みんなのケータイ

ソニーとホンダの「AFEELA」、車内のデジタルトランスフォーメーションに期待したい

 2021年春に購入した愛車であるホンダ「Honda e」の生産が2024年1月で終了すると発表があった。

 当初、国内で年間1000台、グローバルで1万台という販売目標を立てていたようだが、3年4ヶ月で国内では約1800台、日本を含むグローバルでは約1万2000台しか売れなかったようなので、あまりに人気がなかったというのが理由のようだ。

 世間的に不人気だったHonda eを自分が購入したのは、クルマでありながら「スマホっぽい」ところに一目惚れしたのが理由のひとつだった。

 インパネには大きなディスプレイが並び、タッチでの操作が可能。しかも、独自のアプリストアが提供され、radikoなどのアプリをインストールできる機能が備わってした。

 しかも「OK、ホンダ」を話しかけると、音声認識でいろんなことに答えてくれる「Honda パーソナルアシスタント」も搭載されるなど、まさに「未来のクルマ」感がビンビン漂っていたのだ。

 しかし、その「Hondaアプリセンター」はすでに2023年3月31日をもってサービス終了。さらに「Honda パーソナルアシスタント」も2024年12月でサービス終了となることが発表となった。

 Honda eというクルマ単体、ハードが全く売れず、販売を終了するのはなんとなく仕方ないと思う。しかし、アプリストアやパーソナルアシスタントというサービスのプラットフォームを終了させるというのは、理解に苦しむ。

 今後、Hondaが発売するであろうクルマに対して、アプリやパーソナルアシスタントを提供するつもりはないのだろうか。

 本来であれば、Hondaでコネクテッドカーの戦略を考える部隊が、大きな戦略をもって、アプリやパーソナルアシスタントの方向性や将来性を検討し、製品化していき、様々なクルマに搭載していくのが理想なはずだ。

 アプリセンターはHonda e以外の車種にも搭載されたが、結局、Honda eの不発によって、そうしたプラットフォームがHondaから消滅してしまうのは本当にもったいない気がする。

 確かに販売台数が少なければ、それだけユーザーも少ないため、利用頻度も低いのだろう。自分も一向にアプリが増える気配がないアプリセンターはすぐに開かなくなってしまったし、パーソナルアシスタントもまともに会話できないので、いつしか使うのを辞めてしまった。

 とはいえ、ユーザーの利用頻度が低いのであれば、なぜ使われないのかを研究し、もっと使い勝手を改善して、プラットフォームとして進化させれば良いのに、Hondaはすぐに諦めてしまったようだ。

 やはり、クルマ屋さんにはそうしたプラットフォームを作るのは難しいのかな、とも思ってしまった。

 となると、やはり期待したくなるのが、ソニーとホンダがタッグを組んだソニー・ホンダモビリティの「AFEELA」だ。

 AFEELAは主にソニーの知見によってディスプレイ周りのユーザーインターフェースや機能、アプリやコンテンツが開発されている。それこそ、プレイステーションやXperiaなどのノウハウが詰め込まれる可能性が極めて高いのだ。

 ホンダがHonda eで夢破れた、新たな車内空間におけるデジタルトランスフォーメーションを、是非ともAFEELAで実現してほしいものだ。