スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

やっと買った「Anker 637 Magnetic Charging Station」で8台を同時充電!

いろいろな“給電元”が合体している充電ステーション

アンカーの「Anker MagGoシリーズ」はiPhone 13 / 12シリーズに最適な5製品。iPhoneのMagSafe(マグネットで吸着してのワイヤレス充電が可能なシステム)に対応した充電器/モバイルバッテリー/アクセサリー製品群だ。

 2021年末に発売された「Anker MagGoシリーズ」。上の5製品だが、発売時に「あっコレいいかも」と思ったのが「Anker 637 Magnetic Charging Station」だ。8つの機器を同時に充電できるという充電ステーションである。

アンカー「Anker 637 Magnetic Charging Station」。前方にはMagSafe対応のワイヤレス充電パッドがある。
後方には4つの充電用USBポートと3つのACアウトレット(コンセント)がある。

 3口マルチタップ+4ポートUSB-ACアダプター+MagSafe互換ワイヤレス充電パッド、という製品。なかなか便利そうじゃないですかぁ〜♪ と思ってポチっとしようとしたが、発売当初の当時は既に品薄。メーカー価格9990円の充電器だが、あらま、そんなに売れちゃってんの? それとも生産台数抑えめ? まあそーんなに「超絶欲しい!!!」ってわけでもないので「また今度」って感じで、とりあえず購入を諦めた。

 そして最近になって「もう1つMagSafe充電台があると便利だな」と思った。現在、iPhone 13 miniとiPhone 13 Pro Maxを併用している。どちらもMagSafe充電対応のiPhoneだ。

 で、この2台を携行する場合、出かける前などに2台を充電する。のだが、現在MagSafe充電台が1つだけなので、片方のiPhoneはLightningケーブルをつないでの充電となる。

仕事机の右側にMagSafe充電台を置いている。ここにiPhone 13 miniやiPhone 13 Pro Maxをペタリと吸着させて充電している。
PCディスプレイの下にも充電可能なUSBポートがいくつもある。
机の左側の下にもUSB-ACアダプター。面ファスナーで固定している。

 USB充電口がたーくさんあるので、充電には困らない。iPhoneを2台同時にMagSafeできなくて残念だナという程度。そして俺の場合はMagSafe充電器をいくつも持っているMagSafe沼野郎なので、手持ちの機材でMagSafe充電スポットを1つ増やすのはたやすい。

 しかし、MagSafe充電スポットを1つ増やして、その分のスペースが失われるのが微妙にイヤなのだ。1台の端末のワイヤレス充電のためだけに、机上にMagSafe充電パッドとMagSafe充電パッド用スタンドが増えつつ場所を取り、MagSafe充電パッドに給電するためのUSB-ACアダプターが増えつつ(もしくは既存USB充電口が消費されつつ)ACアウトレット(コンセント)が1つ消費されたりする。なんかなんかなんか、MagSafe充電スポット×1のために、そこまでって、なんかなんかなんか……。

 そんなモヤモヤを巧く解消しつつ俺のハードウェア試したい欲を満たしてくれるのが、「Anker 637 Magnetic Charging Station」じゃないのか、と。これを1台置くだけで、MagSafe互換ワイヤレス充電パッドが1つ増え、USB充電口が4つ増え、ACアウトレットが1つ消費されるものの3つ増えてプラマイでコンセント口は2つ増える計算に!!!

 素晴らしい! コストパフォーマンスならぬスペースパフォーマンスが非常に高いぜ高いぜ高くて死ぬぜ〜ッ!!! これを買うしか!

 とかマッチポンプ的な理屈を捏ねていたら「Anker 637 Magnetic Charging Station」が超絶欲しまったのでチェック。すると現在は在庫豊富。ポチッと購入してしばらく使ってきたので、今回はこの白くて丸くて可愛い充電ステーションをレビューしてゆきたいッ!!!

MagSafe充電台としてはどうなのか?

 まずはMagSafe充電台として使った感じを。結論から言えば、いくつか注意点があるものの、フツーに便利であり実用的だと感じられた。写真とともにMagSafe充電台としての使い勝手を見ていこう。

机上に設置し、iPhone 13 miniと並べた様子。高さ10.3×幅11cmでコンパクト。邪魔な感じはしない。
iPhone 13 miniをセットした様子。
iPhone 13 Pro Maxをセットした様子。iPhoneのサイズに関わらず、安定的にセットできる。

 Anker 637 Magnetic Charging Stationは高効率・高耐久のパワー半導体「GaN」採用のACアダプターで、小型ながらも高出力。ただしMagSafe充電台として最大出力は7.5Wだ。MagSafeでは最大15Wのワイヤレス充電が可能とされているが、その半分の出力しかないので、iPhoneをなるべく早くワイヤレス充電したいというユーザーには向かないかもしれない。

 俺の場合、ワイヤレス充電に速度を求めておらず、「ペタリと吸着させるだけで手軽」「吸着させておけばそのうち満充電になる」という気楽さ重視の使い方なので、7.5Wでも問題ない。……いや15Wで充電されればそれに越したことはないが。

 もうひとつ。iPhoneの取り外しかたによっては、この充電ステーションが持ち上がってしまう。また場合によっては「持ち上がったうえにガツンと落下する」ということもある。

iPhone 13 Pro Max(MagSafe対応ケース入り)を外そうとしたら、丸い充電ステーションが持ち上がっちゃた!
iPhone 13 mini(MagSafe対応ケース入り)でも持ち上がっちゃうことが。そして手の動かし方によっては、この後に充電ステーションが落下!
充電ステーションの持ち上がりを防ぐには、iPhoneの外し方に注意。端末のやや下部を持って……。
下側から剥がすようにする。
そうすると、充電ステーションが持ち上がることも動くこともなく、問題なくiPhoneを外せる。

 この充電ステーション、約900gの荷重に耐える強力マグネットを装備ということで、iPhoneをしっかり吸着する。しかし本体重量は約580gということで、iPhoneの外し方に注意しないと持ち上がったり動いたりしちゃう。てか、机上据え置きで使うモノなんだから、本体がもっと重くてもよかったのにニャと思う。

充電用USBポートはどうなのか?

 Anker 637 Magnetic Charging Stationには、4つの充電用USBポートがある。2つのUSB-Aポート(出力5V/2.4A)と2つのUSB-Cポート(出力5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3.25A)。USBポートの合計出力は最大65Wだ。

後面下部に4つの充電用USBポートがある。USB-Aポートは最大12W対応でPowerIQに対応。USB-Cポートは最大65W対応でPowerIQ 3.0対応。
接続した機器により各ポートの上限出力が変わってくる。
USB-AポートにUSBケーブルを接続した様子。色付きケーブルだとちょっと目立つ。
いろいろな色のケーブルをつなぎ、周辺にある機器につなぐと、こんな感じ。煩雑な感じになる。
iPhoneを置いても後方のケーブルは目立つのであった。まあ、しょうがないですな。
本体底部には回転機構こそないが、小さくて重くないのでクルリと回せる。回してケーブルを着脱できるので、後方のポートでも使いにくい感じではない。

 俺的には「MagSafe充電台として使えるし、必要ならUSB給電もしてくれる」ということで、まずまず満足している。PowerIQ対応であり出力も高めなので、「この充電台でUSB充電すれば“なる速”で充電してくれる」という安楽さもある。

 ただ、USBケーブルの挿抜は、片手では行えない。頑張れば片手でもUSBケーブルの挿抜ができることもあるが、本体が軽めなので挿抜中に本体が動きがち。本体を片手で押さえ、もう片手で挿抜を行うのが確実なのであった。片手でUSBケーブルの挿抜ができるように、本体がもっと重くてもよかったのにニャと思う。

ACアウトレットはどうなのか?

 最後に、Anker 637 Magnetic Charging Station後方のACアウトレット(コンセント)。3つあり、挿したプラグが干渉しにくくなっている。これも写真とともに使用感を見ていこう。

3つあるうちのひとつに、ACプラグを挿した様子。しなやかなACケーブルなら全然問題ない。
すべてのACアウトレットにACケーブルを接続。ゴツめのケーブルが多いと、そのケーブルの張りや重みで充電ステーション本体が傾いたり倒れたりしてしまうことがある。ので、ACケーブルの取り回しに少々の配慮が必要。
バッテリーチャージャーを直接挿した様子。この状態でバッテリーを装着しても、わりと安定している。本体のACアウトレット部が斜めになっているからだろう。
やや無理やりだが、2つのバッテリーチャージャーを挿すこともできた。ただし3つめのACアウトレットは塞がってしまって使えない。また、バッテリーチャージャーによっては下部のUSBポートが塞がれたり、ポートにUSBケーブルを挿せないことがある。
3つのACアウトレットすべてを使いたい場合、挿す機器のサイズを吟味する必要がある。
細身のUSB-ACアダプターだと3つ挿せて、さらに下部USBポートも塞がれなかった。……挿す機器を吟味するって、なんか本末転倒な気がしてくるものの、3つのACアウトレットはちょいちょい役立っている。

 3つのACアウトレットについては、もうユーザーの使い方・挿す機器次第という感じですな。また、全部使おうとすると本体が不安定になり気味。やはりこの使い勝手に関しても、本体がもっと重くてもよかったのにニャと思う。

 てな感じのAnker 637 Magnetic Charging Station。機能性においてはいろいろ合体しているということで、価格9990円はまずまず納得できる。ただ、これらすべての機能性を生かしきるかと言えば、微妙かも。場所を取らないのはいいが、いろいろつなぎすぎると本体が安定せず傾いたり倒れたりしやすくなる。やっぱり、本体がもっと重くてもよかったのにニャと思う。

 本体重量は約580gだが、据え置きで使うものだし、本体重量が1kgとか1.5kgでも安定性がグッと増せば喜ぶユーザーは多いと思う。次作はゼヒ、もっと重たくしておくんニャさい!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。