みんなのケータイ

スマホのパートナーにぴったりなソニー「WF-1000X M4」で感じた「360 Reality Audio」の凄み

 先日、購入した「Leitz Phone 1」。せっかくのライカということで、撮影のために外に出歩きたいところだが、このご時世ということでなかなかそうも言ってられない。結局、自宅の中で使うことが多く、肝心のカメラ機能を持て余している感がある。

 「Leitz Phone 1」で動画や音楽などを聴き始めたが、やはりカメラ機能に注力しているせいか、スピーカー音に関してはかなり貧弱な印象だ。とはいえ、ハイエンド機種なので、ソニーのワイヤレスイヤフォン「WF-1000X M4」と組み合わせて使ってみることにした。

 これまでも、このソニーのワイヤレスイヤフォンシリーズを使い続けてきたが、「WF-1000X M4」はなんといっても、前モデルに比べてコンパクトになり、これまで以上に完成度が増したように感じる。

 特に気に入っているのがノイズキャンセル性能。電車のなかで使っていても、自然なノイズキャンセルのかかり方で、音楽に没頭できるのがいい。このシリーズ、何がいいかって、従来から備わっている「アダプティブサウンドコントロール」だ。

 ユーザーが止まっているのか、歩いているのか、走っているのか、乗り物に乗っているのかを判断。その状況に合わせたノイズキャンセルをかけてくれるのだ。

 また、地味に便利なのが、スピーク・トゥ・チャット機能。話し始めると15秒間、音が聞こえなくなるようになる。コンビニのレジでの支払時など、店員さんと会話することもあるため、イヤフォンを外すか、音を止めるかの動作が必要になるが、スピーク・トゥ・チャット機能があれば、開口一番「レジ袋、要ります(もしくは要りません)」と声をかければ15秒間、無音になる。とっさに店員さんに何かを話しかけられても、無音状態なのできちんと聞き取れる。この細やかな配慮が絶妙なのだ。

 「WF-1000X M4」で特に使いたかった機能が「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」。ソニーが開発したオブジェクトベースの立体音響技術だ。

 ボーカルや楽器などの音源に対して、ひとつひとつに位置情報をつけることで、リスナーは生演奏に包まれているかのような立体的な音を楽しむことができるというものだ。

 この体験は通常のヘッドフォンでも味わえるのだが、実はソニーが提供するヘッドフォンやイヤフォン、スピーカーと組み合わせると、さらに没入感が増すようになっている。

 実はこの技術、ソニーが開発中のころから何度か取材で体験させてもらっていた。本格的に立体的な音場を体験するには、実はリスナーの耳の形を分析するのが重要なのだが、開発当初は、グルグル曲がった針金を耳に突っ込まされて、耳の形を測定させられたりしていたのだった。

 それが開発を追うごとに進化し、WF-1000X M4では、ソニーのヘッドフォンアプリで、両耳をカメラで撮影。その画像データをクラウドで解析し、ユーザーに適したパラメーターを音楽再生アプリで読み込ませることで、リスナーに最適な音場を作り出すようになっている。

 実際にWF-1000X M4で360 Reality Audioを体験してみたが、まさにCESやソニー社屋で聞かせてもらった立体音響が見事に再現されているのであった。

 現状では360 Reality Audioを配信するサービスが限定的ではあるが、もっと扱う配信サービス会社が増えると、これまでとは違った音楽の楽しみ方が広がるのではないだろうか。