これまでのイエデンでいちばん、電話帳をラクに登録でき、充実させられたと感じる。

 ただ、登録件数100件はちょっと少ないかも!? スマホからのデータ転送はラクなので、どんどん登録してしまうが、多くの人の電話帳データにはイエデン番号と会社電話番号とケータイ番号が入っていたりする。ので、単純に転送しているだけだと、つまり転送後に不要な番号を削除するなどしないと、30~40人くらいの転送で追加不能になるケースもありそうだ。

 電話帳関連でもうひとつ不満点を述べるとすれば、子機での表示が英数カナのみであること。子機の表示、1990年代のケータイみたいな表示ですな。非常に貧相な見栄え。JD-4C2CL/CWの電話帳は親機が持っていて、子機で電話帳を使う場合は親機を参照するカタチだ。親機の電話帳の名前は漢字表示なので、ぜひここは、子機も漢字表示対応になってほしい。

 残念な点としてもうひとつ。俺的には、親機も子機も壁掛けには対応していないのが残念。インテリアホンシリーズの場合、「JD-7C2CL/CW」が壁掛けをウリにしているので、ほかの機種は敢えて壁掛け非対応なのかもしれない。この「JD-7C2CL/CW」がスマホコネクト対応だったら、恐らく今すぐポチッとしていたと思う。

 それ以外は非常にイイと思う。スマートフォン連携という点では現時点で最も活用幅が広いと感じる。それと、当然かもしれないが、イエデンをタッチ操作で使っていけるのは快適。特殊な機能をとりあえず的にボタンへ割り振るようなUIではないので、逐一わかりやすく、直感的に使っていける。

 それから、写真類をフォトフレーム以外にも活用できる点もイイ。たとえば、JD-4C2CL/CWでは電話帳に顔写真などを登録できる。これにより、顔のアイコンにタッチすれば発信できるフォト電話帳機能を使えたり、着信時に顔写真などを表示させることができる。スマホの電話帳に顔写真を登録しておくと「誰からかかってきたか見た瞬間わかる」ので便利だが、JD-4C2CL/CWにもああいった利便がある。

JD-4C2CL/CWの電話帳には、顔写真などの画像や親機内蔵のイラストなどを登録できる。この画像を5件まで登録し、ワンタッチで発信できる「フォト電話帳」機能も便利だ。もちろん、画像を登録した電話番号から着信があれば、その画像が表示される

 てな感じで、お値段はちょいと高いが、スマホユーザーにとってはヒキのある機能を複数持っているJD-4C2CL/CW。個人的には、壁掛けタイプの「JD-7C2CL/CW」が「スマホコネクト」対応になってくれればサイコー♪ と思うが、JD-4C2CL/CWもそんなにデカいわけではないので、密かに購入を考え中である。ともあれ、なかなかユニークなイエデンなので、興味のある方はぜひ一度実機に触れてみて欲しい。





2012/9/24 06:00