みんなのケータイ

 今年1月、2013 International CESに出かけたとき、Verizon版「iPad Retinaディスプレイ Wi-Fi+Cellularモデル(iPad 4)」を購入して、約5カ月。このコーナーで、こんなに長くiPadのことを書くとは予想してなかったけど、そろそろ夏モデルのシーズンだし、本コーナーで取り上げる『自分端末』もそろそろ次に移行するかもしれないので、今回は利用環境も含め、最後のまとめを書いてみましょう。

 まず、iPad 4については改めて説明するまでもないけど、Retina Displayはきれいだし、サクサクと快適に使えるパフォーマンスだし、申し分のない製品であることは間違いない。最近、安価なAndroidタブレットが増えてきているけど、製品としての仕上りやコンセプトは別次元だし、満足度はiPad 4の方が圧倒的に高い。

 一方、コストパフォーマンスについては、ちょっと判断が難しいところ。今年1月に米国で購入したときのiPad 4の価格は「829ドル」で、当時のクレジットカード決済の為替レートが「1ドル=89.641円」だったので、実質的な価格は「7万4312円」。ところが、このところの円安ドル高が進んだおかげで、今、現地で購入しようとすると、1ドル102円くらいになり、実質価格は「8万4558円」になってしまう。その差、何と1万円……。

 まあ、あのタイミングで買っておいて良かったという感じだけど、1つだけオマケの話を書いておくと、iPadに限らず、いわゆるタブレットに分類される製品って、中古の買取価格が意外に高く、タイミングが良ければ、次の買い換えの原資にもなる。特に、SIMフリー版iPadの場合、日本国内では正式に販売されていないので、さらにリセールバリューは高いと言われている。

 そして、国内で販売されているモデルと違い、敢えてSIMフリー版を選んだことについて言えば、これも良かったと考えている。モバイルに熱心な読者のみなさんなら、ご存知の通り、最近、MVNO各社によるSIMカードのみを提供するモバイルデータ通信サービスが急速に増えてきている。今回、ボクが利用した「BB.excite モバイルLTE」は、ちゃんとNTTドコモのXiのLTEネットワークに接続できるし、エリア的にもそんなに不満を感じることはなかった。特に、3Gエリアが広いのは、地方に出かけることがある人にとって、心強い存在。

 ちなみに、別途、購入した「iPad miniのWi-Fi+CellularモデルのSIMフリー版(香港版)」については、同じSIMカードじゃつまらないので、「IIJmio 高速モバイル/D」のnanoSIMカードを装着して、LTEで利用できるようにしている。

 この他にも今やMVNOサービスの老舗とも言える日本通信の「b-mobile 4Gデータ通信専用サービス」をはじめ、BIGLOBEやOCN、ニフティ、So-netといった大手プロバイダも同様のサービスを提供しており、かなり選択肢は拡がっている。料金体系は各社さまざまだけど、LTEに接続できて、月に1GB程度の転送で月額2000~3000円程度がもっともリーズナブルで、高くても4000円程度で済むものがほとんど。外出時の利用頻度が高くてもテザリングを多用しなければ、BB.exciteやIIJmioのプランがおすすめだけど、ランニングコストを抑えたかったり、外出時の利用頻度が低いのであれば、通信速度を数百kbpsに抑え、月額1000円以下で利用できるプランもある。

各地に出かけてもプリペイドのmicroSIMカードは入手しやすい。スペインのvodafone(左)、シンガポールのSingTel(右上)、タイのDTAC(右下)。購入時に付属していたVerizonのmicroSIMカードは、その後、渡米する機会がなかったため、使わなかった

 また、海外に出かけたとき、プリペイドSIMが入手しやすいのもiPadの隠れたメリットの1つ。前述のように、ボクはiPad miniのSIMフリー版も持っているけど、この5カ月間、海外に持っていったのは、いずれもiPad 4だった。モビリティではiPad miniが勝るものの、iPad miniのnano SIMはまだ扱っていない国と地域も多い。これに対し、iPad 4のmicroSIMカードはスタンダードな存在だし、iPadを見せれば、たいがいはデータ通信専用の手頃なプランを提案してくれる。

 実際の用途については、そんなに特別な使い方をしていなくて、Webページ、Facebook、写真やムービーの閲覧などが圧倒的に多く、たまに仕事関連の文書を見るときに使うくらい。新聞は日経新聞の電子版を契約しているので、飛行機で移動するときなどはラウンジやWi-Fiスポットでアプリを使って、ダウンロードしている。電子書籍はあまり読まないけど、スマートフォンで登録していたシャープのGALAPAGOSがiPadにも対応しているので、3台まで登録できる端末の内の1台は、このiPad 4を登録している。ただ、これくらいの用途でも初代iPadから触っていることもあって、たまにiPad miniを手にすると、どうも今ひとつレスポンスに不満を感じてしまい、iPad 4が手放せない要因になっている。

 とまあ、散漫なまとめになってしまったけど、iPad 4って快適だし、いろんな使い道があるし、NTTドコモのLTEが使えるSIMフリー版は便利。頑張って米国で買って良かったというのが素直が感想。1つだけ不安なのは、Apple Care+ for iPadを契約していないので、落としたり、壊したりすることかな。本誌の「The クラッシュ」のコーナーに載らないように、大切に使いたいと思います。と言いつつ、次期iPadが出たら、買い換えるつもりだけど……。もちろん、SIMフリー版でね(笑)。