iモード向け「ドコモマーケット」でアプリを購入

2011年5月24日 06:00
(村元正剛)

 スマートフォンの普及が進む中、フィーチャーフォンを使い続けている人が一番不満を感じているのは「アプリで遊べないこと」ではないかと思う。もちろん、フィーチャーフォン向けにもiアプリ、EZアプリなどが配信されているが、App StoreやAndroidマーケットのように多彩なアプリがあるわけではなく、世界中の開発者が続々と新しいアプリを生み出す、といった環境にもない。また、スマートフォンでアプリを購入・ダウンロードする作業に比べると、フィーチャーフォンでお目当てのアプリの探し出すのは若干難しかったりする。

iモード向けドコモマーケットの「アプリストア」のトップページ。スマートフォン向けのアプリマーケットと同じように、ランキングや他のユーザーの評価などを参考にしてアプリを探せる
「マイポータル」というページで、購入履歴などを確認でき、アップデートや再ダウンロードなどをスムーズに行えるのは魅力

 そんな状況の中、ドコモが昨年12月にオープンしたのがiモード向けの「ドコモマーケット」だ。その概要について、ここで詳しく説明するのは避けるが、要は「従来のiモードケータイでも、スマートフォンのようにアプリを楽しめますよ!」、「しかも、アプリの購入代金は毎月のケータイ料金に合算できますよ!」という主旨であると認識している。

 「ドコモマーケット」を活用すれば、フィーチャーフォンでもスマートフォンライクなアプリ遊びを楽しめるのか? それを確かめるべく、ここ最近、F-01Cで積極的に「ドコモマーケット」を使ってみた。

 その結果を先に述べると、「便利には使えるが、スマートフォンでアプリを使う場合の楽しさとは違うような……」。そんな印象を抱いている。

 「ドコモマーケット」は、iモードボタンを押すだけで開く「iMENU」からアクセスできる。「BOOKストア」「アプリストア」「MUSICストア」が用意されているので、利用したいストアを選択。アプリを探したい場合は「アプリストア」にアクセスし、「ジャンル」「無料ランキング」「有料ランキング」などからお目当てのアプリを探せる。まだアプリ数はさほど多いとは言えないが、ゲームや情報検索用、Twitterクライアント、ニュースリーダーなど、スマートフォンでも人気が高いアプリが揃いつつあるようだ。

 使いたいアプリが見つかったら、無料アプリならパスワードなどの入力は不要で、あっという間にダウンロードできる。有料アプリの場合は、「ドコモケータイ払い」に承諾する画面やiモードパスワードの入力画面などが出て、多少手間は増えるが、まぁ、イライラするほどではない。

 ダウンロードしたアプリは、仕様としては従来のiアプリと同じで、iアプリのフォルダから選んで起動する。なので、せっかく「ドコモマーケット」という新しいサービスを介して購入したのに、操作感に新しさは感じられない。多くの機種に対応させるためか、フルスクリーン表示にならないアプリも少なくない。

 スマートフォン向けのアプリに比べると、有料アプリの代金が高いのも気になる。例えば、頭の中に人物を思い浮かべ、画面に表示される質問に回答していくと、その人物をズバリ当ててくれる「Akinator」という人気アプリは、iモード向けドコモマーケットでは月額210円。もし、1年間遊び続けると2520円にもなる。スマートフォン向けの「Akinator」は有料版のダウンロード課金でも180~230円程度なので、かなり割高感がある。

 iモード向けドコモマーケットでは「jigtwi」というTwitterクライアントアプリがあり、非常にサクサクと操作でき、筆者のお気に入りアプリのひとつでもある。この「jigtwi」は無料で提供されているのだが、無料版には機能制限があり、例えばマルチアカウント対応にするために有料版にアップデートすると、毎月315円の課金が発生する。正直なところ、そのアップデート操作には勇気を要した。

 アプリの代金はドコモが決めているわけでない。アプリ販売者が決めて、ドコモが購入代金の回収代行をし、その20%が手数料としてドコモの収入になる仕組みだ。

 スマートフォンであろうが、フィーチャーフォンであろうが、ユーザーからしてみれば同じアプリからは同じ楽しさや利便性しか享受できない。どちらも同等の料金にしてもらいたいのだが、現状のiモード向けドコモマーケットは、従来のiモード情報料の相場を踏襲している印象だ。有料アプリを使っていると、なんとなく損している気持ちになり、使わなくなったら即解除しないと……という戒めの気持ちも芽生える。

 それでも、従来のiモードサイトからダウンロードするiアプリより、「ドコモマーケット」のほうが検索性や購入の手軽さは秀でていると思う。でも、アプリを存分に楽しみたい人は、やはりスマートフォンに乗り換えたくなってしまうのではないかなぁ~というのが筆者の率直な感想だ。

「jigtwi」はフィーチャーフォンでの操作性を考慮されたTwitterクライアントで、サクサクと軽快に操作できる。こういうアプリはどんどん増えて欲しい