iPhone 4を使い続けている理由

2011年7月12日 06:00
(白根雅彦)

 わたしはメイン端末としてiPhone 4を使っている。とくに不便もなく、仕事にもプライベートにも活躍してくれているが、iPhone 4は発売から1年以上が経つ、スマートフォンとしてはやや古い部類のモデルである。常用ツールとして使い込んでいるので、飽きるとかそういったこともないのだが、最新のAndroid端末に乗り換えるべきだろうか、とか考えたりもしている。しかしどうにも、iPhoneからほかの端末への乗り換えは、障壁が大きいように感じられるのだ。

 この1年でAndroidは大きく進化した。「docomo.ne.jp」などのキャリアメールが使えるようになり、赤外線通信やおサイフケータイ、ワンセグといったフィーチャーフォンに不可欠な機能も搭載した。なるほど、フィーチャーフォンからAndroidへの移行は、非常に容易になったといえる。

 しかし、すでにiPhoneを使い続けているわたしにとって、それらの要素に意味があるのだろうか。キャリアメールはiPhoneも対応しているし、そもそもわたしは使っていない。赤外線通信でメアドを交換、なんて機会はションボリするほど少ないので、これも必要性は低い。オートチャージ付きSuicaカードを使っているので、ちょっと不便ではあるものの、おサイフケータイも代用できている。ワンセグは必要に応じて「TV&バッテリー」などの外付けユニットを使っている。

 当たり前ではあるが、わたしはiPhoneシリーズを3年以上も使い込んだおかげで、iPhoneが抱えている弱点は、たいてい克服して(あるいは慣れて)しまい、不便を感じることがなくなってしまった。赤外線通信やおサイフケータイ、ワンセグといった要素は、iPhoneからAndroidへ乗り換えるに当たって、必要な要素になっていないのだ。

 それよりもむしろ、メイン端末をiPhoneからほかに乗り換えるにあたっては、デメリットの方が目に付いてしまう。とくに、使い慣れたiPhoneアプリが使えなくなるのが痛い。Androidもアプリは豊富で、多くの機能はAndroidでも実現できそうなものだが、たとえば食べログ公式アプリがないとか、外付けキーボードと相性の良いアプリがないとか、些細ながら、わたしにとって重要な機能がAndroidアプリにはなかったりする。

 また、iPhoneは専用のmicroSIMカードを使っているので、たとえ同じソフトバンクでも、SIMカードの挿し替えだけで複数端末を併用できないというのも大きな障壁だ。必要に応じて元の端末に戻せないというのは、移行するのにいろいろ覚悟が必要となる。

 AndroidにはAndroidならではの魅力があり、もっと活用したい、とは思っているものの、現時点では、メイン端末をAndroidに乗り換えよう、という気にはなっていない。要するに、慣れてしまっている環境から乗り換えるのが面倒、というのが正直なところでもある。仕事にも使っている以上、メイン端末には使い慣れたiPhoneを使い、必要に応じてAndroidなどほかの端末をサブとして使う、というのがいまのところの結論だ。

 最初にフィーチャーフォンからiPhoneに移行するときには、フィーチャーフォンの囲い込みから脱出することに苦労したものだが、しかしiPhoneでは、どうやらフィーチャーフォン以上に、ガッツリと囲い込みをされてしまったようだ……。