スマートフォンでも、いよいよ「モバイルSuica」

2011年7月27日 06:00
(関口聖)

 生活に欠かせない「モバイルSuica」が7月23日より、ようやくスマートフォンでも利用できるようになった。同じようにモバイルSuicaを利用してこられた方で、スマートフォン対応を待ち望んでいた方々は少なくないだろう。機種変更手続きを終えてみると、特に問題なく鉄道もショッピングも利用できる。カード型では得られない、即時のチャージ額表示、あるいはいつでもどこでもチャージしたり定期券を購入したりできるといった利便性は、やはり通勤電車ユーザーとしては必須のサービスだ。

 機能面を見ると、これまでの従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)向けサービスと異なり、新たに「クイックチャージ」「ウィジェット」が利用できるようになった。クイックチャージは、従来より手間を減らしてパスワード入力と金額指定で、すぐチャージできる機能。もう一方のウィジェットはペンギンの顔に触れるとモバイルSuicaアプリへ、スイカに触れると割れてチャージされている金額がわかる。Suicaでスイカて! とツッコミを入れざるを得ない見事なダジャレがそのままAndroidマーケット上で世界に向けて公開されていることに胸が熱くなる一方、ワンタッチで残額がわかるのは何より便利だ。たまに「残高取得に失敗した」とエラーが表示され、少し不安になることもあるが、スマートフォンならではの利便性、と言える機能かも。

 新たに利用できる機能がある一方で、銀行口座からチャージできる「銀行チャージ」はじぶん銀行のみ対応、となっており、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行のユーザーはちょっと不便かもしれない。ただ三菱東京UFJ銀行からじぶん銀行への振り込み手数料は無料なので、面倒だがじぶん銀行を経由してチャージする、という方法はなくもない。ちなみにじぶん銀行からの銀行チャージは現在、手数料無料なので、もっとも気軽に使える。

 移行してみれば、フィーチャーフォン版と普段の使い勝手はほとんど変わらない。特に関口の場合は、JR東日本のクレジットカード「VIEWカード」を用いてオートチャージも利用しているので、大きな違いは感じない。

 気になるのは、その仕組みや今後のこと。仕組みについては、たとえば他のおサイフケータイ対応サービスはブラウザ上で動作するものが多く、そのとき「おサイフケータイWebプラグイン」というアプリを活用するが、「モバイルSuica」はそうした仕組みを利用していないようだ。まぁ、これは記者としての好奇心だが、ユーザーとしては、現在非対応の「銀行チャージ」の一部金融機関、あるいは運行情報機能などの対応もさることながら、Androidのバージョンアップが行われれば、いったいどうなるのか、といった点が気がかりだ。たとえば関口が現在使っている「MEDIAS N-04C」は今夏、Android 2.3へバージョンアップする予定となっている。おそらく、JR側であらためて動作が検証され、その上で、といったことになるのだろうし、きっと対応してくれるとは期待しているが、このあたりも今後、あらためて取材していきたいところだ。