みんなのケータイ

Wi-Fiのプライベートアドレスの設定に注意

 最近、映像の視聴はリアルタイムではなくビデオストリーミングサービスを利用することが増えているものの、配信されないものや配信が地上波での放送より数日遅れるものも少なくない。

 そのためどうしても一日でも早く見たい! という番組を中心に、以前からの習慣もあって筆者宅ではHDDレコーダーへ番組を録画しての視聴も多用している。

 HDDレコーダーの多くは、この10年くらいの間に発売した機種であれば外出先からの録画予約や録画番組の視聴に対応している機種が多い。

 筆者もこの機能を活用しスマートフォンから番組表をチェックし、そのまま気になる番組をサッと録画予約したり、録画が溜まってしまっているときは移動中の暇潰しに視聴している。

 そんな便利に活用しているスマートフォンとHDDレコーダーの連携機能だが、先日利用しようとしたところエラーで録画予約も番組視聴もできないトラブルに遭遇した。

 原因はスマートフォン側にあったため、今回はその原因を紹介したい。

スマホのアプリからだとエラーが出てしまう

 スマートフォンとHDDレコーダーの連携方法はメーカーによって多少の違いはあるが、

1. 対応アプリをスマートフォンにインストール
2. スマートフォンとHDDレコーダーを同一のLAN・Wi-Fiに接続
3. アプリからHDDレコーダーを検出、登録

 の手順で行える。

 設定を行えば対応アプリから現在の録画予約や録画番組の一覧を表示、変更や視聴が行えたりするのだが、すでに設定済みのスマートフォンで利用しようとしたところ「情報を取得できませんでした」とエラーメッセージが表示されてしまった。

 たとえば、こうしたHDDレコーダーとの連携機能には有効期限が存在している。

 特にスマートフォンから録画予約を行ったり、番組の録画を行うのは「新番組が多い時期」であり、ドラマやアニメなど3カ月毎に新番組に切り替わることを考えると、前回多用したのは6~7月頃。そこから使った記憶もなく、有効期限切れかと思い再設定を行った。

 結果としては再設定した直後は利用できたのだが、また数日してスマートフォンから視聴をしようとしたところ、エラーが出てしまった。

 こうしたエラーに対していくつか原因は思いつくのだが、今回に限ってはなぜか「そういえば!」と閃き、スマートフォン側の設定の見直しですんなりと再設定の必要もなく、視聴ができた。

 その原因が「Wi-Fiのプライベートアドレス」だ。

 スマートフォンには個々の機器を識別するIMEIやメーカーでのシリアル番号だけでなく、Wi-FiやBluetoothにも識別用のMACアドレスという番号が割り振られている。

 このMACアドレスをセキュリティの観点から、機器本来のMACアドレスとは別のアドレスとして、ネットワークに通知する機能がプライベートアドレスという設定だ。

 iPhoneであれば設定→Wi-Fi→接続中のSSIDの詳細と進んでいくと、プライベートアドレスの有効・無効のスイッチを確認することができる。

 予想通り、プライベートアドレスが有効になっていたので無効にしたところアプリ側やHDDレコーダー側の設定をやり直すことなく、スマートフォンから録画済の番組の視聴を行うことができた。

 なぜプライベートアドレスを無効にするとHDDレコーダーとの連携機能が利用できるようになったのか。

 理由はHDDレコーダーが「連携を許可した機器」の認識にMACアドレスを利用しているからだ。

 プライベートアドレスが有効になっていると、設定時にHDDレコーダーが認識したMACアドレスと現在のMACアドレスが異なるケースが出てくる。

 筆者はまさにこのケースに該当し、プライベートアドレスをオフにしたことで「設定時にHDDレコーダーが認識したMACアドレスでアクセスした」ので録画済の番組の視聴ができたというわけだ。

 HDDレコーダーに限らず、スマートフォンとネットワーク越しに連携する機器にはMACアドレスで設定済みかどうかを判断するものは多い。

 もし設定済の機器が使えないような場合や、これから新たに設定を行う場合には、一度Wi-Fiのプライベートアドレスの設定を確認してみるといいだろう。