スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

最近のモバイルバッテリーはヒキが強い!

最近のモバイルバッテリーはヒキが強い!

 だいたい2~3年周期でモバイルバッテリーの新旧交代が起きているワタクシ的環境ですが、ここ数カ月がちょうどそういう時期。で、良さそうなモバイルバッテリーを見つけては買い、そろそろヘタっている古いバッテリーを処分している感じです。

 しかしまあ、最近のモバイルバッテリーはヒキが強い製品が多いですね~。単なるUSB給電バッテリーではなく、防水性能とか、太陽光パネル内蔵でソーラー充電対応とか、「どうせ買うならコッチにしようかな」という「ちょっとした付加価値」を備えた製品がたくさんあります。

ここ数カ月で購入したモバイルバッテリー各種。気付いてみたら、ほとんどが太陽光パネル内蔵の品でした。実用的な明るさのLEDランプ内蔵タイプというのも多々あります。今時のモバイルバッテリーは価格的な買いやすさにも惹かれます。

 モバイルバッテリー自体、安くなっているのも楽しいです。一昔前はUSB給電のモバイルバッテリーは安くなく、やや凝り性な人でも、まあせいぜ3~4個をローテーションして使っていた程度だと思います。

 でも最近は10000mAhなど大容量タイプでも2000円前後で買えてしまいます。5000mAhくらいのものなら1000円以下だったりも。「どうせ使うものだから一応買っておこうかな」くらいの軽い気持ちで買えちゃいますネ♪

 なので、エネループなどの筒型の充電池感覚で、予備を含めて何個も持っている人が少なくないようです。使用済みで空のモバイルバッテリーが数本、充電済みモバイルバッテリーが数本、出掛けるときは充電済みモバイルバッテリーから1本持って出て、使用済みモバイルバッテリーがたまってきたら一気に充電、みたいな。ってソレ、ワタクシですけど。

 ともあれ、今回は今時のモバイルバッテリーについて。ここ数カ月で購入した「ちょっとヒキの強いモバイルバッテリー」について書いてみたいと思います。

ソーラー・防沫・耐衝撃・LEDの全部入りモバイルバッテリー

 まずはサンワダイレクトの「ソーラーチャージャー・モバイルバッテリー 700-BTS011BL」(公式ページ)。製品名のとおり、太陽電池パネル内蔵でソーラー充電ができるというモバイルバッテリーです。容量は10000mAhで、出力用USBポートは2つ(合計最大出力2.1A)。ほか、少々水がかかっても大丈夫な「防沫」性能があり、プロテクター装備で耐衝撃性があります。連続で最大30~32時間点灯可能な0.5W LEDライトも内蔵しています。

サンワダイレクトの「ソーラーチャージャー・モバイルバッテリー 700-BTS011BL」。サイズは約縦170×横88.5×厚さ22.5mmで、質量は約270gです。容量は10000mAh。ハードジャケット入りのiPhone 6 Plusに近いサイズ感です。サンワダイレクト価格は税込2980円。
本体上部左右に給電用USBポートがあります。左側には充電用microUSBポート、右側には電源ボタンもあります。2つのデバイスを同時にUSB充電でき、最大出力は2ポート合わせて2.1A。
本体上部は背面に少し傾いた形状をしており、この部分に紐やカラビナなどを装着して吊すこともできます。IPX4の防沫性能があり、雨などに濡れても大丈夫。
ソーラー充電が可能で、約6日間で充電できます。USB充電の場合は約7時間で充電できます。背面には0.5WのLEDランプが内蔵されており、電源ボタン長押しで点灯します。明るさは暗闇で足元をそこそこ照らせる程度ですが、補助的なLEDランプとしては実用的だと感じられます。

 機能的には全部入りといった感じで、満足度が高いモバイルバッテリーです。ただ、容量10000mAhで税込2980円なので、相場と比べるとちょ~っと割高感があります。とは言っても、率直な話、Amazonなどで売られている激安大容量モバイルバッテリーなどと比べると、製品のつくりはかなり良いと感じられます。

 それとソーラー充電機能ですが、メーカー公称の充電時間は「約6日間(ソーラーパネルでの充電の場合)」となっています。6日間もかかるわけですが、スマートフォンなどの充電で10000mAhだと、数度の充電で使い切ってしまいますので、「ソーラーで充電しつつスマートフォンなどに給電し、ずっと屋外で使い続ける」というのは非現実的。ほかのソーラー充電対応モバイルバッテリーも同様ですが、ソーラー充電機能はあくまでも「万が一のための緊急用機能」&「普段使いの気休め」と考えるのが無難でしょう。

Amazonで買った多機能モバイルバッテリー

 続いて、Amazonで購入した多機能モバイルバッテリーをいくつか。既に販売が終わっている製品があったり、ミョーに怪しい製品があったりしますので、製品概要だけお伝えします。これからご紹介する製品、Amazonでは似たものもヒッジョーに多く売られていますので、適当なキーワードで探せば似た製品を探していけると思います。

 で、まず、充電用USBポート×2、ソーラー充電対応、LEDランプ内蔵、そして防水・防塵・耐衝撃を謳っている製品から。結局似た仕様のものを2個買ったんですが、容量違いでほかは同じ製品のようでした。写真で見ていきましょう。

全然違う名称・メーカーで売られていた2製品ですが、細部まで酷似していました。どちらも、充電用USBポート×2・ソーラー充電対応・LEDランプ内蔵・防水・防塵・耐衝撃を謳っています。
本体上部にUSBポートや電源ボタン類があります。サイズ感は、ハードジャケット入りのiPhone 6 Plusに近い雰囲気。

 色違いの類似品ですが、容量が違います。ベージュに見える金色が15000mAh、オレンジが30000mAhとなっていました。ただ、オレンジのほうについては「30000mAhってホントかなぁ~」みたいな印象があります。……はい、怪しい製品だと思っております。

 LEDランプ発光の仕様も違います。ベージュのほうは電源ボタンをダブルクリックで発光、その後にシングルクリックでSOS発光となります。オレンジのほうはダブルクリックで発光、その後にシングルクリックで減光、さらにシングルクリックで点滅、と切り替わりました。LEDランプはどちらも直視できないほど明るく、幅広く実用できると思います。

 ただ、どちらもつくりはイマイチ。外装は落としたら割れそうな樹脂ですし、実はオレンジほうのLEDパネルカバー部は既にグラグラしていて外れそうです。ちなみに購入価格はベージュのほうが2080円、オレンジのほうが2980円でした。

 もうひとつ、Amazonで買った多機能モバイルバッテリーがあります。容量8000mAhで、充電用USBポート×3、ソーラー充電対応、LEDランプ内蔵、そして防水・防塵・耐衝撃という製品です。これも写真で見てみましょう。

給電用USBポート×3・ソーラー充電対応・LEDランプ(21個)内蔵・防水・防塵・耐衝撃という仕様の多機能モバイルバッテリーです。購入価格は2180円。
ハードジャケット入りのiPhone 6 Plusより少し小さいという印象のサイズ感です。21個のLEDは直視できないほどではないですが、かなり明るく、パネル部がディフューザーとなっているので、「目に優しく十分明るい」という感じで使えます。

 この、3つめの多機能モバイルバッテリー、LEDランプ部がイイ感じです。21個のLEDが内蔵されており、それらが全て点灯しますが、わりと面発光に近くて眩しさも少なく、多くの場面で使えます。ただ、容量8000mAhというのがモバイルバッテリーとして微妙に物足りない気がしたりもします。

 あと、これら3つの多機能モバイルバッテリー、どれも防水を謳ってはいますが、USBポート部は剥き出しです。よ~く見るとLEDランプをカバーしているレンズやディフューザー部に僅かな隙間があり、内部がちょっと見えたりします。ワタクシ的には「これ絶対防水じゃないだろ~」みたいな印象ですが、Amazon商品ページには「防水」と書かれていたりします。う~むむむ……。……はい、もう一度言いますが、やっぱりこれら、怪しい製品だと思っております。

サバイバル仕様の多機能モバイルバッテリー!

 最後に、これもAmazonで買った多機能モバイルバッテリーなんですが、「そこまで機能を付加するのか!」って感じで、半笑いで衝動買いした製品があります。ZVEの「ZVE 10000mAh 大容量モバイルバッテリー」(Amazonへのリンク)です。

 コレ、ほかの多機能モバイルバッテリーのようにソーラー充電には対応していないんですが、防水で耐衝撃です。特筆すべきは、サバイバル系機能があるところ。LEDランプは点灯・点滅・SOS点滅ができ、さらに「クルマに閉じ込められたときに窓ガラスを割るためのハンマー」を内蔵していて、オマケに「タバコなどを着火できる電熱線機能」まで搭載しています。

ZVEの「ZVE 10000mAh 大容量モバイルバッテリー」。本体周囲に、LEDランプ、電熱線ライター、窓ガラス割りハンマーなどが内蔵されています。裏面には三脚用ネジ穴があり、自転車などにセットしてライトとしての使用が想定されているようです。容量は10000mAhで、現在2680円で売られています。
給電用USBポートは2つ。左側が1A出力、右側が2A出力となっています。本体表面には3つのボタンがあり、バッテリー、LEDライト、電熱線の機能を個別に扱えます。
LEDランプは点灯・点滅・SOS点滅が切り換えられます。1灯ですが直視できない程度明るく、暗闇で足元を十分照らせる明るさがあります。電熱線はボタンのダブルクリックで赤熱します。
本体のサイドにある窓ガラス割りハンマー。スライドボタンを引くことで飛び出します。

 あら~スゴい~♪ モバイルバッテリーとはアサッテの方向へと進化しているような製品です。

 ただ、防水・耐衝撃のモバイルバッテリーとしては、わりとしっかりつくられているように感じられます。本体周囲は割れそうにないセミハード樹脂で覆われていますし、各ポート部はラバー製のフタでぴったりとカバーされています。容量、価格、機能性、そしてオモシロみなど、かな~りヒキの強い製品だと思いました。

 てな感じの多機能モバイルバッテリー各種。今後もオモシロかったり実用性だったりする「付加機能ありのモバイルバッテリー」に注目していきたいと思います。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。