スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマホを自転車に……どう取り付ける?

自転車用スマートフォンホルダーをアレコレ試す

 自転車に乗り、知らない道を走っている最近の筆者。決まったコースを走ることも多いですが、その一方で「通ったことのない道」を走り、新たなコースを鋭意開拓している感じです。なので、やっぱり、自転車走行時にスマートフォンを多用。走行中に道に迷ったり道を確認するため、いったん停車してGoogle マップで現在位置や道のつながりを確認しています。

 そんな必要性から、自転車用のスマートフォンホルダーも使用中。停車したら即スマホを使えるのはとても便利♪ というわけで、自転車用ホルダーをあれこれイロイロと使用中。物好きなのもあって、ホルダーを取っ替え引っ替え使っています。

左はシリコン製のホルダーで、その伸縮性によりスマホの四方をギュッとキャッチして固定するタイプです。右は樹脂製のホルダーで、スマホをカッチリと固定できるタイプ。
左はハンドルの手前のフレーム部(トップチューブ)に装着するバッグで、その上側にスマホが収まるタイプ。右は手首にスマホを装着できるホルダー。

 こんな感じでイロイロと。てなわけで今回は、使用中の自転車用スマートフォンホルダーの機能性や使用感などについて書いてみたいと思います。

シリコン製のよくあるタイプ、手軽で便利だが……

 まずはシリコン製のホルダー。シリコンの伸縮性を利用してスマートフォンをギュッと掴むように固定するホルダーです。工具不要で使えて、スマホの固定も自転車車体への取り付けも容易で便利です。2種類使っていますが、写真で見ていきましょう。

Amazonで購入したシリコン素材のホルダーで、ハンドル装着用です。Amazon固定リンクはコチラ。2170円でした。ハンドル固定用ストラップは、ホルダーとハンドルの間を一度通して固定するスタイル。そのぶんハンドルからの振動が和らげられるようです。
ハンドルに装着してiPhone Xを固定した様子。iPhone Xの場合、ホルダーのシリコンベルトの位置によっては顔認証が不能だったり、ホームバー操作(画面下から上へのスワイプ)ができなかったりしますので、そのあたりを工夫しての装着が強いられます。うまい位置に装着できれば顔認証もホームバー操作も一応は可能。
こちらはiPhone 8 Plusを装着した様子。シリコンベルト位置を調節すれば、ホームボタン押下や指紋認証が十分に可能です。ただし、ちょっとシリコンベルトが引っ張られすぎという感じも。なお、スマートフォンの向きは縦位置のみですが、画面の前後傾きは自由に変えられます。ハンドル中央から手前に伸びるポール(ステム)にホルダーを装着すれば、一応は横位置でも使えます。
こちらもAmazonで購入したシリコン素材のホルダーで、画面回転機能付き。Amazon固定リンクはコチラ。1399円でした。
iPhone Xを装着した様子。こちらもシリコンベルト位置をうまく調節しないと、顔認証やホームバー操作が行えません。
iPhone 8 Plusを装着した様子。画面回転機構により、縦位置でも横位置でも使えます。端末を15°ずつ回転させることができますので、ハンドルバーが斜めでも画面を縦位置・横位置に合わせやすいです。

 両方とも、単純な機構でハンドルへの取り付けもスマホの装着も容易。工具も要りません。なかなか便利。

 iPhone Xを装着して使った場合、顔認証やホームバー操作がネックになりがちです。でも、上のシリコンベルト位置を調節すれば顔認証が通りますし、「AssistiveTouch」ボタンでホーム画面を呼び出す設定にすればホームバー操作問題も解決できます。

 ただ、根本的な問題が残るかも。というのは、これらシリコン製ホルダーは、シリコンベルトで自転車に固定され、シリコンベルトで端末を固定していて、そのシリコンベルトが切れることがあるからです。Amazonのカスタマーレビューを見ると、買ったらすぐ切れたとか、何度か使ったら切れたという人も。製品のバラつきとか使い方とかいろいろ原因はあると思いますが、切れちゃう場合もあるんですね。

 端末のホールド感が良好だったり、端末に振動が伝わりにくい感じがするなど、なかなか良好な使用感の2製品。なんですが、一方で「走行中にシリコンベルトが切れたら!?」みたいな不安もあるわけです。筆者の場合はそのまま使っちゃってますが、ホルダーと端末を輪ゴムで固定するとか、ハンドル固定シリコンベルトが切れたときの落下防止策を講じるなどしたほうが安心かも、です。

ミノウラの本格派ホルダー「iH-220」シリーズ

 続いて、ガチな自転車用品でおなじみのミノウラ(MINOURA)の「iH-220」シリーズ(公式ページ)。自転車のハンドルにクランプで着脱できるスマートフォンホルダーで、対応ハンドル太さ違いで「S」と「M」があります。筆者の自転車のハンドルサイズは31.8mm直径なので「iH-220-M」を使っています。

 なお、ハンドルに固定するタイプの「iH-520」シリーズ(公式ページ)もあります。筆者は(固定タイプをオートバイで使おうと考えて)両方のシリーズを買いましたが、「iH-220」シリーズと「iH-520」シリーズの違いは、ハンドルに取り付ける固定金具のみのようです。スマートフォンフォルダ部分や、フォルダと固定金具を接続するパーツなどは共通品のようです。

 ともあれ、以降は「iH-220-M」について。写真で見ていきましょう。

ミノウラ「iH-220-M」。ネット通販で2409円でした。ホルダー部は主に樹脂製で、ハンドルに固定する部分周辺は金属製。かなり頑丈なホルダーです。
クランプ式で、ハンドルへの固定動作については手だけで行えます。ですが、ホルダー部分のサイズ調節や固定金具へのホルダー取り付けには、プラスドライバーや六角レンチが必要。最初の組み立てと調整には工具が必須です。また、異なるサイズのスマートフォンを取り付ける場合も工具が必要です。でも一度セットアップすれば、それ以降は多くのケースで工具不要で使えると思います。
使い方。上下のアームの間にスマートフォンを入れ、左右のアームをガチガチッと締めれば端末が固定されます。左右のアームが不意に開かないロック機構も備えています。正しくサイズ調節が行われていれば、かなりシッカリと端末がホールドされます。写真の端末はiPhone X。
固定後、付属シリコンリングで万が一の落下を防止できます。
端末の画面角度は段階的に調節できますので、横向きでのセットも可能。ただし、角度調節には六角レンチが必要です。ホルダー中央のねじを緩めて角度調節を行います。なお、左右に見えるアームの幅調節は、裏側からプラスドライバーを使って行います。
片方のアームを付属の大きなサイズのものと交換すると、iPhone 8 Plusを装着することができます。
ホルダーは、固定金具の真上以外にも、前方寄りや後方寄りにセットすることができます(付属金具使用)。
前方寄りにセットした様子。固定金具部を逆にすれば後方寄りにセットできます。

 使用感ですが、正しく調節して端末をセットすれば、かなり安定的にスマホを固定でき安心感があります。また、付属シリコンリングで落下防止策を取れますので、この点でも安心。ほか、取付の自由度が高いところも好印象です。

 ただ、端末を挟むアームの幅を調節したり、固定金具からホルダーを外して取り付け位置を変えたりするのには工具が必要です。また、プラスドライバーと六角レンチという2種の工具が必要なのも残念。自転車用品を多々出しているメーカーらしからぬ「ちぐはぐさ」が感じられます。

 それと、端末の上下左右側面に触れる部分が多いホルダーですので、セットする端末によってはボタンなどが押されてしまったり押しにくくなったりします。多くの場合はアーム位置の調節などで回避できるとは思いますが、要工具ということで「調節は手軽ではない」という使いにくさもあります。

 とは言っても、端末のホールド力が強く、ハンドルへもガッチリと取り付けられて、価格もけっこー手頃。コストパフォーマンスが高い自転車向けスマートフォンホルダーだと思います。

スマホも入る小物入れ、トップチューブバッグ

 それから、「トップチューブバッグ」を使う方法。トップチューブはハンドルの手前に出ているフレームですが、そこに取り付けられるバッグがトップチューブバッグです。

 最近では、トップチューブバッグの上部にスマートフォンが入る製品がけっこうあります。もともとは頻繁に取り出す必要がある小物を入れるバッグでしたが、時代とともにスマホも入るようになった感じですネ。多くのトップチューブバッグは面ファスナーによる取り付けなので、工具不要で着脱できるあたりも手軽です。

わりと最近Amazonで買ったトップチューブバッグ。Amazon固定リンクはコチラで、1899円で買いました。上蓋部分にスマホホルダーがありますが、ケースとしては1気室構造です。
取り付けた様子。やや大ぶりのトップチューブバッグです。
ロードバイクだと、ちょっと大きめという気もしますが、そのぶんイロイロと入ります。取付は面ファスナーベルトで、トップチューブ×2箇所、ハンドル(ポスト部)×1箇所に固定します。かなりしっかりと固定されます。
iPhone 8 Plusを入れた様子。表面の透明樹脂越しに端末を操作できます。ただし波状の映り込みができて、画面が少々見づらいです。フタ部分を開くと小物入れが。工具に小銭入れにワイヤー錠にと、小物がけっこう入る容量があります。
こちらはMTB向けのトップチューブバッグ。Amazon固定リンクはコチラで、2500円で買いました。スマートフォンケース+サイドバッグという3気室構造。
MTBフレームになら違和感なく取り付けられますが、ロードバイクだと面ファスナーベルトが余るなど、スッキリと取り付けられない場合が多いです。
iPhone 8 Plusを入れた様子。この部分は手前に開き、iPhoneに加えて小銭入れ程度の小物も入ります。
スマートフォンケース部分は面ファスナー固定式。丸ごとベリッと外せます。下部はサイドバッグ状態になっていて、工具や行動食などを入れることができます。

 筆者的には、先にご紹介したほうのトップチューブバッグがお気に入り。スマホも入るし工具も入るし、小銭入れもすぐ取り出せるし、みたいな。このトップチューブバッグとフロントバッグを組み合わせれば、1日かけての遠出などでも持ち物の不足はナイ、という感じ。

 後にご紹介したMTB用トップチューブバッグですが、MTBでちょっと出掛けるくらいのときには便利。なんですが、MTBの遠出ってバックパックを背負うことが多いので、サイドバッグ付きのトップチューブバッグだとちょっと持て余してしまいがちです。

 スマホが入るトップチューブバッグは、スマホホルダー兼小物入れって感じで便利。ですが、端末画面が剥き出しでないので、画面操作がややしにくく、視認性もあまりよくありません。なので、頻繁に端末を使うユーザーにはあまり向かないかも。時々端末を使えればいいという頻度なら、端末の落下はまずありませんし、スマホの防汚にもなるので、トップチューブバッグの実用性が光ると思います。

腕にスマホ装着でサイクリング?

 最後に、サンワダイレクトの「スマートフォンアームバンド」(公式ページ)。スマホを腕に装着できるホルダーで、サンワダイレクト価格は2780円。

 おもしろそう! と興味本位で以前買っていましたが、いまいちハマる用途がなくて死蔵していました。その後、「あっアレ、サイクリングにいいかも!」と思って、これまた興味本位で試してみました。

サンワダイレクトの「スマートフォンアームバンド」。面ファスナーバンドで手首あたりに装着できるスマホホルダーで、スマホの固定はシリコンベルト式です。
こんな感じで装着可能。ホルダー部は30°刻みで回転し、画面の向きを変えることができます。
iPhone Xを装着し、縦位置にした例。手を置くハンドル位置により、多少使いにくいことが。下ハンドルは握りにくい感じ。
横位置にした例。無理のある絵面ですが、縦位置よりもこちらのほうが実用性があります。
手首の内側に装着することも可能。またトップチューブに装着することも可能ですが、少し滑る感じ。滑り止め策を施せば実用的だと思われます。

 場合によっては「けっこー実用的」って感じのアームバンドです。ただ、汗をかく季節だとバンド部内側が汗だく状態。あとやはり、手首に装着するには「スマホは大きすぎるモノ」という印象です。ランナーならまた違うかもしれませんが、ある程度荷物を積むスペースがある自転車において、スマホの手首装着にメリットは感じられません。汗をかくし違和感も大きいし……ということで、アッサリと使うのをやめてしまいました。

 といった感じの自転車用スマートフォンホルダー各種。アナタの最高に楽しい自転車ライフのご参考になれば幸いです。……自転車ライフ? ……サイクリングライフのほうがいいですかね。あるいは自転車人生?

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。