みんなのケータイ
GoogleのAIパワーを実感できるのがPixelシリーズの魅力です
Google Pixel 5
2020年11月12日 06:00
「Google Pixel 5」を使い始めました。5G対応に加えて超広角撮影ができるようになったり、マスク必須の今は特に有り難い指紋認証の復活など、前モデルに比べて気に入っているポイントはいくつかあるのですが、Pixelシリーズの最大の魅力はなんと言っても、優秀なGoogleのAIを日常的に使えることだと思います。
音声操作ができるGoogleアシスタントや、カメラに写ったものをいろいろと検索できるGoogleレンズは、もちろんほかのAndroidスマートフォンでも使えますが、Pixelシリーズではそれらがよりしっかりと端末と一体になっています。
たとえば画面下の左右のコーナーから斜め上にスワイプすると、Googleアシスタントが起動するのですが、音声でスマホのいろいろな操作ができます。
「〇〇に電話をかけて(メールを送って)」は当然として、「セルフィーで写真を撮って」とか、「スクリーンショットを撮って」とか、「機内モードをオンにして」とか。最後のはうっかりオンにするとGoogleアシスタントも使えなくなるので、要注意ですが。
カメラを看板など文字が入ったものに向けると、「レンズ内で翻訳」などGoogleレンズの機能がサジェスチョンされますし、撮影した写真からもワンタップでGoogleレンズによる検索ができます。紹介したGoogleアシスタントの機能はAndroidの最新バージョンにアップデートされていれば、ほかのスマホでもできるかもしれませんが、できることが増えたときにそれをいち早く使えるのはPixelシリーズならではです。
またカメラにも、GoogleのAIはいろいろと活用されています。たとえば一般にポートレートモードでは機械学習を使って画像解析し、人物などフォーカスしたい被写体を判断。瞬時に背景と区別して、背景だけをぼかすといった処理が行われています。
この被写体を判断するのは結構難しいようで、髪の毛とか、飲み物のストローのような細かいものは背景だと判断されて、一緒にぼけてしまうということがよく起こります。しかしこの画像解析においてGoogleのAIはかなり優秀で、ストローが背景に溶けることもほかのスマホほどは起こりません。
最近のスマホで逆光なのに顔が暗くならないとか、夜景モードなどで暗い場所で明るく撮れるのも、バックグラウンドで複数枚の写真を撮影して、瞬時に合成している(いわゆる「Computational Photography」ってやつです)からですが、そういったいろいろな場面で優秀なGoogleのAIが使えるのは、Pixelシリーズのカメラの大きな強みだと思います。
AIを使ったPixel独自のおもしろい撮影機能もあります。中でも筆者のイチオシは「360°写真」。これは画面に表示される案内に従って風景を360度分撮影し、それをAIを使って合成して、あたかも360度カメラで撮ったかのような写真が残せるというもの。360度カメラを持っていなくても360度写真が撮れます。
さらにこの「360°写真」がいいなと思うのは、同行者を写さずに撮れること。360度カメラでは一瞬で風景を記録するため、同行者は隠れようがありません。カメラを持っている自分は、自動画像処理によって消せたりもしますが、同行者は死角にでもいない限り必ず写ってしまいます。
一方、スマホを少しずつ動かしながら360度を撮る「360°写真」は手間はかかりますが、同行者がスマホの動きにあわせて移動すれば写らずに済みます。誰も写ってない360度写真も撮れるので、風景だけを記録したいといったときに便利です。
「Google Pixel 5」にはこのほか、やはりAIを使って動画の手ぶれを抑え、かつスローモーションのような効果を加えることで、映画のワンシーンみたいな動きの映像が撮れる「シネマティック撮影」という機能も追加されています。スマホを手に持って動画を撮りながら歩くだけで、カメラドリーを使って撮影した映画のような動画が撮れるというもの。このようにAIのパワーによって、「スマホでこんなのが撮れるのか、すごいな」と思わせてくれるのが、Pixelシリーズの魅力だと思うのです。