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ドコモの「dカーシェア」とかでEVを借りるのが便利で楽しい

 筆者は2023年頭に東京を脱出して郊外エリアに引っ越す予定で、現在、いろいろ準備をしているのだが、新居近辺での用事を済ませに行くのに、カーシェアを多用している。

 新居は公共交通機関の方がラクなものの、周辺の施設(とくにカーディーラー)はクルマ必須の場所にあるから、なのだが、最近はクルマを借りて運転すること自体が楽しくなってきていて、公共交通機関の方がラクなときも、カーシェアを使っていたりする。

複数のカーシェアサービスが使える「dカーシェア」のアプリで検索すると、都市部はいたるところにカーシェアのステーションがある

 カーシェアは街中の駐車場にぽつんとシェアカーが置かれていて、スマホやICカードで認証して乗車する。予約などの手続きもスマホアプリででき、短時間でも安く借りられる。レンタカーに比べると手軽なのがカーシェアの魅力だ。

カーシェアは都市部の商業施設の駐車場などにも多く、池袋のサンシャインの駐車場には日産e-シェアモビのサクラやリーフ、セレナなどがある

 さまざまなカーシェアサービスがあるが、筆者がとくに楽しく利用しているのは、自動車メーカーなどが提供している、バッテリーEVなど最新車種のカーシェアだ。試乗とは違い、数時間かけて高速道路などにも乗りつつ最新車種を試せるので、購入するクルマ選びの参考にもしている。

dカーシェア経由のe-シェアモビで借りた「サクラ」。左後方は建築中の筆者新居である

 その中でも筆者がイチバン気に入ってるのは、日産の「e-シェアモビ」で借りられる、軽自動車にしてバッテリーEV(電気自動車)の「サクラ」だ。

 車体の小さな軽自動車なので筆者のようなペーパードライバーにも扱いやすく、そのわりに車内空間は広く、運転支援機能「プロパイロット」も使える。

 バッテリーEVなので航続距離に制限があるが、待機中に充電されているので、直前に使われていなければ満充電で乗り始められる。軽い車体に強力な電気モーターを搭載するので、EVならではの反応の良いキビキビした走りも魅力だ。

 日産のe-シェアモビは、距離料金がなく、時間料金だけで借りられるのもポイントだ。借りられるのは日産のバッテリーEVかシリーズハイブリッド(e-Power)車両で、どの車種も運動性能が高く、運転支援機能も充実している。e-シェアモビのシェアカーはETCカードが車載されているので、普段クルマに乗らない人も、気軽に高速道路を利用できる(後日決済になる)。

「サクラ」はエアコン弱めで丁寧に乗ると平均電費10km/kWh近くに達する

 しかし筆者お気に入りの「サクラ」、数が少ない。

 カーシェアのステーション自体、都市部にしかないが、「サクラ」のシェアカーは都内にも12台くらいしかない(2022年12月時点)。たとえ近所に「サクラ」のステーションがあっても、借りたいときに借りられるとは限らない。

 クルマを使いたいときに使えないのは困るので、複数のカーシェアサービスを使えるようにしておくと良い。多くのカーシェアサービスは月額無料プランを提供しているので、複数のサービスに登録していても負担は少ない。複数のサービスに登録しておけば、用途や気分に応じて適した車種も選択しやすい。

アプリ上で予約可能な時間帯を確認し、カンタンに予約が取れる。珍しい車種は長時間借りる人が多くて面白い

 どのカーシェアサービスも登録時、免許の写真を撮ったりするオンラインでの本人確認、いわゆる「eKYC」の手間と審査期間が必要になる。

 しかしNTTドコモの「dカーシェア」なら、1回の登録で「オリックスカーシェア」「カレコ」「カリテコ」「トヨタシェア」、そして「e-シェアモビ」の5つのカーシェアサービスを使えるようになる。カーシェアを試してみたいなら、まずはdカーシェアに登録するのがオススメだ。

Anycaで借りられるIONIQ5。航続距離はかなり長く、快適装備も多彩で、かなり乗りやすい印象だった、けど、見た目より車幅があるので、パーキングカメラを使いこなす必要がある

 dカーシェア以外のカーシェアサービスだと、DeNA SOMPOの「Anyca」も面白い。Anycaは個人間カーシェアの仲介もやっているが、Anyca自身が提供するオフィシャルカーにはメーカーやディーラーが提供する最新車種もある。たとえばバッテリーEVではホンダの「Honda e」、ヒョンデの「IONIQ5」、プジョーの「E-2008」、シトロエンの「E-C5」などがある。

Anycaアプリでステーションを表示すると、山ほど出てきてしまうので、車種で絞り込むのがオススメ

 Anycaの個人間カーシェアなら、テスラとかポルシェカイエンとか、もっと珍しい車種を貸している人もいる。そうした珍しい車種は料金も高く実用向きではないが、「多少高くても数時間試乗したい」というクルマ好きの人には面白いと思う。まぁ運転達者ではない筆者は、高級車には怖くて手が出せないけど。

EveryGoの「Honda e」。バックミラーがフルデジタルだったりと装備が先進的。軽自動車並みに小回りが利いて乗りやすい

 「Honda e」に関しては、ホンダ自身が提供するカーシェアサービスの「EveryGo」もオススメだ。EveryGoの中でも「Honda e」のステーションは数が少ないが、距離料金が発生しないので、中距離で使うならちょっと遠くのステーションでも使う価値がある。

 都市部に住んでいると、クルマに縁がなくなりがちだ。公共交通機関でたいていの用事が済むし、駐車場などの維持コストも考えると、クルマを持たない方がラクなことが多い。しかしクルマを持たないからこそ、カーシェアは使う価値がある。日常的にクルマを使うわけでなくても、家族の送り迎えに使いたいとか、郊外に買い物に行きたいとか、そういうときにカーシェアが使えると便利だ。

熱海や三島まで特急列車で行って、シェアカーを借りて伊豆ドライブ、とかができる

 クルマを持っている人にとっても、カーシェアは活用する価値があると思う。

 筆者は来年頭に郊外エリアに引っ越すにあたり、バッテリーEVの購入を検討している。それも「サクラ」と同スペックの兄弟車、「eKクロスEV」だ。「サクラ」も「eKクロスEV」も短い航続距離(WLTCで180km)が問題とされるが、遠出する際には、カーシェアを活用すればいいや、と思っている。

 カーシェアのステーションは、地方都市や観光地にもそこそこある。遠出をするときは、目的地近辺のステーションまで公共交通機関で行って、そこからカーシェアを使えば良い。公共交通機関の料金がかかるが、高速料金とガス代は節約できるし、長距離の高速道路運転をしないで済む。

 新居近辺はカーシェアのステーションがないのだが、それ以外のところで引き続きカーシェアにはお世話になりそうなので、今後もステーションの拡充や面白い車種の追加などを期待したい。