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「iPhoneのタッチ決済」が日本上陸、実際にどうやって支払う? 先行導入店舗を取材
2024年5月16日 16:51
アップル(Apple)は16日、iPhoneが決済端末として利用できる「iPhoneのタッチ決済」の提供を開始した。店舗がキャッシュレス決済を受け付ける際、iPhoneのNFCリーダーでユーザーのカード情報を読み取り決済できるため、プラットフォームにもよるがiPhoneだけで決済を受け付けられる機能だ。
今回は、先行導入していた店舗で、決済の様子や店舗にどのようなメリットをもたらすかを聞いた。
米国で2022年からスタートしたサービス
「iPhoneのタッチ決済」は、米国で「Tap to Pay on iPhone」として2022年から開始していたサービスで、米国のApple Storeなど対応店舗で利用できる。
これまでは、クレジットカードなどでの決済を受け付ける場合、専用の端末が必要だったり、iPhoneやスマートフォン、タブレットなどと決済端末を組み合わせて利用したりする必要があった。
「iPhoneのタッチ決済」では、1台のiPhoneで注文の受付から会計、キャッシュレス決済まで完了できる。実店舗でのテーブル会計や屋台やキッチンカーなど移動式店舗では、iPhone1台でより手軽に会計を行うことができるだろう。
出張販売で荷物が減ることが「画期的」
先行導入していた店舗のひとつ「Sweetie shop GRANDPA」のオーナー 三上龍馬氏も、手軽さを実感しているという。
都内のオフィス街という立地の影響か、多くのユーザーがキャッシュレス決済で購入していくといい、これまでも店舗に決済端末を置いて決済を受け入れていた。
これまでは、決済端末1台に対して複数のiPhoneを入れ替えながら利用しており、スタッフが入れ替わる度に端末とiPhoneの接続(ペアリング)を行っていたという。
「iPhoneのタッチ決済」では、iPhone自体が決済端末となるので、毎回のペアリング作業も不要で、スムーズな会計ができていると話す。
また、イベント出店時でも、常に持ち歩いているiPhoneで決済まで対応できる。これまで決済端末の持ち運びが必要だったことを振り返り「ものが1つ減ったことがこんなに画期的なことか」とコメントする。
実際の会計シーンにおいても、ユーザーからの注文をiPhoneでタップし伝票を作ると、そこから数タップで決済まで進められる。ピーク時でも、注文から会計までスムーズに進められ、混雑緩和につながっているという。
三上氏自身は、米国での展開(Tap to Pay on iPhone)は認知していないものの、先行導入の知らせを受け取った際は「大興奮だった」といい、店側にとってもメリットを感じる機能として期待されていたようだ。
既存の決済プラットフォームで導入できる
「iPhoneのタッチ決済」は、iPhone Xs以降のiPhoneだけで決済を受け付けられるが、別途決済プラットフォームとの契約が必要だ。
16日時点の対象決済プラットフォームは「stera tapアプリ」(GMOフィナンシャルゲート)、「Airペイタッチアプリ」(リクルート)、「Square POSレジアプリ」(Square)。数カ月以内にAdyenもサポートするという。
これまでは、決済プラットフォームが用意した端末を購入またはレンタルする形で導入しなければならなかったが、「iPhoneのタッチ決済」では、iPhoneがあれば決済端末は不要であるため、初期費用やランニングコストが抑えられ、より多くの店舗でキャッシュレス決済が利用できるようになることが期待される。
なお、16日のサービス開始時点では、アメリカンエキスプレス、JCB、Mastercard、Visaのクレジットカードとデビットカードの決済を受け付けられる。交通系ICカードやiD、QUICPayなどの電子マネーは未対応である点注意されたい。