スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ちょっとイケてる充電器×2種

その名は、エネロイド! そして、エネルグ!

 ここしばらく使っていて、けっこー気に入っている充電器があります。2機種ありまして、どちらもKenko Tokina(ケンコー・トキナー)の製品。「ENEROID(エネロイド) EN20D」(公式ページ)と「ENERG(エネルグ) マルチバッテリーチャージャー+USB」(公式ページ)。エネロイドとエネルグ。ネーミングがユニークですが、その機能性も独特です。

Kenko Tokinaの「ENEROID(エネロイド) EN20D」(左)と「ENERG(エネルグ) マルチバッテリーチャージャー+USB」(右)。どちらも単3や単4のニッケル水素電池やニッカド電池といった二次電池を充電できる充電器で、USB給電機能も備えています。それに加え、両機とも異なるプラスαの機能性があります。

 どちらも多機能充電器なんですが、たとえばENEROIDのほうは「入れた電池を自動的に装填・充電・排出」してくれます。上部にバラバラッと電池を入れておけば、あとはENEROIDが自動充電・自動排出をしてくれるという「自動充電器」なんです。ENERGはよくあるニッカド/ニッケル水素電池対応の充電器であり、かつ、デジカメなどに使われるリチウムイオンバッテリーパック(電圧3.6V~7.4Vまで)の充電にも対応するという製品です。

 どちらもなかなか便利。ちょっとイケてる充電器というコトで、以降、これら2製品の使用感などをレポートしてみたいと思います。

全自動充電のエネロイド! 単3・単4対応で、USB充電&時計付き

 まずは「ENEROID(エネロイド) EN20D」(公式ページ)から。実勢価格は1万9000円前後と、充電器としてはかなりお高めですが、単3形や単4形のニッケル水素電池やニッカド電池を多用しているユーザーにとっては「かな~り便利」な存在だと思います。

 というのは、ちょっと前述しましたが、ENEROIDは「全自動の充電器」だからです。驚いたことに「電池を充電器にセットする作業」や、「充電が完了した電池を充電器から抜く作業」をほぼ全て充電器が自動で行ってくれます♪ どんな感じで使うか、写真で手順を見てみましょう。

ENEROIDの使い方はシンプルです。付属ACアダプターをつないだら、上部のフタを開いて単3形のニッケル水素電池やニッカド電池をバラバラッと入れます。この電池室はスロープがついているので、わりと雑に電池を入れても正しい向きになって転がって入ります。電池の極性(+ー)は気にしなくてOK。ENEROIDが電池の極性を判断して正しく充電されます。電池室には20本までの電池を入れることができます。また、付属の「単4→単3変換アダプター(4本付属)」を使えば単4形二次電池も充電できます。
電池を入れたら本体前面のボタンを押せば充電が開始されます。ボタンを押すと電池が順次装填され、4本ずつ同時に充電されます。充電中はボタンが赤く点灯します。
充電が終わると、下部の引き出し内へ自動的に電池が排出されます。右はENEROIDの内部構造。二次電池を自動的に装填・充電・排出するしくみですが、シンプルながら「なるほどね~」と感心してしまいます。

 使用済みの単3形二次電池をガラガラッと流し込んでボタンを押せば、電池を自動的に装填・充電・排出! いちいち電池をセットしたり抜いたりせず手軽! また、単3形二次電池の充電池としては、よくある平置きタイプと同程度の接地面積なので、案外場所を取らないのもイイ感じです。下の引き出しに充電済み電池がたまっていくので、引き出しをそのまま「充電済み電池の保管場所」として使えるのも実用的。

 じつはENEROIDには旧型の「ENEROID(エネロイド) EN20B」(公式ページ)がありました。ここでレビューしているのは新型。新旧両機種とも自動充電は同様ですが、新型にはUSB充電機能とデジタル時計機能が追加されています。旧型は二次電池の充電時以外は電池の保管場所くらいにしか役立ちませんでしたが、新型はUSB充電器や時計としても役立つようになったというわけです。

背面にはスマートフォンなどをUSB充電するためのUSBポートが3つ(2A×1・1A×2)あります。USBポートの左下に見えるのは二次電池を充電するかリフレッシュ(放電)させるかを切り換える、ENEROID動作モード変更スイッチです。本体前面にはデジタル時計。ディマー付きで、周囲が暗くなると表示が減光されます。

 使っていて若干残念なのは、電池排出時の音。小さなモーター音に次いで、電池が引き出しへ落ちる「カタン」という音がします。静かな環境でこの音がすると少々ビックリすることが。

 それから、ENEROIDでは背面のスイッチをRefresh側にすればニッケル水素電池やニッカド電池のリフレッシュ(放電)もできますが、「放電のみができる」という仕様が微妙に残念。放電に引き続き満充電にして欲しいところです。今時的な充放電両対応の充電器だと放電後に自動的に充電してくれたりしますが、ENEROIDだと放電した電池を排出するだけ。空になった電池を充電するには、背面のスイッチをNormal側に戻し、再度電池を上から流し込む必要があります。

 まあでも、リフレッシュは頻繁に行うようなものでもありませんし、電池排出の音は慣れちゃいます。ので、実質的には難点って感じでもありません。

 そんなことよりも、「上からバラバラッと電池を流し込んで放っておけば充電が完了して下の引き出し内にたまっている」という手軽さが非常に便利。何しろ手間が少なくてイイ! 単3形や単4形のニッケル水素電池やニッカド電池を多用するヘビーユーザーほど、その利便を痛感できると思います♪

ちょいちょい役立つマルチなエネルグ

 続いて「ENERG(エネルグ) マルチバッテリーチャージャー+USB」(公式ページ)。これ1台でいろいろな二次電池や端末を充電できるマルチな充電器です。具体的には、単3形や単4形のニッケル水素電池やニッカド電池、デジカメなどに使われているリチウムイオンバッテリーパック(電圧3.6V~7.4Vまで)、それからUSB充電対応の機器類です。実勢価格は3200円前後。

ENERGでは、まず単3形や単4形のニッケル水素電池やニッカド電池を2本同時に充電できます(単3形と単4形の同時充電はできません)。また、充電用USBポート(1A)×1があり、スマートフォンなどを充電可能。機器をUSB充電しながら、ニッケル水素電池やニッカド電池を充電したり、あるいはリチウムイオンバッテリーパックを充電することができます。
デジカメなどによく使われるリチウムイオンバッテリーパックも充電できます。ただし充電器のサイズから、バッテリーパック側の+極ー極の間隔が5mm以上あり、バッテリーの幅が53mm以下であるという条件付き。また、全てのリチウムイオンバッテリーパックに充電できるわけではありません。詳しくはメーカー公表の「Li-ion電池パック対応表(PDF)」をご参照ください。なお、リチウムイオンバッテリーパックを充電しながら単3形/単4形二次電池の充電を行うことはできません。

 ポイントは「リチウムイオンバッテリーパックを充電できる」という点ですネ。ただしENERGで充電できないバッテリーパックもあり、充電の適合/不適合品はメーカー公表の「Li-ion電池パック対応表(PDFです)」でチェックできます。余談ですが、筆者が試したところ、上記対応表にないバッテリーでも充電できちゃうものがあったりしました(が、自己責任での使い方になってしまいます)。

 充電器としての使用感は、単3形や単4形のニッケル水素電池やニッカド電池を充電する場合も、USB充電器として使う場合も、まあフツーです。単3形と単4形を混在して充電できないのはちょっと残念って感じ。

 リチウムイオンバッテリーパック充電時の使用感ですが、慣れればまあまあ手軽に行えます。ただ、充電器側の接点の幅調節がちょっとだけ面倒ではあります。

リチウムイオンバッテリーパックを充電する場合、充電器側の接点の幅と、バッテリーパックの+極ー極の幅を、手動で合わせる必要があります。バッテリーは充電器側の可動部で挟んで固定するため、それを考慮して幅合わせをします。

 こんなふうに、幅合わせにちょっとだけ手間がかかります。充電器の可動部(バネ式)でバッテリーを挟んで固定しますが、やや丁寧に挟まないと接触不良で途中から充電が行われなくなるということも。このあたり、バッテリーパック毎の専用充電器ほど手軽には利用できません。

 でもまあ、USB充電もできるし、単3形/単4形二次電池の充電もできるし、適合すればリチウムイオンバッテリーパックの充電も可能という汎用性はイイ感じ。二次電池を何種類か持っていく出張や取材などに、充電関連の機材を減らす目的でENERGを使うのもアリですネ♪

 といった感じの「ちょっとイケてる充電器」×2種。アナタの愉快で快適な充電ライフのご参考になれば幸いです。……充電ライフ? ……前回も似たような終わり方だった!?

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。