みんなのケータイ
トーンモバイルの独特の世界観
【TONE m15】
湯野康隆
(2016/2/2 06:00)
“格安スマホ”や“格安SIM”なる言葉がそれなりに認知され、それらを賢く利用するユーザーも増えているが、ただ安いだけで選んでしまうと、期待したようなパフォーマンスが得られず、がっかりする場合もある。安いにはそれなりの理由があり、各サービスに特性があるということを理解しておく必要があるだろう。
今回、筆者が試しているのは、フリービットとCCCの合弁会社「トーンモバイル」が提供する「TONE」の最新モデル「m15」である。端末としては、フリービットが「PandA」ブランドで提供していた「m14」から大きく進化し、LTE対応で2GB RAM搭載、13メガピクセルカメラ装備と不足を感じないスペックとなっている。2万9800円(税別、以下同)という価格帯の端末としては、IEEE802.11aをサポートしているところも家庭内での利用を考えるとうれしいポイントの一つだ。旧モデルの「m14」も1万9800円で併売されているが、1万円の価格差であるならば、今買うなら間違いなく「m15」の一択だろう。
TONEでは、月額1000円の単一プランに各種オプションを組み合わせて利用することになる。LINEなどの認証で必要となるSMSが月額100円、090/080/070番号による音声通話が月額953円といった具合だ。m15自体はLTEによる高速通信に対応しているが、TONEの基本サービスの通信速度は500~600kbpsとなっており、より快適に利用したければ、1GBにつき300円の高速チケットを購入することになる。
実際に使ってみて感じるのは、標準で050 IP電話サービスが付いており、YouTubeなどの動画サービスを利用しない限りは月額1000円のベースプランだけでも、わりと普通に利用できるということだ。TwitterやFacebookといったSNSも一昔前のようにテキストだけというわけではないので、画像の読み込み時にワンテンポ遅れる感じはあるが、さほどストレスを感じることはない。
実効速度を計測すると、最も通信が込み合うであろうお昼休みの時間帯でダウンロードが約0.1~0.24Mbps、アップロードが約10~14Mbpsといったところ。それでも、オフピークの時間帯ではダウンロードが約0.8Mbps、アップロードが約17~21Mbpsとなっており、500~600kbpsとされる規定値を上回る数字となった。
他のMVNOと比較してどうかという点についてだが、どうしても090/080/070番号をキープしたいというケースでは、他のMVNOの方が料金面でお得という状況になるので悩ましいところ。050 IP電話では110番や119番に電話がかけられないというデメリットがあるが、TONEではGPS機能を利用して最寄りの警察署や消防署の受付番号を割り出す機能が提供されているので、こうした部分も理解しておきたい。
その他、TONEではファミリー向けの各種機能やスマホ初心者向けの独自UIなどを提供しているが、それらの話はまた別の機会に。