【AQUOS PHONE SERIE ISW16SH】

最後の+WiMAX端末に?

2012年10月25日 06:00
(湯野康隆)

 auから冬モデルが発表され、一部モデルを除き11月2日に一斉発売されることになった。iPhone 5に続き、auのAndroid端末もいよいよLTE対応ということで、期待感が高まる。

 しかし、WiMAX対応端末がゼロという状況については、田中社長にインタビューした際の同氏の話しぶりからも想像されたことではあるが、+WiMAX対応のISW16SHを使う筆者としては、何とも寂しい限り。というか、なにげにISW16SHって名機の器を持っているんじゃないかと思ったり。

ISW16SHは最後の+WiMAX対応スマホになってしまうのか?

 というのも、LTE端末ではテザリングは月額525円のオプション扱いとなっており、この点については、追加料金無しでテザリングできる+WiMAX端末の方がおトク。もちろん、WiMAXに接続すれば利用月だけ月額525円を支払う必要が出て来るが、LTE側は月の通信量が7GBを超えると帯域制限がかかる。その点、+WiMAXの場合は今のところこうした制約を受けない。まあ、現実問題、筆者の使い方からすると、月に7GBもパケットを飛ばすことは無いのだが。

 もっとも、料金面についてはauでもきちんと考慮しているようで、LTE端末でのテザリングオプションについては、2年間無料で利用できるキャンペーンが適用される。LTE端末の場合、そのほかにも基本料が最大で1年間半額になるキャンペーンも実施されるので、少なくとも当初は割安感がある。

 残る懸念事項は、電池の持ち。ドコモユーザーが初期のXi端末で味わった電池の持たなさ加減からすると、少々不安なところもある。ただ、auのLTE端末の場合、LTE接続のオン・オフを切り替えられるようになっているので、LTE圏外で電池の減りがやたらと早いなんていう場合はLTEをオフにすれば、少なくとも3G端末並みの電池の持ちが期待できる。

 また、LTEと3Gを素早く切り替える「Optimized Handover」のような仕組みも導入されているし、一足早くLTEに対応したiPhone 5の様子を見ていても、比較的電池の持ちはいいように感じる。ここは発売されてのお楽しみ、といったところだろう。

 遅かれ早かれみんなLTEになってしまうわけだが、ISW16SHユーザーは、今LTEに行くべきかどうか悩ましいところだ。


auの冬モデル、どれを買おうかな
【ARROWS Z ISW11F】

auの冬モデル、どれを買おうかな

2012年10月24日 06:00
(房野麻子)

 3キャリアの冬(春)モデルが出揃い、何を買うか考えるのが楽しい時期です。特に、auは夏モデル購入のタイミングを逃してしまい、一度はさよならをいいながら初代のARROWS Z ISW11Fを家族との電話とCメール専用機として使い続けていたので、今回は絶対買い替えるつもりで特に注目していました。

 発表会の会場で一番注目を集めていたのは、「HTC J butterfly」(HTL21)だったと思います。クアッドコアでフルHDとハイスペックですし、あの薄さとディスプレイの迫力には確かに圧倒されました。見た瞬間に「おお、これは買わなきゃ」と思ったほどです。ただ、通知パネルを重視するワタクシとしては、機能のオン/オフボタンが1つもないのは許せません。また、解像度が高いせいか、ほんのちょっと、気のせいかもしれませんが、動作のもたつきを感じます。動きも通知パネルも、発売までに改善されるといいのですが、その発売が、スマートフォンではこのモデルだけ12月なのですよね。他モデルも非常に魅力的なので、発売を待っているうちに、他の端末によろめいてしまいそうです。

 通知パネル好きとして、「DIGNO S」(KYL21)の通知パネルはとても惹かれます。会場ではメールや電話の着信など、何一つ通知されていないのに、ギッチリと項目で埋まっていてカレンダーまで表示していました。普段、紙のスケジュール帳は持たないので、スマートフォンのカレンダーも大好き。好きなものが好きな場所にあるなんて素敵すぎます。

 コンパクトで使いやすそうな「ARROWS ef」(FJL21)は、女子向けな見た目よりも硬派な端末だと感じます。個人的に、ARROWSはCPUのスペックではなく、センサーを使った便利機能に注目しているので、どこまで使いやすくなっているのか体感したい。通知パネルのボタンの並びを好きに動かせるのもいいんです。

 「Optimus G」(LGL21)は期待通りのサクサク動作でした。最近は、アプリを追加していない、まっさらな端末で動きがトロいと思う端末はほとんどないのですが、それでもOptimus Gはかなり気持よく感じました。背面がやや角張っていて、手にすると最初は大きいと思うのですが、そのうち慣れてしまいます。画面を重ねて“ながら操作”する「Qスライド」は、たぶん、それほど使わないと思うのですが、実力のある端末だと感じます。

 「AQUOS PHONE SERIE」(SHL21)は相変わらずの安定感。くどいようですが、DIGNO Sに匹敵する通知パネルの充実感がたまりません。また、画面下部の「ナビバー」に表示できるアプリを選べるようになっていて、いつも着実に進化させてくるなあと感心してしまいます。ただ、あのカバー状の背面パネルがちょっと気になりました。いや、外して使うわけないので、問題はないんですけど、内側を見た時にちょっと残念な気持ちになってしまったのでした。

 アークボディなのに、さらりと全部入りになった「Xperia VL」(SOL21)が実は本命、といったところでしょうか。アーク形状のボディは本当にいつ見てもきれいで、サイズ、デザイン、ディスプレイ、カメラ、どれをとっても調度いいと感じます。「GALAXY S III Progre」(SCL21)も素晴らしいんですが、すでにドコモのGALAXY S IIIを使っているので、こちらまでフォローできません、残念ですが。

発表会のプレゼンテーションも、自分の買い替えを意識して見ていましたが、しばらく悩みそうです

 今回はなぜか、画面が大きいわけでも、通知パネルにときめいたわけでもないのに「G'zOne TYPE-L」(CAL21)が気に入ってしまいました。今まで、耐衝撃性能を始めとした機能がエライとは思いつつも、中学男子向けだと決めつけていたのですが、不思議と手にしっくりきたのです。私の生活であそこまでゴツい必要はまったくないのですが、「あれを持つならこんな服着たい、あそこに行きたい」と空想してしまう自分がおります。

 「VEGA」(PTL21)も忘れたわけではありません。不覚にも、時間配分を間違えて、当日、あまりちゃんとチェックできなかったのですが、タッチせずに手の動きでブラウザの操作はしてみました。予想していたより思い通りに動いて面白いです。料理中とか、ハンバーガーを食べているときとか、よさそうですね。auのサイトにある商品紹介動画に登場するのが若い人だけというのが、気に入らないというわけではありません。

 さて、どれ買おう……。


iPhone 5をもっと便利に、快適に
【iPhone 5】

iPhone 5をもっと便利に、快適に

2012年10月15日 06:00
(法林岳之)

 iPhone 5の発売からそろそろ1カ月近くが経ち、販売を開始したばかりの頃に予約した人たちの手にも行き渡ってきているようだ。

 ボク自身もauとソフトバンクのiPhone 4SをそれぞれiPhone 5に機種変更した。仕事があるとは言え、両社とも毎年、機種変更するのはちょっとイタい気もするけど、どちらかと言えば、発表直後の予約競争の方がもっとしんどい気がする。もう少しスムーズに買えるようにならないもんですかね。そもそも機種代金や料金プランが直前まで発表されず、予約開始後に内容が変わっちゃったりするあたりもいかがなものかと……。こんなインテリジェントなツールを買う話なのに……。

au版iPhone 5の情報画面。キャリアの項目は「13.0」と表示されている

 とまあ、そんなグチは置いておき、今回のiPhone 5はいろいろと話題が多い。世間一般では、やっぱり、地図のことが話題だけど、ボク自身の環境ではちょっと別のことが気になっていた。レビュー記事で書いたけど、au版iPhone 5が手元に来たばかりの頃、Wi-Fiをオフにして、携帯電話のネットワークにつないでみると、なぜかCDMA2000 1xでつながったりして、せっかくのLTEが活かせないという現象が起きていた。家の中でも少し場所を移動したり、iPhone 5の電源を入れ直したりすると、LTEでつながることもあるんだけど、ふと机の上に置いたiPhone 5を見ると、アンテナマークの隣に、俗に言う「○」が表示され、CDMA2000 1xでつながっていた。

 これは何とかならないものかと、iPhone 5の記事を書いた後、人に聞いたり、ネットで調べたりしたら、ちゃんと答えが見つかりました。ただし、公式な対処方法ではないようなので、あくまでも参考例として、読んでください。

 au版iPhone 5の設定画面で「一般」→「情報」を選ぶと、「キャリア」と書かれた項目がある。おそらく、現在は「KDDI 13.0」と書かれているはずだけど、ここをもう一度、タップすると、項目が「PRL」に切り替わる。auケータイを使ってきた人なら、ご存知の通り、PRLはローミングのエリア情報で、海外渡航前に更新しようって話になるんだけど、ボクの場合、当初はここが「3」と表示されていた。どうもこの「3」がいけないらしく、ちゃんとつながっている人のau版iPhone 5を見せてもらうと、「5」と表示されていた。

 じゃあ、PRLの更新ってことになるんだけど、更新方法はauのiPhone 5向けの国際ローミングサービス「GLOBAL PSSPORT」のページで説明されていた。流れとしては、次のような感じになる。

1. 「*5050」に発信する
2. 音声ガイダンスが流れ、最後まで聞くと、通話が切れる
3. 自動的にPRL情報がネットワークから送られてきて、更新される
4. 更新が完了した旨が画面に表示される
5. iPhone 5の電源を切って、再起動する

 こんな操作をしてみた結果、ボクのau版iPhone 5は自宅でもCDMA2000 1xにつながりっぱなしになることがなくなり、LTEネットワークを快適に使えるようになった。机の上に置いてあるiPhone 5に目をやってもアンテナマークの横にはしっかり「LTE」と表示されていて、ひと安心。CDMA2000 1xにつながったままの人はちょっと試してみて欲しい。

キャリアのところをタップすると、表示がPRLに切り替わる。当初はここが「3」だったが、PRLの更新で現在は「5」と表示 PRLの情報が自動的に更新されると、こういう画面が表示される。「了解」を押して、電源を入れ直せば、作業は完了

 ところで、iPhone 5と言えば、もうひとつ気になるのが外部接続端子の「Lightningコネクタ」。30ピンのDock端子から変更され、本体の薄型化にも貢献できたわけだけど、iPhone 5の発売からしばらくは、パッケージに付属のLightning-USBケーブルしかなく、外出先で充電するために、いつもLightning-USBケーブルを持ち歩かなきゃいけなかった。ようやく先週末あたりから「Lightning-30ピンアダプタ」Lightning-USBケーブルなどが出荷されはじめたけど、実はイギリスやドイツのアップルストアを見てみると、「Lightning-microUSBアダプタ」なるものが販売されている。簡単に言ってしまえば、microUSBコネクタをLightningコネクタに変換してくれるというもの。これがあれば、机の上に充電用にたくさん並んでいる(生えている?)microUSBケーブルを活かせるし、わざわざLightning-USBケーブルを持っていく必要もない。

ドイツで買ってきてもらった「Lightning to Micro USB Adapter」。左手前が現物

 ただ、残念ながら、このLightning-microUSBアダプタはドイツイギリスなど、欧州各国のアップルストア(オンラインストアを含む)でしか販売されておらず、その他の通販サイトにもまだほとんど出回っていない。しかもオンラインのアップルストアはその国にしか発送してくれないようで、イギリスやドイツからは買うことができない。年末旅行のときに買うしかないかと諦めかけていたら、ドイツに取材で出かけていた心やさしい友だちのライター氏が気を利かせて、現地のアップルストアで買ってきてくれた。感謝、感謝。

 モノは見てもわかる通り、microUSBコネクタをLightningコネクタに変換してくれるというもので、サイズはLightningコネクタの端子部分よりわずかに大きい程度。microUSBコネクタを挿す側も余計な突起などがなく、そのまま挿すだけ。逆に小さすぎて、なくしてしまいそうなのが心配だけど、これをひとつ持っておけば、外出先での突然の充電にも利用できるし、データ通信にも使える。アップルさん、これ、日本でも売っていただけませんか?

思いきりクローズアップして撮影すると、こんな感じ 手前側にmicroUSBケーブルを接続して利用する。Lightningコネクタは向きが関係ないが、microUSB端子側はちゃんと向きがあるので、挿すときは要注意
「Lightning to Micro USB Adapter」を使い、microUSBケーブルを接続。この状態で充電も通信も利用できる パッケージに付属のLightning-USBケーブルと並べてみた。「Lightning to Micro USB Adapter」の方がわずかに大きい

ちょっと便利なブラウザの小ワザ
【AQUOS PHONE SERIE ISW16SH】

ちょっと便利なブラウザの小ワザ

2012年10月4日 06:00
(湯野康隆)

 スマートフォンはタッチ操作が大事。ということで、どんどん大画面化が進行する昨今のスマートフォンなのだが、iPhone 5が発売となり、改めて指摘されているところではあるが、片手持ちだと画面の端まで親指が届かず、ちょっと不便に感じることも出てきた。

 両手が空いている場合なら問題無いが、満員電車に揺られ、吊革につかまりながらの片手操作を余儀なくされる状況下や、買い物帰りで片手がふさがってしまっている場合なんかは深刻である。無理をして指をつりそうになったり、バランスを崩して端末を落っことしそうになったり。

 そんな場面によく遭遇するという人には、ISW16SHの「クイックツールボックス」はなかなか便利なんじゃないかと思う。この機能、Webブラウザの使用中に画面右端から中央に向けてフリック操作を行うことで呼び出せる。タブの切り替えやページの再読み込みなど、通常は画面上部まで親指を伸ばさないといけないシーンでも、右端からフリックするだけで、よく利用する機能を呼び出せるのだ。

 もっとも、クイックツールボックスが利用できるのは標準ブラウザのみ。他のアプリでもこの機能を使いたいと思うシーンが結構ある。ただ、アプリごとに対応を進めてOSのアップデート提供が遅くなるという状況は避けてもらいたい。今後、画面サイズが大きくなるのがトレンドなのだとすれば、OS標準でこの手のインターフェイスを実装してもいいんじゃないかと思うのだ。