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「iPhoneのタッチ決済」をSquareで有効化、iPhoneのTap to Payだから感じるメリットと問題点
【iPhone SE(第2世代)】
2024年6月13日 00:00
5月16日から、国内でもiPhoneによるタッチ決済「iPhoneのタッチ決済」(Tap to Pay on iPhone)が利用できるようになりました。iPhoneが決済端末のようになり、iPhoneだけでクレジットカードのタッチ決済を受付できるようになりました。
アップルと契約するわけではない
この機能ではアップル(Apple)とカードの加盟店契約をするわけではありません。アップルはこの機能であくまでカード情報など決済に必要なデータの受け渡しを担うだけで、利用には別途対応する決済プラットフォームへの加盟が必要です。
サービス開始時点では、「stera tapアプリ」(GMOフィナンシャルゲート)、「Airペイタッチアプリ」(リクルート)、「Square POSレジアプリ」(Square)のアプリとプラットフォームに対応しています。
AndroidでもTap to Payの機能がありますが、プラットフォームとの仕組みについては変わりません。アプリをダウンロードし、設定すればすぐに利用できるようになります。
Squareで設定してみる
筆者はSquareの加盟店契約をしています。これまでは、iPhoneやiPadのSquareアプリ/POSレジアプリと、Bluetooth接続した専用カードリーダーを使用して決済を受け入れていました。
導入は、POSレジアプリの設定画面から、iPhoneのApple IDとリンクさせることで有効化できます。筆者はなぜか1回登録がうまくいきませんでしたが、その後すぐに有効化できました。アプリを立ち上げた際に表示されるタッチ決済のポップアップからも進めます。
あとは、通常通りアプリ内で商品をタップして会計まで進むと、これまでの決済選択画面に「iPhoneのタッチ決済」ボタンが登場します。これをタップすると、読み取り画面に進むのでiPhoneの前面上にカードをかざしてもらうと、決済が完了します。
支払う側が金額を確認できる
この「iPhoneのタッチ決済」、メリットとして感じるところがいくつかあります。
まずは、Bluetoothの環境に左右されないこと。
複数のテナントが入るビルや人が多く集まっている場所では、Bluetooth接続が思うように行かない場面も多く、iPhone/iPadとカードリーダーの接続がうまくいかない場合もあります。「iPhoneのタッチ決済」では、内蔵のリーダーを使用するので、心配がありません。
もう一つは、決済金額を支払う側で確認できること。
これまでのカードリーダーには、液晶画面がないので、こちらから支払う側に手元のiPhone/iPadの画面を見せて、「この金額で決済します」と確認してもらう手間がありました(新型の液晶付きカードリーダーはあります)。
「iPhoneのタッチ決済」では、iPhoneの画面上にあるリーダーにタッチしてもらって決済となるので、支払う側にiPhoneの画面で直接金額を確認してもらって決済してもらえます。
AndroidスマートフォンでもTap to Payの機能が利用できますが、筆者が手持ちの端末では背面にリーダーがある機種が多く、フローとしては少し手間に感じるところがありました。「iPhoneのタッチ決済」では、その点シンプルな手順になっているのかなと利点を感じました。
AirDropに注意
一つ注意なのは、iPhone同士で決済することもできますが、iPhone同士でファイルなどを共有できる「AirDrop」や連絡先を共有できる「NameDrop」は、今回の決済と同じ「iPhone同士を近づける」「iPhone上部同士を近づける」かたちで起動するので、少なくとも決済を受ける端末側は念のためAirDropの設定(設定→一般→AirDrop)を確認しておくことをおすすめします。
あと、希望を言えば、FeliCaにも対応してほしいところ。学生やシニア層では、クレジットカードを持てなかったり、残高がある電子マネーを利用しているユーザーがまだ多いので、現状ではまだ「iPhoneのタッチ決済」だけで大丈夫! とまではいかなさそうです。
とはいえ、「iPhoneのタッチ決済」はキャッシュレス決済の裾野を広げるいい取り組みだと感じました。今後の進化を期待したいところです。