みんなのケータイ
次期モデルで改善を期待したい2つのポイント
【ZenFone 5】
大和哲
(2015/2/25 06:00)
ZenFone 5は、かけられるコストの割にはいいパーツを使っていると思われるのだが、逆におそらくコストとは関係ない部分、あえて言うなら設計者がこの機種に持たせた「テイスト」の部分で2つの弱点がある。1つは、液晶画面が、初期設定ではかなり暗いこと。もう1つは、通知LEDが筐体の奥深くに設置されていることだ。
1つめの「暗い液晶画面」について、ZenFone 5は、初期設定では、環境光に応じてディスプレイの画面の明るさを変える「明るさを自動調整」になっているのだが、この設定だと驚くほどディスプレイ表示が暗いのだ。昼間の野外でも夜の居酒屋でも同じように画面が見づらく、メールやLINEなどで文字を読み取るのには厳しく感じる。
LINEなどのアプリは、メッセージの着信があった場合内容をポップアップ表示するのだが、(表示開始後十秒ほどで画面が暗くなるせいもあり)表示内容が一瞥では読みとれないこともある。
なお、自動設定ではなく、「明るい」に手動で設定しなおせば、ちゃんと明るく表示されるので採用されている液晶ディスプレイやバックライトの性能自体には問題はないはずで、これは、ZenFone 5を設計した開発者たちが意図してこの程度に明るさにしているのだと考えられる。バッテリーを節約したかったからなのか、この端末のメーカーのある台湾ではこのくらいの明るさが周りになじむからなのか、それとも別の意図があったのなのかは不明だ。
2つめの弱点、「通知LEDが筐体の非常に奥深くに設置」の何がまずいのかというと、ZenFone 5を斜めから見るとLEDの点灯・点滅しているか視認できないのだ。多くのスマートフォンがそうであるように、ZenFone 5でも充電時やメール、LINEなどの通知着信時にLEDが点灯・点滅するのだが、正面からは見えるこの光が、少し斜めからになると全くわからない。おかげで、ちょっと席を離した隙にLINEやメールが来てしまうと、届いていることにしばらく気づけない。
スマートフォンというのは、通話に限らず、LINEやメールのようなコミュニケーションの多様化を利用者に見せてくれたツールだと思う。それだけに、このような、いわばコミュニケーション不全を引き起こしてしまうような設計は非常に残念に思う。
常に身に着けて着信通知をしたりメッセージの一部を表示できるスマートウォッチでも購入すればこれらの問題は解決できるようにも思えるが(そういえばZenFone 5の製造元であるASUSは、Androidスマートウォッチ「ZenWatch」も販売している。これもなかなかよくできた機械だとは話では聞くのだが)、できればスマートフォン単独で機能完結してほしい気がする。
あまりネガティブなことは書きたくなかったのだが、後継機種ではぜひ改善をお願いしたい点ではあるので、ここに記した。ZenFoneシリーズには期待しているだけに、いち愛用者からのお願いということでご容赦いただきたい。