みんなのケータイ

皆既月食をうまく撮れなかったこととケース選びの話

 11月8日、世紀の天体ショーと言っても過言ではないビッグイベントがあった。皆既月食の最中に惑星食(天王星食)があるというのだ(正確には、「食」というより、「天王星の掩蔽(えんぺい)」という)。

 これは写真を撮らねばと、買ったばかりのiPhone 14を持って、近くの橋の上までいそいそと出かけて行った。

 が、Proでもなんでもない無印iPhoneだし、そもそもProだろうとiPhoneには絞りやシャッタースピードを調整するための「プロモード」と呼ばれるモードがない。デジタル5倍ズームで撮影しても「残念!」な写真写りとなってしまった。

食が始まってから15分後に、5倍ズームして撮影したもの。左下の欠けている様子がわかるものの、輪郭はぼんやりしている。あと、フレアが目立つ。
夜景はめちゃくちゃキレイに撮れますねっ!

 結局、一旦家に戻り、“ビッグなコンデジ”ことSONY DSC-RX10M4で仕切り直した。残念な結果になってしまったとはいえ、iPhoneのカメラで、何が得意で何が不得手なのかを、趣味を目的とした撮影で知ることができたのは、大収穫だ。これから来るイルミネーションシーズン(?)で、大活躍が期待できるからだ。

持ち歩くときの不安をケースで解消

 こんな具合に、なにかを見つけるごとにiPhoneを取り出しては撮影を楽しんでいるのだが、これはストレージ不足の解消と、安心できるケースなくしては成り立たないと考えている。

 前回も少し書いたのだが、旧機種のストレージは128GBしかなく、使用頻度の低いアプリがクラウドに追いやられてしまうほどだった。動画どころか、写真すら、気軽に撮影できなかったのだ。

 持ち歩き、ポケットから取り出し、気軽に使うには、万が一、落としても本体に影響が及ばないようにするため、筆者は「ケース装着必須」と考えているのだが、なかなか好みに合うケースが見つからない。Androidスマホと異なり、iPhoneは規格が統一されているから、本来であれば選び放題なのだが、せっかく数年ぶりに新しいiPhoneを手に入れたので、妥協したくないという、かなりわがままな理由のせいだ。

 一時期、ネタに走ってUNiCASEの「SHEEPY」を使っていたこともあるが、iPhone 6sからは、背面フリップ型の「RAKUNI」ケースを愛用していた。プラスチックカードをiPhoneと一緒に携帯できるラクさが心地よかったからだ。

iPhone 4sに装着していたUNiCASEのSHEEPY。かさばるものの、使い勝手が良かった
iPhone 6s時代からiPhone XS時代まで愛用していたRAKUNI

 新しいiPhone 14では、Apple Walletに交通系ICカードを入れておいたので、ケースにスリムなジャケットタイプを選んでも問題ない。なおかつ愛猫の写真が透けて見えるものがいい。旧機種で使っていたTPU素材の安価なケースだと、時間とともに黄ばんでしまって見栄えがよくないので、できれば背面はガラスタイプがいい。

 その条件に合うのが、Deff「Hybrid Clear Case Etanze Lite」だった。脱着しやすくするため側面がTPUなのは仕方ないとして、背面がすりガラス調の化学強化ガラス製。硬度は9Hで、MILスペック(MIL-STD-810H)にも準拠しているという。iPhoneを手に持っていることを忘れて落としがちな筆者にとって心強い仕様だ。

 Deffのジャケットタイプケースであれば、ディスプレイを保護する同社のガラスフィルムを使えるはずだ。なにかの企画でDeffのガラスフィルムとケースをレビューしたときに、「全く干渉しないんだなぁ」と感心した記憶があるし。

 そんなわけで、同じくDeffの「TOUGH GLASS」も取り寄せた。もちろん、「タフ」という言葉に惹かれてだ。

今回はDeffでそろえてみた。ケースは「Hybrid Clear Case Etanze Lite」、ガラスフィルムは「TOUGH GLASS」

 実を言うと、フィルム貼りが苦手だ。いつも「惜しい!」と言いたくなるほど、微妙にずれてしまうのだ。

 だが、TOUGH GLASSには「簡単貼り付けツール」が付属しており、あらかじめ、そのツールをiPhoneに嵌めておけば、苦もなくズレなく貼り付けられる。思わず「おぉ……」と感動の声が出てしまった。

 ケースの質感も予想以上に良かった。ともすると、指紋でギトギトになりがちなiPhoneのボディを、すりガラス調のサラサラ感でカバーしてくれるからだ。ひんぱんにiPhoneを拭かなくても、きれいな状態を保てるので人前で使うのが恥ずかしくなくなった。何より、チャンスがやってきたときに、即座に「うちの猫。かわいかろう?」と見せられるのがいい。

手触りサラサラですりガラス調の化学強化ガラス。強化されているとはいえ、曲げには弱いので着脱時に注意が必要だ

 ほかにも、バッグ内でぶつかった小物を削ってしまうiPhoneのレンズの不安をなくすレンズ部の高さや、展示会場内で手荷物が多いときに役立ちそうなストラップアダプターが付属しているのもいい。

iPhone 14のカメラレンズを保護するというより、ほかのものをiPhoneのレンズから守ってくれそうなレンズ部の高さ。見た目も気に入っている
iPhone本体とケースの間に挟み込むようにして使うストラップアダプター。見た目に反して、引っ張り強度は高い。側面にストラップホールがあるのもいい

 新しい端末を買ったときに、どのケースをつけようかと毎回悩むのだが、今回は、頑丈かつ手触りがよく、しかも背面に入れる写真を変えれば気分一新できるこのケースをしばらく使おうと思った。