ドコモのメイン回線を「ahamo」に乗り換えたら、何か困ることがあるが検証してみた

　各社からオンライン専用の新ブランドが相次いで発表になり、まもなくサービスがスタートということで、なんだか落ち着かない春を迎えています。筆者は元来ものぐさな性格なので、料金プランの見直しとか、本当は面倒くさいしやりたくないんですが、新ブランドに追随するように楽天モバイルやサブブランド、MVNOも大幅に値下げをしているこの春だけは、とにかく一回は料金を見直してみないと損をする……と思って、重い腰を上げました。

　各キャリアに複数の回線契約があるため、見直さなければいけないプランは1つではないのですが、まずはドコモ回線を同社の新ブランドである「ahamo」に乗り換えたら、何か困ることがあるかをシミュレーションしてみました。

　このドコモ回線は昨年秋に「iPhone 12 Pro Max」へ機種変更したのを機に、5Gプランに乗り換え、今は使い放題の「5Gギガホ」8415円（税込、以下同）を契約しています。5分通話無料オプション770円とあわせて、月額料金はで9185円。家族3回線の「みんなドコモ割」で－1100円、dカード払いで－187円、キャンペーンの「5Gギガホ割」で－1100円が差し引かれて、実際の支払額は6798円です。

　ほかには「dマガジン」440円、1年間無料になるということで申し込んだ「disney+」770円（ギガプランとのセット割で－770円）、いわゆるキャリア決済である「spモード コンテンツ決済」で支払っているサービスがいくつかあるという感じです。

　「ahamo」に乗り換えると20GBまでという上限はできるものの、基本料金は2970円と実に3分の1近くになります。「みんなドコモ割」で割引はなくなりますが、家族の人数にはカウントしてもらえるので、ドコモを利用している家族の割引額が下がるといった迷惑はかけずに済みます。家族からこちらにかけてもらう分にはこれまで通りファミリー割引が適用されるので、通話料も無料のまま。逆にこちらからかける場合は有料になりますが、「ahamo」の基本料金には5分かけ放題の通話も含まれているので、その範囲内で賄えそうです。

　「ahamo」にするとdカード払いの割引きもなくなりますが、筆者はdカードGOLDなので、毎月300ポイントまでの制限はあるものの、「ahamo」でも利用額の10％のdポイントが受け取れますし、9月からはデータ容量が5GB増量されて、25GBまで使える特典も利用できるようです。さらに「ahamo」に乗り換えても、ドコモの継続利用年数は引き継がれるとのこと。筆者は15年以上のドコモユーザーなので、「dポイントクラブ」のステージはプラチナ。ポイントが貯まりやすくなっているのですが、このステージも今のまま維持できます。

　「dマガジン」はｄアカウントさえあれば、ドコモ以外のユーザーも使えるキャリアフリーのサービスなので、支払い方法は変更する必要があるかもしれませんが、引き続き利用できます。また「spモード コンテンツ決済」は「ahamo」では使えないので、今キャリア決済で利用しているサービスも、支払い方法を変更する必要があります。ガラケー時代から愛用している乗り換え検索とか、グルメサイトとか、アーティストのファンクラブとか……。キャリア払いにしているサービスはそれなりにあるので、この切り替え手続きはちょっと面倒な作業になりそう。しかしここは、月々無駄に支払っているサービスを見直す良い機会だと、前向きにとらえることにします。

　ちなみに筆者はもうキャリアメールはほとんど使っていないのですが、キャリア払いで、かつキャリアメールで登録しているサービスがある場合は、キャリアメールが使えない「ahamo」に乗り換えてしまうと、いろいろと手続きがややこしいことになるかも。乗り換えるなら、登録メールアドレスの変更や支払い方法の変更手続きは、早めに済ませておいた方が良さそうです。

　問題は、1年間無料だからと申し込んだ「disney+」。「ahamo」に乗り換えた時点でセット割の特典が受けられなくなってしまうので、利用を続けるなら月額770円の出費になります。まだ見たいコンテンツがたくさんあるので、これは悩ましいところ。一方で、ドコモのギガプランの特典として提供されている「Amazonプライム1年無料」（4900円）は、一度登録手続きをして特典を適用してしまえば、新プランに乗り換え後も取り消されることはありません。

　そもそも筆者が使い放題の「5Gギガホ」にしたのは、テザリングをがんがん使いたかったから。「ahamo」でもテザリングは無料ですが、20GBまでです。今は外出の機会も少ないので問題ないですが、今後、外で仕事をすることが増えれば、ひょっとしたら足りなくなることもあるかもしれません。その点は、24時間使い放題のオプションが選べる「povo」がいいですね。

　一方で「ahamo」ではオプション料金なしで、国際ローミングが利用できます。これまで海外出張時には、現地でSIMを購入するか、「パケットパック海外オプション」（980円／24時間）を利用していました。「パケットパック海外オプション」は200以上の国・地域で利用できるのに対し、「ahamo」の国際ローミングがカバーするのは82の国・地域。まぁよほどマニアックな場所でなければ大丈夫……というか、そもそも次にいつ海外に行けるかもわからない状況なので、これは今考えても仕方ないですね。

　端末は「iPhone 12 Pro Max」がそのまま使えるので問題ないですし、割賦払いも補償の「AppleCare+ for iPhone」も継続できるので安心。もちろんオンライン専用プランなので、ドコモショップや電話でのサポートは利用できなくなりますが、今までもほぼオンラインで手続きをしてきたので、そこは問題ないでしょう。筆者の場合「ahamo」に乗り換えても、どうやらあまり困ることはなさそうです。

　というわけで、申し込みをすることにしたのですが、その前に一応、今の契約内容を再度チェックしておこうと「My docomo」にアクセスしたら、ひとつ大きな見落としがあったことに気づきました。それが「マルチナンバー」です。

　筆者はiPhoneと一緒に、Apple Watchのセルラーモデルも使用していて、iPhoneとApple Watchで同じ電話番号の着信を受けられるように、「マルチナンバー」550円を契約していたのです。そして「ahamo」は残念ながら、このサービスに非対応。乗り換えた時点で、Apple Watchは単独では通信ができなくなってしまいます。以前、この「みんなのケータイ」にも書いたように、筆者にはスマホを忘れたときにApple Watchに救われた経験があるので、「マルチナンバー」が使えなくなるのは困ります。どうやらApple Watchのためには、「ahamo」への乗り換えを諦めざるを得ないようです。