ロンドンでWi-Fiルーターを買ってSC-01Cを活用

2011年2月28日 06:00
(山根康宏)

 2月はMobile World Congressの取材でヨーロッパへ。ヨーロッパ各国はプリペイドSIMカードの販売が盛んなためにSIMロックフリーの端末やUSBモデムを持っていると大変便利だ。だがドコモ販売のGALAXY Tab SC-01CはSIMロックがありその手を使うことはできない。もちろん海外パケ・ホーダイを利用すれば1日1480円で使い放題となるが、4月からは上限が2980円に引き上げられる上に滞在期間が長くなるとその料金もかなりのものになってしまう。数日の短期滞在なら海外パケ・ホーダイはかなり有用なサービスだが、長期滞在となると使うのはためらってしまうところだ。

 今回はロンドンへ立ち寄るため、現地で無料Wi-Fiだけを使ってSC-01Cを活用してみようと思ったが、見知らぬ海外の土地で利用エリアを探すのも大変なもの。ただ往復の空港鉄道、ヒースローエクスプレスの車内は無料Wi-Fiが利用できるので便利だった。とはいえ簡単なユーザー登録が最初に必要な上に、乗車時間は15分ほどとゆっくりと利用している時間は無い。移動中にロンドンのお店情報を調べようとWebページをいくつか開いているうちに、あっという間に市内の駅に到着してしまうのだ。

 そこで今回試してみたかったのがイギリスで販売されているプリペイドの3G Wi-Fiルーターだ。現地の通信事業者、3(スリー)が販売しているもので、実はドコモの販売するHW-01Cと同等品でもある。価格は71.99ポンド(約9500円)でルーターと3GB/3カ月分の利用料金が付いてくる。海外パケ・ホーダイの場合は指定する事業者への接続が必要なことと、1日の単位が日本時間であることを注意しなくてはならないが、現地ルーターであればその必要もない。今回は試していないがspモードのメールも受信できるはずだ。もちろん完全定額ではないものの、無料利用分が3GBあれば1週間は十分持つのではないだろうか。再度イギリスを訪問するときは、すでにルーターは購入しているわけなので料金を1GB/10ポンドで追加すればまた使える。イギリス出張や渡航が多い人にはお勧めだろう。


F-01Cの電子辞書を使っています

F-01Cの電子辞書を使っています

2011年2月23日 06:00
(村元正剛)
25種類の電子辞書が使えて、直近で使った辞書が上位に表示される

 F-01Cのセールスポイントのひとつに「電子辞書」がある。「広辞苑」や「新漢語林」「現代用語の基礎知識」など全25冊の辞書データを収録したDVDが付いているのだ。このデータをPCでmicroSDカードに取り込んで、端末に装着すれば利用できるという仕組みだ。FOMA USB接続ケーブルを持っていれば、端末にmicroSDを装着したままでも辞書データを読み込むことができ、筆者はその方法で取り込んだ。

 データの取り込み作業自体は、なんら難しくはないのだが、ユーザーの視点から言わせてもらえば、ひと手間であることには違いない。あらかじめ辞書データを収録したmicroSDが同梱されていればもっと便利なのになぁ~と思ったりもした。でも、辞書データの容量は全部で2GB弱もある。microSDには画像や動画も保存するので、使い方によっては大容量のカードが必要になる。「自分の用途に応じた容量のmicroSDを買って、そこに必要な辞書を選んで入れてください」ってことなのだと思う。

 microSDに取り込んだ辞書は、「便利ツール」→「電子辞書」から利用できるようになっている。筆者は、「電子辞書」を「待受ショートカット」に登録して、必要なときに素早く利用できるようにしている。

 筆者は普段「新明解国語辞典」や「プログレッシブ英和・和英辞典」など紙製の辞書を使っている。電子辞書端末は自己所有して使ったことはないので、F-01C用の電子辞書とは比較しづらいのだが、語彙の豊富さには十分満足している。

 ケータイには電子辞書機能を搭載している機種が多いが、説明が簡潔すぎて物足りなく、「Wikipedia」などのオンライン辞書に頼ることが少なくなかった。F-01Cには「現代用語の基礎知識」や「みんなの国語辞典 あふれる新語」「KY式日本語」といった辞書も収録されているので、新しい言葉やさほど耳慣れない言葉もヒットする。

 辞書を指定してキーワード検索ができるほか、複数の辞書で一括検索することもできる。辞書の検索結果をコピペできるのも便利。メールを書いていて「このスペルで正しいんだっけ?」と不安になったときに、辞書で調べて、正しい英文をコピーして貼り付けるといった使い方もできる。

 さほど活用はしていないが、外国語会話辞典も楽しい。日仏英・日独英・日中英・日韓英の4種類の会話辞典が用意されていて、シチュエーション別に会話文例の検索でき、音声で聴くこともできるのだ。購入してからしばらくの間は、暇つぶしがてらの語学レッスンとして活用させてもらった。

 F-01Cの電子辞書は、日常生活で辞書の利用が多い人には直接的に役立つことはもちろん、そうではない人にも「いざというときに役立つかも」という安心感を得られる特典のように感じている。

複数の辞書で一括検索できるのは便利 「広辞苑」の検索結果例
「現代用語の基礎知識」の画面例 音声も聴ける「3か国語会話辞典」はなかなか楽しい

「Nexus S」を使って分かった「GALAXY S」のよさ

「Nexus S」を使って分かった「GALAXY S」のよさ

2011年2月21日 06:00
(石野純也)

 先週は、Mobile World Congressを取材するために、1週間丸々スペインのバルセロナに滞在していた。海外に行くたびに悩むのが、現地での通信環境。キャンペーン期間中で1日1480円になっているとはいえ、さすがに7日間海外パケ・ホーダイを使うとちょっと料金がかさんでしまう。そこで、今回も現地でプリペイドのSIMカードを調達。昨年同様、YOIGOというキャリアを契約し、グーグルとサムスンが共同で開発した「Nexus S」に挿すことにした。

 ご存知のようにNexus SはSIMフリーで、キャリアを選ばず通信できる。日本国内では電波法に抵触する恐れがあるため、利用は控えたいところだが、元々この機種が販売されているヨーロッパであれば基本的には問題ない。この機種にYOIGOのSIMを挿したところ、自動的にAPNが設定され、すぐに通信可能な状態になった。機種やキャリアによってはダメなこともある日本語でのSMSもOKで、きちんと送受信できた。

 8日間じっくり使ってみて、そのサクサクぶりにはとても感心した。動作のスムーズさは、普段メイン端末にしている「GALAXY S」以上。Android 2.3の恩恵を十分に体感できる差があるといえるだろう。タッチ時の指の滑りも、Nexus Sの方が好みの感覚に近い。

 ただ、やはり細かな使い勝手はGALAXY Sに軍配が上がるとも感じた。Nexus Sが“素のAndroid”なのに対し、GALAXY SはサムスンがUIを細かな部分までカスタマイズしており、自然に操作できるのだ。例えば、電話帳検索はその1つ。Nexus Sだと、電話帳を開きメニューから検索を選択しなければならない。一方のGALAXY Sは、最初から電話帳の上部に検索窓が用意されており、すぐに文字を打ちこめる。スクロールで目的の電話番号を探してもいいのだが、登録が多いと手間がかかる。その意味では、すぐに検索可能なGALAXY Sのインターフェイスの方が合理的といえるだろう。

 分かりやすい部分では、アプリ一覧の画面も、GALAXY Sの方が操作性に優れている。素のAndroidだとここが縦スクロールになり、左右に切り替わるホーム画面との相性がいまいちよくない。人によって好き嫌いは分かれると思うが、自分は指の動きが複雑になりがちだと感じている。一方のGALAXY Sは、ホーム画面もアプリ一覧も、スクロールの方向は常に横で体系的だ。アプリの並べ替えができるのもうれしい。

 このほかにも、通知エリアにWi-FiやGPSなどのスイッチが搭載されていたり、ホームキーの長押しでタスクマネージャーを起動できたりと、様々な部分にサムスンが手を加えている。もちろん、Androidならアプリでいかようにでもなるが、やはりベストな操作感を追求するには時間や手間がかかる。普段はあまり意識していなかったが、Nexus Sを使ったことで、あらためてGALAXY Sのありがたみを感じることができた。


ホームボタンで、パッとスケジュールをチェック

ホームボタンで、パッとスケジュールをチェック

2011年2月18日 06:00
(すずまり)

 「spモードメール」をアップデートしたら、どういうわけかアプリのアンインストールだけされて、それまでのメールが、フォルダごとすべて消え去ったワタクシです。その後、マイアドレス設定が消えたり、Wi-Fiアクセス設定がONなのに、接続できないと言われるなどしましたが、拳を握りしめながら気を取り直しています。過去なんて消えちゃえばいいのよ! こんにちは。

 Android端末は、画面を自分好みにカスタマイズできるのですが、どういうスタイルで使うのが自分に合っているのかで悩みました。アプリのアイコンを使用頻度の高い順にまとめて並べているだけなら、iPhoneと変わらないですよね。ここはひとつ、Androidの良さを味わうというか、もっと“らしく”使ってみたい。

 そこで、どんなときに取り出したいか考えました。自分の用途を振り返ってみたところ、通話より、圧倒的に情報の閲覧が多いんですね。たとえば歯医者の受付で次の予約を入れるとき、人と話していて先の予定を聞かれたとき、サッとスケジュールを見たいのです。iPhoneではアプリを起動する必要がありました。が、Androidならウィジェットが使えるので、うまいことできないかなと思ったのです。そう。起動してから最初に表示するのはアプリのアイコンではなく、いつも使っているGoogleカレンダーがいい! 常に最新の状態で見られたらサイコー!

 そんなニーズから、ホームボタンを押すと、Googleカレンダーがアプリのウィジェットで月表示されるように設定してみました。選んだアプリは「ジョルテ」です。無料だから使ってみようという軽いキモチでダウンロードしたんですが、これが実に見やすく、使いやすいアプリで感激!

 とにかく多機能なので、詳しくは公式サイトをご覧いただきたいのですが、個人的にこれまで触った限りうれしかった点を上げると、

  • すっきりと見やすいデザインで、スタイルやフォントの変更も可能。
  • 端末の縦横に連動して、表示が切り替わる
  • Googleカレンダーやタスク機能と同期できる
  • Googleカレンダーの配色を踏襲できる
  • 表示形式が、日、1週間、2週間、1カ月で、タスク表示の有無が選べる
  • ビュースタイルの変更が簡単で、すっきりしたシステム手帳を使っているような感覚で予定が見渡せる。特に月カレンダーを画面いっぱいに表示できるので、T-01Cの画面の広さを存分に生かせる。
  • 月表示のウィジェットが用意されている(1画面占有する)

とこんな具合。

 ウィジェットとしてT-01Cで1画面使おうと思ったら、4×4サイズが最大みたいですが、中の予定は十分読めます。ホームに設定しているので、ロック解除すればパッとスケジュール。何を表示していても、ホームボタンを押せば、すぐスケジュールに戻れます。ウィジェットをタップすると、アプリに切り替わり、別途タスクがリスト化されたフルスクリーン表示も可能。

 そして、ホームのレイアウトとしては、カレンダーの左隣に「スターメモ」を配置。メールで配信されてきたクーポンをクリップしてすぐ見せられるようにしたり、乗り換えルートや時刻などの検索結果を保存して、オフラインでも確認できるようにしています。

 さらに、カレンダーの右隣にはよく使うアプリを配置。これでだいぶ落ち着いてきました。これで、次の歯医者では「次の予約はいつがよろしいですか」と聞かれて、受付であたふたしないし、某ファーストフード店でも、クーポンのアクセスに手間取らないに違いありません。

 ちなみに、これら画面の配置は「マイパレット」の順番で決まるのですが、パレットの数が増えると、ドラッグ&ドロップを間違えることしばし。できれば「このパレットをホーム画面に設定する」のような操作で簡単に決定できたらうれしいなと思いました。

ホームに設定した「ジョルテ」のウィジェット(4×4) タップするとアプリに切り替わり、タスク入りのフルスクリーン表示に
画面右下のボタンで表示が切り替わる。14日表示は便利! [MENU]ボタン→「ホーム画面設定」でカレンダー用のパレットを追加し、パレット群の中央に配置している

Androidの電子マネー対応度をチェック

Androidの電子マネー対応度をチェック

2011年2月15日 06:00
(甲斐祐樹)
モバイルWAON

 おサイフケータイ対応と銘打ちながらも肝心のサービスがそろっていなかったAndroidですが、ここに来てWAONに続き、Edy、iDと電子マネー対応が一気に進み始めました。

 おサイフケータイ対応Androidと同時にサービスを開始したモバイルWAONは、メニュー画面が半角カナだったり、ボタンにショートカット用の数字が割り当てられていたりと、携帯電話向けアプリを移植したようなイメージ。その分、今まで携帯電話でできたことは一通り可能で、モバイルWAON対応端末の1つとしてAndroid端末が追加された、という印象。

 一方、EdyはAndroid用にメニューを一新。残高を表示できるウィジェットや、チャージ金額が1000円を切ると通知してくれる機能に加え、履歴からチャージ金額をTwitterに投稿できる機能、EdyのFacebookページを「いいね!」できる機能など、今までのEdyにはなかった機能が盛り込まれています。

 その代わりまだAndroidではできないことも多く、機種変更のデータお預けやEdy受け取りに加え、パスワードを忘れた場合の対応も3月まで利用できないというちょっと怖い状態。また、Mobile EdyやEdy to Edyなどの機能は8月予定とのことで、Edyを本格的に使えるのはもうちょっと先のことになりそうです。

 NTTドコモの「iD」も2月7日から始まりましたが、これが携帯電話とスマートフォンの2台持ちにはちょっと厄介。というのも、iDの説明ページを見ると、NTTドコモのクレジット「DCMX」で利用している場合、機種変更手続きにはFOMAカードを入れ替える必要があるとのことで、携帯電話で使っているiDの設定をそのままAndroidへ移行できないのです。

 ドコモショップで相談したところ、2台持ちの場合やはり同じDCMXを2台には設定できないとのことで、Androidには上限1万円までで携帯電話料金として支払える「DCMX mini」を設定。電池があまり持たないAndroidにおサイフケータイすべて預けるのも怖かったのでとりあえずはこれでよしとしますが、今後は1枚のDCMXで複数端末設定できるようになるといいですね。

 まだ対応が始まったばかりで機能が追いついていない部分もありますが、それでもAndroidでおサイフケータイが使えるようになったのは嬉しい限り。あとは毎日の通勤でもっとも利用しているモバイルSuicaの対応を楽しみに待ちたいと思います。

Edy
DCMX

AndroidマーケットのWeb版が便利

AndroidマーケットのWeb版が便利

2011年2月14日 06:00
(太田亮三)

 2月3日にニュースとして掲載したAndroidマーケットのWeb版。筆者もさっそくAndroidユーザーとして使ってみた。第一印象は、Androidマーケットの機能をキレイに移植してきたな、というもの。Web版だからさぞかし多機能になっているだろうと思ったが、Android端末で見られる情報が、パソコンからでもアクセスできるようになっているというものだった。

 大きな違いは、Android端末を複数台使い分けている場合に便利な管理機能が提供されていること。Androidでけっこう苦労するのは、買い替えや初期化などで最初の状態に戻った時、以前と同じ環境にすべくアプリを探してインストールする作業だ。どのアプリをインストールしたか、パソコン側で一覧で確認できるのはありがたい。

 端末へのインストール機能も、「え? そこまでやってくれるの?」と思ってしまうほど簡単だ。端末側である程度の操作が必要だろうと思っていたのだが、Web版でインストールを指示すると、端末へのインストールが自動的に完了する。

 

 筆者のように、日常的にパソコンのWebブラウザを利用している人なら、ふとアプリを探したいときに、やはりWeb版は便利。メールやチャットなどでアプリを教えたいときも、Web版のページがあればURLで簡単・確実に伝えられる。ひとまずはシンプルな使い勝手と端末へのインストール機能が提供されたAndroidマーケットのWeb版だが、今後の機能拡充が今から楽しみだ。

 


撮った写真、手軽にバックアップしてみよう

撮った写真、手軽にバックアップしてみよう

2011年2月9日 06:00
(関口聖)

 デジタルカメラで撮影した写真は定期的にパソコンへ保存するけれど、ケータイカメラで撮った写真は、mixiやTwitterに投稿することはあっても、バックアップは忘れがち。そんな傾向にあるのは、関口だけじゃないはず。最近使っていたケータイ用microSDカードの容量は4GBで、急いでバックアップする必要はない、ということも、そうした傾向に拍車をかけていた。

 しかし最近は、ほぼ毎日、LUMIX Phoneで撮影した写真をパソコンへバックアップしている。特徴的な機能の1つ「PCバックアップ」のおかげだ。保存先のパソコンに共有フォルダを設置し、無線LANアクセスポイント経由で写真をバックアップするというもの。事前に設定しておけば、自宅に帰宅して無線LANアクセスポイントを検知すると、「バックアップしますか?」と問いかけてきて、毎日、データを保存しておける。データの保存性を高める、ということに加え、DLNAを経由してPS3で楽しんだりプリントしたりするなど、応用範囲が拡がる。

 難点は設定方法だ。これが迷いに迷った。取扱説明書を見てもよくわからない。まずLUMIX Phoneの設定メニューにある「Wi-Fi」で宅内の無線LANアクセスポイント情報を登録する。そして「便利ツール」メニューの「PCバックアップ」で、バックアップ先としてそのSSIDを選択し、「PC名」と「共有名」を手入力する。

 このPC名は、Windowsパソコンであれば「コンピュータ」のプロパティで設定できる“コンピュータ名”のこと。共有名は、どのフォルダでもいいので、共有設定しておき、そのフォルダ名を入力する。こうして登録したあとLUMIX Phoneの「バックアップ先一覧」で、右上のソフトキーを押して「選択」をしておかなければならない(この“選択”がわからなかった)。

 撮影した写真を「ユーザー側で能動的に使う」という手段としてブログやSNS、Twitterへの投稿といった使い方がある一方、「PCバックアップ」のように、ユーザーが受け身でいられる機能・仕組みはとってもありがたい。ただ、設定の流れは簡単とはとても言いづらいので、たとえばWebサイト上できちんと手順を案内してもらえるとありがたい。さらに言えばデジカメで「Eye-Fi」のようなツールが出てきている現在、ケータイカメラでもクラウドサービスとの連携を期待したい。

 


ドコモのGALAXY Tab、海外で活用してみる

ドコモのGALAXY Tab、海外で活用してみる

2011年2月8日 06:00
(山根康宏)

 GALAXY Sと併用して使い始めたGALAXY Tab。最近はGALAXY Tabを持ち運ぶ機会のほうが増えてきた。通話用途にはちょっと辛いものの、手軽なWeb端末としてはこの7インチサイズが実はちょうどいい。コートの内ポケットにもすっぽり入る大きさなのもありがたく、手ぶらで出かけるときもGALAXY Tabを上着の中に忍び込ませておけば邪魔にならない。

 さて筆者のGALAXY TabはSIMロックフリーの海外版で普段香港で活用しているのだが、他の諸外国へ出かけたときは現地SIMカードの入れかえだけではなく、現地のWi-Fiや3Gルーターを利用する機会も多い。また日本へ帰国したときは逆にドコモの回線を入れて活用したいもの。そうであればドコモ版のGALAXY Tab、SC-01Cを入手し、それを海外で使うのも意外と実用的かもしれないと考えた。特に1~2日程度の海外短期滞在する場合なら、ドコモ回線のSC-01Cで海外パケ・ホーダイを利用するのも便利なものだ。

 最近は海外のホテルもネット環境が整備されており、有線LANが無くとも無線LAN完備というところも多い。つまり海外でもホテルの中ならばパケット代を気にせずSC-01Cを十分活用できるわけである。ちょうど今月はMobile World Congressの取材でヨーロッパに2週間ほど出かけるし、日本のSC-01Cを海外でしばらく活用してみようと思う。

 なお、ドコモ版であるSC-01Cと海外版のGALAXY Tabは、外観のロゴが違うことと中身の言語が違う程度でハードウェアは基本的に同一である。GALAXY Tab用のアクセサリーは海外でも豊富に出回っているため、それらをSC-01Cでも利用できるわけだ。今後海外に出たときは、現地で便利なアクセサリーがあったらそちらもぜひ購入してみようと思う。


サイズ感がユニークなGALAXY Tab

サイズ感がユニークなGALAXY Tab

2011年2月3日 06:00
(橋本保)

 今回から「GALAXY Tab」についてご紹介します。最初にGALAXY Tabの概要をおさらいをしておきたいと思います。

 ディスプレイは、TFT方式の7.0インチ(1024×600ドット)。サイズは、高さ190×幅120×厚さ12.1mmで、重さは382g。スーツの上着のポケットや、ジーンズ(ジーンズの原型といわれるLevi'sの501)のお尻のポケットにも入ります。私が履いているのは36インチだからなのかもしれませんが。まぁ、持ち運ぶ際に収める場所として現実的かどうかはさておき、男性の服のポケットにも収まるサイズなのです。

 片手で掴める幅なのも、サイズ的な特徴です。この掴める幅かどうかは、持ち運ぶときに意外と気になります。ご興味のある方は、身の回りのものをいろいろと掴んでみてください。アクティブに持ち運ぶものの多くは、掴める幅であることが多いのではないでしょうか。私は、小さい鞄で出かけるときの持ち物は、掴める幅のものが圧倒的多数派です。たとえば四六判(約127×約188mm)とA5判(148×210mm)の書籍では、持ち運ぶときの気分が違います。A5判になると、横書きな内容の書籍が増えるということもあると思いますが、私はサイズも影響していると思います。

 ここまでサイズのことを書いてきましたが、GALAXY Tabのサイズは、iPadのちょうど半分のサイズなのです。オチはそこかよ! と思われるかもしれませんが、まぁ、この分野がiPadによってブレイクしたことは間違いなく、それに対抗するアプローチとしては、半分のサイズというのはわかりやすくて面白いな、と思っています。そしてGALAXY Tabについて触れる際、最も重要なのがサイズだと、私は思っています。サイズに始まり、サイズに終わる、と言い切っていいほど、このサイズがユニークで、新しいのです。それゆえ、くどくどと書き連ねてしまいました。

片手で掴めるGALAXY Tab iPadとの比較

 というのも、スマートフォンが一般化して、とくに“スマートフォン”と呼ばれずに、ただのケータイと呼ばれるようになる過程で、GALAXY Tabくらいまでのサイズ感のものは、ケータイの範疇に組み込まれるようになってくると思っています。実際、サムスンの開発陣は、このサイズがケータイとして通話機能を盛り込む限界サイズと定義して、GALAXY Tabを設計したそうです。逆にいうと、今後は、このサイズを上限とした様々な種類のケータイが登場することを示唆しています。

 いま私の手元にあるスマートフォンを並べてみました。左から、iPhone 4(3.5インチ)、GALAXY S(4.0インチ)、REGZA Phone T-01C(4.0インチ)、DELL Streak(5.0インチ)、GALAPAGOS(シャープ版のEB-W51GJ-R。SH-07Cも同等サイズ。5.5インチ)、GALAXY Tab(7.0インチ)、iPad(9.7インチ)。こうしてみると、スマートフォンと呼ばれる領域に、さまざまなサイズのディスプレイを搭載したものが出ていることを改めておわかりいただけるでしょう。

 GALAXY Tabは、いま私が最もアクティブに使っている機種であり、今後のケータイの進化を考えるうえでも、興味深い発見がいろいろとあります。そんなことを何回かに渡り、ご紹介させていただきます。

 そうそう、昨年末に、『できるポケット+GALAXY Tab』(インプレスジャパン刊)を共著で出しました。ご興味のある方は、こちらもご覧になってみてください。


F-01CをモバイルWi-Fiルーターとして活用

F-01CをモバイルWi-Fiルーターとして活用

2011年2月2日 06:00
(村元正剛)

 筆者はWi-Fi+3G版のiPadをノートPC代わりに使っている。ソフトウェアキーボードの反応などには若干不満はあるものの、外出先でメールやウェブをチェックするには十分事足りるし、メールに添付されたPDFファイルなども快適に閲覧できるので非常に重宝している。

 ただ、3Gにアクセスできるとは言え、出向く場所によっては電波をキャッチできずイライラさせられることもある。筆者の実家は大阪府の富田林市というところにあるのだが、ソフトバンクモバイル回線はまだまだ脆弱なようで、場所によっては受信が不安定になったり、屋内に入ると即圏外といったこともある。

F-01CはモバイルWi-Fiルーターとしても使える

 そこで役立っているのがF-01Cの無線LANアクセスポイント機能だ。ケータイに無線LAN親機が内蔵されているわけだが、「ケータイをモバイルWi-Fiルーターとして使える機能」と言ったほうがわかりやすいだろう。

 筆者の記憶が正しければ、ケータイに初めてこの機能が搭載されたのは、2009年に発売されたN-06Aではないかと思う。実はそのN-06Aも購入したのだが、当時は原稿を書くために数回試した程度で、実際には無線LANアクセスポイント機能は活用していなかった。この機能を使うと、パケ・ホーダイ ダブルの上限額が月額1万3650円に跳ね上がったからだ。iモードだけを使う場合の上限額が4410円なので、9240円も高くなり、そんなに払うならモバイルWi-Fiルーターを買うほうがいいじゃん! と思った次第だ。

 その後、昨年6月にパケ・ホーダイ ダブルの利用料金が改定されて、現在は無線LANアクセスポイント利用時の上限額は1万395円になっている。それでも、iモードだけを使う場合よりも5985円高くなるのだが、まぁ、許容できる額にはなった。

 モバイルWi-Fiルーターを買うと、使っても使わなくても毎月利用料がかかる。しかし、ケータイ内蔵の無線LANアクセスポイント機能は使わない月は課金されない。ちなみに、無線LANアクセスポイント機能の利用には「mopera U(Uライトプラン)」(月額315円)への加入が必要なのだが、iモード(月額315円)に加入している場合は「ISPセット割」が適用され、2つを合わせて月額315円になるので、月々の負担が増えるわけでもない。

 というわけで、F-01Cは、さほど通信料を気に掛けることなく、モバイルWi-Fiルーターとして活用できている。あらかじめ接続の設定をし、「APモードオン」というメニュー項目を待受画面にショートカット登録しておけば、それを選択するだけで起動できることも気に入っている。

 さて、最も気になるのは速度であろう。結論を先に言えば、ウェブやメールをチェックするには不満を感じない程度のスピードは得られる。多少読み込み時間が待たされるもののYouTubeだって見られるし、アプリもダウンロードできる。

 モバイルネットワークの通信速度は環境に大きく左右されるので、あくまでも参考程度に捉えていただきたいのだが、一応、iPadに入れた速度計測アプリで実行速度を測ってみた。

 東京都世田谷区にある筆者の事務所内で数回計測したところ、iPadから直接3Gにアクセスした場合、下りは約1~2Mbpsで、上りは100kbps前後になることが多かった。Wi-Fiアクセスに切り替えて、F-01Cに接続(つまりWi-Fiを介してFOMAネットワークに接続)させると、下りは約600~800kbps、上りは約150kbpsであった。

iPad 3G版からアンテナ表示がバリサンの状態で直接3Gネットワークに接続した場合の測定結果 同じ状況でWi-Fiをオンにして、F-01Cのアクセスポイントに接続した場合の測定結果
同じ状況で、「128kbps通信」に設定したF-01Cのアクセスポイントに接続した場合の測定結果

 なお、F-01Cの無線LANアクセスポイント機能は、最大通信速度を「128kbps」に設定して使うこともでき、この場合、パケ・ホーダイ ダブルの上限額を5985円に抑えることができる。実は、最近は節約のために、この「128kbps通信」で利用することが多いのだが、速度計測アプリで実行速度を測ってみると、上り約100kbps、下り約40kbpsであった。この場合、ウェブページの読み出しがやや遅くなるのだが、メールチェックやTwitter投稿などに不満を感じるほどではない。というか、通信料が安くなると思えば我慢できるレベルだ。

 速度うんぬんの前に、FOMAは何よりもサービスエリアが広いのが魅力だ。iPadの新モデルが発売されたら、今度は3G版ではなくWi-Fi版を選び、アクセスポイント対応のFOMAケータイと併せて使うのが経済的かもしれないなぁ、と感じている。SIMフリー版が出たら、また悩むことになるかもしれないけどね(笑)。


タッチパネル対応手袋でGALAXY Sを操作

タッチパネル対応手袋でGALAXY Sを操作

2011年2月1日 06:00
(石野純也)

 今年は年明け早々が比較的暖かく、CESが開催されたラスベガスも日本より過ごしやすい気候だった。「暖冬だと厚着しなくてもいいなぁ」と思いつつ帰国してみると、何やら寒い……。友人などに聞いたところ、どうやらCESに合わせるような形で、一気に気温が下がったようだ。冬の寒さはモバイラーにとって天敵。特に、静電容量式のフルタッチパネルを搭載する「GALAXY S」だと手袋を着けて操作できないため、外で使うのが面倒になってしまう。

 そこで、厳しい冬を乗り切るために静電容量式タッチパネルに対応した手袋を買うことにした。昨年から、タッチパネルやiPhone対応をうたう手袋が続々と登場している。まだ豊富とまでは言えないが、選択肢はそれなりに増えた印象だ。ネットで探してみた限りでは、無印良品のものがシンプルなデザインで着る服も選らばないように感じたが、残念ながらこちらは完売。実店舗も何件か回ってみたが、どこにも置いていなかった。ただ、手袋なしで過ごすのはやはり辛い。ということで東急ハンズに行き、タッチパネル対応手袋を色々と見てみることに。店頭にあった3~4種類ぐらいの中から、1890円で販売していた「iTouch Gloves」を買うことにした。5本の指すべてに伝導性の糸が織り込まれており、様々な操作スタイルに対応するのが特徴だ。

ベースのカラーはブラックで、指の部分だけがシルバーとなる

 これを購入して、早速手に装着。GALAXY Sの画面を触ってみたところ……ちゃんと動く!! タッチパネルはもちろん、画面下に配置されたセンサーキーの操作も行える。ただ、タッチの感覚が指に伝わりづらくなってしまうため、非装着時よりはどうしても操作の精度が落ちてしまう。特に文字入力に関しては、デフォルトの10キーがやや小さく手袋ありだと押しにくいと感じられたので、若干ではあるがキーの面積が大きい「ATOK Trial」を使うことにした。こちらの方が変換の効率もいいため、タッチの手数を少なくできる。アプリアイコンのタッチや、画面のスクロールには一切問題がない。スクロールに関しては、滑りがよくなる分むしろ生身の指よりもスムーズだと感じた。

 一点、本当に気をつけたいのが、端末の落下だ。GALAXY Sは9.9mmと薄く、サイドも斜めにラウンドしている。普段は非常に持ちやすく手にもフィットするのだが、手袋を装着するとラウンド部分が逆によく滑る。手からポロっと落ちそうになったことも、何度かあった。破損が不安なら、手袋と相性のいいシリコン製のケースなどを装着しておくべきだろう。また、iTouch Glovesの“手袋としての性能”に関しても、少しだけ不満がある。1890円でタッチも可能なため仕方がないところだが、1週間毎日使っただけで、毛玉がかなりできてしまった。糸がピョロっと飛び出した部分もあり、耐久性にはやや疑問符が付く。ただ、価格を考えると、ワンシーズンで買い替えるものと割り切るべきなのかもしれない。

 一方で、製品全体を見渡してみると、デザインのバリエーションがまだまだ狭く、人によっては毎日の服装に合わせるのが難しいのではないか。iTouch Glovesは比較的シンプルでコーディネートにははまりやすいが、逆に言うと少々無難だ。来年は、より豊富なタッチパネル対応手袋が登場すること期待したい。