みんなのケータイ

料金プラン、端末ラインナップ、そして「補償」の悩ましい関係

【Pixel 5】

 2021年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。国内での5G通信サービス開始からまもなく2年目を迎える訳ですが、果たしてどのように機能が進化し、その先の体験がどう向上するのか。ますます楽しみな1年となりそうです。

年始早々から不吉で申し訳ありませんが、高価なスマホ、やっぱり壊したくはないですよね(画像はイメージです)

 携帯電話の料金については、今後も色々と動いていくのでしょう。政府主導の、極めて性急な値下げキャンペーン(?)については正直疑問を感じるところですが、これもまぁ民主主義の試練。焦らず地道に、手の届くところでまずは頑張っていきたいです。

 さて「ahamo」を筆頭に、各キャリアが新料金プランを相次いで発表していますが、それと同じくらい気になっているのが端末戦略です。個人的には、ハイエンド、ないしミドルハイと呼ばれるような高性能端末が好みなのですが、いわゆるサブブランド的なキャリアはミドルレンジ帯のスマホを中心に販売しています。買いたくてもそもそも売っていません。

 「キャリアからじゃなく、SIMフリー端末を買えばいいじゃん」と言われそうですが、すると今度は端末にトラブルが発生した場合の保証が心配なんです。たとえば2020年初頭に「Pixel 4」をGoogleストア経由で買ったのですが、当時のお値段が8万9980円。もし落下させて画面が割れたり、どこかで紛失してしまったら……。出費は最低でも2万円を下りません。

 アップル製品だと「AppleCare+ 盗難・紛失プラン」があるので、自損故障や紛失の面では比較的安心です。シャープもこのほど、自社SIMフリー端末向けの補償サービスを開始しました。

 しかし、Googleをはじめ多くの国内向けSIMフリー端末には、メーカーによるそうした有償保険的な設定はないようです。ファーウェイの「安心保証」は落下や水濡れによる故障には対応してくれるものの、盗難・紛失についてはサポート外です。

 筆者が現在使っている「Pixel 5」は、auが取り扱うバージョンなので、月額660円の「故障紛失サポート」に加入できています。少なくとも次の1回だけは画面割れだろうが盗難だろうが2000円の負担で原状回復が可能。ノートラブルでも年7920円払うことになりますが、これならなんとか許容できる範囲だと思います。

auの「故障紛失サポート」。5G端末契約者は月額660円で加入できる

 携帯電話のMNPを巡っては「キャリアメールのアドレスを引き継げないからMNP利用が進まないのでは?」といった議論も一時ありました。ここ数年でキャリア端末のSIMロック解除対応はグッと向上しましたが、しかしユーザーの日常利用動態にまで引きつけて考えてみると、有償保証の存在、つまり「今使っている端末をSIMロック解除してさらにMNPすると、補償サービスを受けられなくなる」という不安もまた、一定の引き留め策になっていたように思います。まさにMNP版の非関税障壁とでも申しましょうか。

 このブレイクスルーになるのは一体何か。個人的には、サブブランドやMVNO各社が端末ラインナップをハイエンド端末にも広げて、端末補償プランをセット売りするのが一番良いと思いますが、キャリアと直接関係のない保険会社がよりサービスを強化するという道もあるでしょう。

 もしかすると5G端末の主流は、ミドルレンジ・ミドルプライスになるのかもしれません。そうした中でハイエンド端末を光り輝く存在とするためにも、ぜひ各社には知恵を絞っていたたきたいです。

料金プランだけを重視せず、トータルでの買いやすさ、安心感にも気を配りたいものです