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初対応が詰まったWiMAX 2+対応ルーター「W01」を使う
島田純
(2015/2/24 06:00)
UQコミュニケーションズとMVNOから、WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W01」が発売されました。
W01は、WiMAX 2+対応機種としては初となる下り最大220Mbpsに対応。下り通信速度は従来のWiMAX 2+対応機種の下り最大110Mbpsと比較し、2倍に高速化されています。W01の下り最大220Mbps対応は「キャリアアグリゲーション」対応によるもので、W01はUQコミュニケーションズとしては初めてのキャリアアグリゲーション対応機種になっています。
UQコミュニケーションズのキャリアアグリゲーション対応(=下り最大220Mbps対応エリア)は、2月12日に栃木県真岡市よりスタートし、今後順次全国に拡大の予定です。また、W01向けの下り最大220Mbps対応を含むソフトウェアアップデートは3月下旬に公開予定となっているため、実際に下り最大220Mbps対応の速度を体験できるまでにはもう少し時間がかかります。
「下り最大220Mbps対応」以外にも、W01は「時代の流れ」を感じさせるモバイルルーターです。その理由は、WiMAX 2+対応のモバイルルーターとしては初めてWiMAXに非対応となっている点です。このため、WiMAX 2+対応のモバイルルーターでは、メインと言える「ハイスピードモード」に設定すると、W01ではWiMAX 2+エリア内でのみ通信が行えます。
WiMAX 2+の屋外基地局は、2月18日付けで2万局を超えたことがUQコミュニケーションズより発表されており、東京以外の都市を含め都市部の屋外で使っている限り、WiMAX 2+が圏外になることは以前と比べてとても少なくなりました。しかし、都心でもWiMAX 2+がエリア化されていないエリアとして、地下鉄駅などの屋内エリアが残っています。
UQコミュニケーションズは、WiMAX 2+のエリアを「2015年3月末までにWiMAXと同等まで拡大する」としていますが、地下鉄駅などのエリア化については明確なスケジュールなどが公表されていません。仙台市地下鉄など、一部の地下鉄路線は既にWiMAX 2+のエリア整備が完了していますが、全国の地下鉄駅でWiMAX 2+が利用できるようになるまでには、少々時間がかかる可能性も考えられます。WiMAX対応機種からW01への乗り換えは、この点に注意が必要です。
ただし、W01はauの4G LTEに対応する「ハイスピードプラスエリアモード」に対応しているため、ハイスピードプラスエリアモード設定時は地下鉄駅などでも問題なくデータ通信を行うことができます。
ハイスピードプラスエリアモードを利用すると、月額1005円(税別)の「LTEオプション」料金が発生しますが、このオプション料金については2015年5月末まで無料です。なお、このモードでのデータ通信量が7GBを超えてしまうと、通信速度が最大128kbpsに制限されてしまうため、地下鉄移動が終わったら通信モードを「ハイスピードモード」に切り替えて使うことを忘れないようにしましょう。
W01の通信モードの切替は、本体のタッチパネルで操作するほか、ファーウェイ公式のアプリ「Huawei HiLink」(Android/iOS向け)からも行うことができます。
地下鉄を利用する度に通信モードを切り替えるのはそれなりに手間ですので、地下鉄駅などでもWiMAX 2+が利用可能になることが待ち遠しいです。
キャリアアグリゲーション対応による下り最大220Mbps対応の他にも、WiMAX 2+対応ルーターとしては初めて屋外でもWi-Fiの5GHz帯が利用可能となっており、2.4GHz帯のみをサポートするルーターと比べて安定した、高速な通信に対応しています。
ただし、屋外でWi-Fiの5GHz帯を有効な設定にすると、利用できるWi-Fiの周波数帯を検索するDFS(Dynamic Frequency Selection)機能が実行され、実行中はWi-Fi接続が60秒ほど切断されます。
W01のDFS機能は端末の起動時だけでなく、データ通信中でも実行されるため、インターネット接続が意図せぬタイミングで切断され、実際に使ってみるとストレスを感じることがあります。このため、通信の途切れにくさを重視する場合はWi-Fiは2.4GHz帯のみで利用した方が良さそうです。