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冬だ! イルミネーションだ! 「多摩センターイルミネーション」をいろいろなスマホで撮影した
2024年12月27日 00:01
あちこちの街でイルミネーションが冬の夜を彩る。筆者が住む多摩市でも、各駅や公園で趣向を凝らしたイルミネーションの飾りつけが行われている。
中でも、小田急相模原、京王相模原、多摩モノレール各線に駅のある「多摩センター」前には、毎年晩秋から晩冬にかけて豪華なイルミネーションが登場する(ちなみに、年々パワーアップしている)。「多摩センターイルミネーション」は、公式サイトによれば1月13日まで続くとのことだ。
イルミネーションが灯れば、思い出として撮影したいもの。しかし、iPhoneやGalaxy、Xperiaといったハイエンドモデル“じゃない”スマホで撮影した場合、思い出との乖離が激しくなるというようなことはないのだろうか。
筆者は手頃な価格で購入できるミドルレンジスマホ好きということもあり、OPPO Reno9 A(実質9800円で購入)やZTE Libero Flip(3万9800円で購入)を所有している。そこで、最新のiPhone 16(無印)と1年前のハイエンドモデルであるGalaxy S23 Ultraに加え、それらミドルレンジスマホで色とりどりのイルミネーションを撮影してみた。撮影と掲載にあたっては、多摩センターイルミネーション実行委員会の協力を得ることができた。ここで改めて感謝の気持ちを伝えたい。
なお、夜景モードのないiPhoneに合わせ、どの機種でも「標準」カメラ、輝度やピントなど何も設定しない「1倍」で撮影。自動的に「夜景モード」になる場合は強制的に変更することなく、流れに身を任せて撮影した。
また、掲載に際してリサイズと人の顔がわかる場合のみぼかしを入れたが、トリミング、輝度調節、傾き調節などは行っていない。サッと取り出して、サクッと撮影したときにどのように撮れるのかをイメージする助けになれば幸いだ。
シンボル的存在の「センターランドリーツリー」
まず手始めに、駅チカバイク駐車場からすぐ、サンリオピューロランドへと続く東西の道と多摩センター駅から複合文化施設「パルテノン多摩」を南北に結ぶパルテノン大通りが交差する十字路の中央にそびえ立つ「センターランドツリー」を撮影した。
いずれも筆者からすれば及第点だと感じた。生で見たときの印象から大きく外れていない写りだ。
このままスマートフォンの画面などで楽しむ分には良いが、拡大するとどうなるだろうか。PCに取り込み、200%の拡大表示したうえで画面キャプチャーした画像を以下に挙げる。
ツリーの基部には、フォトスポットになりそうなイルミネーションの飾りつけもある。こちらも各スマートフォンのカメラで撮影してみた。
ミドルレンジスマホでも、デジタル望遠にありがちなのっぺりとした油絵のような表現にならないのが意外であった。
動物のトピアリーイルミネーション
多摩センターイルミネーションでは、植えられたクスノキ同市の隙間を埋めるように、白鳥、フラミンゴ、パンダ、トナカイなどのトピアリー(元々は庭木を動物の形などに刈り込んだ造形物のこと。ここでは立体的に装飾されたイルミネーション作品を指す)が飾られています。暗い中で明るいものを撮影すると使われている色を捉えきれず白飛びしがちですが、果たしてミドルレンジスマホはそれぞれの色味を表現できるのでしょうか。
白いボディに赤いくちばしと長い脚、そして地面のピンク色のLEDが美しいフラミンゴのトピアリーを撮影した。どのスマートフォンでも白飛びすることなく、それぞれの色を捉えていた。
次は、この季節にぴったりなペアのトナカイだ。個人的にはこのフォルムが好きで、毎年撮影している。
OPPO Reno9 Aは、ディスプレイが美しいこともあり、撮影中は「おっ、これが一番キレイに撮れているか!?」と思うのだが、帰宅して、自宅のPCのディスプレイで見てみるとその写真がとびきりよく撮れているというわけでもないので、少しがっかりしてしまう。なお、このモチーフに関してはiPhone 16では温かみが強すぎると感じた。最もイメージそのままで撮れているのはZTE Libero Flipであった。
トナカイの隣りにいるのが「シカ」だ。メスや子どもが食餌している最中に、周囲に気を配っているオスというストーリーが見えてくるようだ。こちらは、背景がやや明るいこともあり、トピアリーそのものが眩しく撮れてしまうというようなことはなかった。ただやはりiPhone 16では色温度が低めであった。
名物「光の水族館」はどうだ
小田急相模原線または京王相模原線の多摩センター駅を降り、階段を上るとすぐ目に飛び込んでくるのが、この「光の水族館」だ。青いLEDのトンネルが長く伸び、その途中途中にイルカやカクレクマノミ、タツノオトシゴなどさまざまな海中生物のトピアリーが配置されている。
厳密に数えているわけではないが、こちらも年々パワーアップしており、トピアリーの種類が増えているようだ。
比較してみると、ZTE Libero Flipでは青を補正しようとしているのか、赤みが追加され紫がかってしまっているのがわかった。その反面、iPhone 16では黄色が強いだけでなくイルカの青が潰れてしまっている。最も自然な印象で撮れているのはOPPO Reno9 Aだろうか。
光の水族館の中からセンターランドツリーを撮影したところ、iPhone 16では青色がすっかり潰れてしまい、かなり思い出と異なる印象になってしまった。また、ZTE Libero FlipではLED一粒一粒が見えるものの、紫色の世界になっていたのが残念だ。
白を基調とした月のモチーフでは違いがある?
最後は白いLEDで月を形作ったイルミネーションだ。ちなみに、上方には青い小さな星がぶら下がっていてセンスが良い。個人的にはこれも好きなモチーフだ。
OPPO Reno9 Aでは暗めに撮れたものの、発色が良い。Galaxy S23 UltraとZTE Libero Flipは明るく撮れているもののLEDの一粒一粒を描写している。そしてやはりiPhone 16では青い色が潰れてしまった。
価格帯に大きな差のある4台のスマートフォンで撮影してみて、改めて感じたのは「高ければいいというものではないなぁ」ということだ。腕やセンス次第で、標準カメラであってもiPhone 16やGalaxy S23 Ultraなら、もっとプロっぽい写真を撮れるだろうし、絞りやシャッタースピード、露出や被写界深度を、被写体ごとに設定すれば、今回とは違う作例が完成したことだろう。
とはいえ、ミドルレンジスマホであっても、サッと取り出して、サクッと撮影する分には思い出の中のイメージと大差ない画像が撮れるということが今回の検証でわかり、改めて「良い時代になったものだなぁ」と感じた。
なお、こちらのイルミネーションは来年1月13日まで点灯しているし、フォトコンテストも開催しているようなので、腕に覚えのある人は、ぜひスマートフォンを手にチャレンジしてみてほしい。お手頃価格で手に入るスマホでもこれだけのものが撮れるのだから。
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