持ち運べる太陽発電パネル!
エネループ・ポータブルソーラーを購入

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


エネループ・ポータブルソーラーを購入

 エネループ関連のラインナップを増やしまくり中の三洋電機から、エネループ・ポータブルソーラー(eneloop portable solar)が発売された。持ち運べる太陽発電パネルですな。

エネループ・ポータブルソーラー本体。太陽電池パネルが1枚のシングルタイプSSL-SBSL3ASと、2枚のツインタイプSSL-SBWL3ASがある。2009年9月現在の実勢価格は、シングルタイプが8000円程度、ツインタイプが1万2000円程度

 エネループ・ポータブルソーラー(以下、ポータブルソーラー)は、本体となる太陽発電パネルと、エネループ・モバイルブースターKBC-L3Aがセットになったパッケージだ。ポータブルソーラー本体で発電して、その電力をいったんモバイルブースターに蓄え、モバイルブースターから各種USB充電対応機器に充電するわけですな。

本体表面の太陽電池パネルに太陽光が当たると発電する発電した電力は、付属のモバイルブースターKBC-L3Aにいったん蓄えられる。つまり、ポータブルソーラーはKBC-L3Aを充電するための発電器なんですな充電されたKBC-L3Aを使って、各種USB充電対応機器を充電することができる。めでたく、機器が太陽電池により充電されたことになる

 当初、ポータブルソーラーから機器へとダイレクトに充電できるかと思ってたんですけど、そーゆーわけではなさそう。太陽発電パネル→二次電池→各種機器、というステップを踏んで太陽光を利用するのであった。

 太陽光からダイレクトに充電ではナイ、という点で一瞬萎えた俺だったが、発売前に実機を数日借りて使ってみたら、コレはアリかつナカナカ便利と感じたので購入。シングルタイプとツインタイプの両方を買った。

 で、約1カ月ほど使ってみたので、以下にその使用感や実用性などを書いてみたい。


電池つなげて日に当てるだけ

 前述のとおり、ポータブルソーラーは太陽発電パネルの枚数により2機種存在する。太陽電池パネルを1枚持つシングルタイプと、2枚持つツインタイプですな。

シングルタイプの太陽発電パネル面。透明の樹脂カバーで覆われており、パネル表面に直接触れることはできない裏面はメッシュバッグになっている。メッシュバッグ内部には、太陽発電パネルから伸びるUSBケーブル(端子はUSB miniB型)が出ている。メッシュバッグ内部に付属のモバイルブースターを収めた状態で充電できる付属品はモバイルブースターKBC-L3A、落下防止ヒモ、専用フック(吸盤付き)×2個、充電用USBケーブル。USBケーブルは、片側がUSB A型プラグで、もう片側がUSB miniB型プラグ。モバイルブースターから各機器への充電に使えるほか、PCのUSBポートからモバイルブースターを充電する場合にも使える
ツインタイプの太陽発電パネル面。シングルタイプの2倍となる2枚のパネルが内蔵されている裏面にはシングルタイプと同様のメッシュバッグがある。付属品もシングルタイプと同じツインタイプはこのように二つ折りにできる。折り畳んだ状態がマグネットによって保持されるので不意に開きにくい

 サイズなどの詳細な情報はこのページにあるが、携帯時は20cm弱の四角い板って感じ。質量はツインタイプが約420g、シングルタイプが約230gで、付属のモバイルブースターは約70g。両タイプとも厚みは3cm未満なので、携帯して使える太陽電池としては実用性が高いよーに思われる。

 で、使い方だが、ポータブルソーラーに付属モバイルブースターを接続し、太陽発電パネルを太陽のほーに向けるだけ。使い切ったモバイルブースター(KBC-L3A)の充電にかかる時間は、ツインタイプで約1.5日、シングルタイプで約3日かかる、となっている。

実際はこのよーに使うケースが多いだろう。付属のフックを使って窓などに吊り下げて充電。メッシュバッグ内にはモバイルブースターを接続してある。……写真は夜ですけど、しかも雨ですけど、外が日中の晴天だと思いねえさらに、落下防止ヒモを窓のロック部や(不意に回すことのない)ドアノブなどに掛けておけば、本体落下&破損の可能性がグッと低くなる付属のフックは2個。これと落下防止ヒモを併用すれば、取っ掛かりのない窓にもポータブルソーラーを取り付けられる。もちろん、ポータブルソーラーを窓際に立てかけるだけでも使用できる

 使用時、迷う部分ほぼ皆無。非常に簡単に使える太陽光発電器だ。もちろん、上記のような“充電されるまで待つ時間”はある。ただ、モバイルブースター自体はPCのUSBポートをはじめとするバスパワーのUSBポートからの充電に対応しているので、急いでいる場合はUSB充電するのが普通。ポータブルソーラーは「基本ほっといて、数日したら充電されているハズ」的に使う製品ですな。

 また、モバイルブースターは満充電しなくても使える(他機器に対して充電を行えるケースが多い)。メーカー公称では、ツインタイプ→付属モバイルブースターに充電した場合に「晴天時約1時間のソーラー充電で携帯電話約40分通話相当の充電が可能」となっているので、半日程度のソーラー充電でもモバイルブースターを実用的に使えるケースが少なくない。

 あ。「ケースが多い」とか「ケースが少なくない」という歯切れの悪い言い方をしているのは、モバイルブースター側がどの程度充電されているかで、機器への充電の可否が変わるからだ。充電の可否は機器側が求める充電時の電圧などで変わる=機器によって変わるので、一概には言えないってわけですな。


対応バッテリーはモバイルブースターKBC-L3Aのみ!?

 ポータブルソーラーは、現在、付属のモバイルブースターKBC-L3Aのみに対応しているようだ。拙者の場合、このKBC-L3Aと同じ入出力電圧/蓄電容量を持つKBC-L3を持っているが、この古いタイプには対応していないもよう。

 ポータブルソーラーからの出力(電圧など)は日照や気温などによって左右される(安定しない)ため、KBC-L3の改良型となるKBC-L3Aでないとうまく充電されないというのが、その理由らしい。

 また、ポータブルソーラーの説明書の追加文章に「同梱のKBC-L3A以外にも、KBC-E1A、KBC-L2A(近日発売予定)もご使用になれます」や「KBC-L2、KBC-L3、KBC-E1はポータブルソーラーではご使用になれません」とある。ので、旧型である(型番に“A”の付かない)モバイルブースターに対しては充電できないっぽい。

ポータブルソーラーに同梱のモバイルブースターKBC-L3A。これなら問題なくソーラー充電できる問題ナシのKBC-L3Aと、旧型のKBC-L3。旧型にはソーラー充電できないっぽいが……こちらはKBC-L3の2倍の蓄電容量(5000mAh)を持つ旧型(?)モバイルブースターKBC-L2。これもソーラー充電非対応品らしい

 ポータブルソーラー使用開始当初、「KBC-L3A専用か。ふうん、そうなんだ」と思ってKBC-L3Aだけ使用していた。でも手持ちのモバイルブースター、すなわち正式にはポータブルソーラーには対応していないKBC-L3やKBC-L2にも充電できたら嬉しいニャ。そう思って試してみた。

 フツーに晴れた日に、KBC-L3やKBC-L2をポータブルソーラーに接続してみたら……あら。問題なく充電できてるっぽいんですけど。てか充電できた。

 長時間観察し続けたわけではないのだが、ポータブルソーラー付属のモバイルブースターKBC-L3Aの場合、けっこー夕方まで充電中状態(青色LED点滅)だった。これに対し、KBC-L3やKBC-L2といった旧型モバイルブースターの場合、雲が増えてきたりすると充電中だったり充電してない状態だったり。

 てなわけで、確かに安定して充電できるのはKBC-L3Aなのかも。しかし、十分に太陽光が当たっていれば、旧型のモバイルブースター(KBC-L3やKBC-L2)でもソーラー充電できるっぽいことがわかった。

 あと、実験的に試してみたコト。ポータブルソーラーからケータイとかに直接充電できたらスッキリするニャと思い、ポータブルソーラーとドコモのBlackBerry Boldをダイレクトにコネクトしてのチャージにトライ!!

 結果、BlackBerry Bold側の表示においては、充電中のマークが。充電できているってコトだと思われる。が、BlackBerry Boldの設定を「充電中にデジタル時計表示」にしていたためか、超晴れた日に2時間程度充電しても、バッテリー目盛りが1段階程度しか充電されていない感じ。また、雲が出てくると充電されない状態にもなった。

 ……やはり、USBの電圧/電流を電力として充電する機器においては、ポータブルソーラーの出力は不安定なのかもしれない。また、晴天下なら充電できるカモな雰囲気ではあるが、晴天下だと太陽光によりポータブルソーラー自体がかなり熱くなる。ポータブルソーラー裏面のメッシュバッグに入れたケータイ本体もホットに。この点でも端末を傷めそうですな。

 なお、ケータイへの直接充電とか非対応モバイルブースターへの充電などは、恐らくメーカー保証外の使い方になると思うので、そのあたりは自己責任でヒトツ。


気分が晴れるポータブルソーラー

 太陽発電パネルで電力を得て、それをモバイルブースターKBC-L3Aに蓄える。結果、太陽光で各種機器を充電できるのがこのパッケージ、てなわけだ。

 それだけなのだが、実際に使ってみると細かな気持ちよさが得られつつ、これまでの微妙な引っ掛かりがなくなり、ぶっちゃけ、ストレスが減ると感じている。

 例えば、ほかの機器を充電するためのモバイルブースター、を、充電するためのACアダプタやPCの電源、というヘンな感覚。モバイルブースターは電力を持ち歩いて利用するための二次電池だから、それを充電するためのシクミも必要だ。が、モバイルブースターを使うためにACアダプタをひとつ増やすとか、バスパワー給電可能なUSBハブを増設するとか、「?」みたいな違和感があった。

 ポータブルソーラーは、太陽光があれば発電し、その電力をモバイルブースターに蓄える。発電役と蓄電役が明確にあって、蓄電役はさまざまな機器に対して電力を供給できる、というヒッジョーに単純でわっかりやす~い図式が気持ちいい。いつもは単に熱とかに変わっちゃってる太陽光を電力に変換しているってのも気持ちいい。その様子を見つつ「太陽光があればACアダプタもコンセントも要らなくなる時代が来るんじゃね」的な妄想を平易に抱けるあたりも、気持ちいい。

 ただ、ポータブルソーラーやモバイルブースターには問題がある。ポータブルソーラーにおいては発電量が少ない点。モバイルブースターにおいては蓄電量が少ない点。って、妄想な未来の観点から言ってるが、さらに発電効率が上がり蓄電容量も増えれば、これまたもっと気持ちいい未来になりそうだ。

 まあ、ほかにもいろいろと考えるべき部分はあるのかもしれない。ポータブルソーラーを使って得られる電力の総量と、ポータブルソーラーを生産するときに使った電力の総量、どっちが多いの? 的なこととかネ。

 ただ、どの方法だと、自分がより受け入れられるか、納得できるのか、違和感がないのか、そして気持ちいいのか、と考えたときだ。拙者にとってのポータブルソーラーは、そのコストパフォーマンスとか実用性とか効率とかとは違う、なんつーか、使っている嬉しさみたいなモンがある。その点、非常に好き。

 とかゴチャゴチャ書いてみたが、率直な話、モバイルブースターを活用してきたモバイラーとかにはオススメできるポータブルソーラーである。滅多に増えない充電の手段がひとつ増えるからだ。しかも電源は太陽。ソコに萌えるなら買い度が高い。

 ちなみに、買うならツインタイプがオススメ。単純な話、太陽光を電力に変換する効率が約2倍になるので、より現実的な活用ができるからだ。重さもサイズ(二つ折りにしたとき)もそー大きくは変わらないし、価格的にも4000円くらいの差。てなわけで、どーせ買うならツインタイプだと思う。


2009/9/14 10:34