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ドコモの5Gは地方でも使えるのか

【Galaxy S20 5G SC-51A】

 5Gが始まった当初は、しばらくは5Gでつながる場所はほとんど無いだろうと思い込んでいたのですが、最近はだんだんと山手線などの主要駅の周辺が5Gエリア化され、そんなこともなくなってきた様子です。電車に乗っているだけで5Gのおこぼれ電波を拾う機会が多くなり、予想以上に5Gのピクト表示を確認できるようになりました。

 ドコモの公開している5Gエリアはエリアというよりスポットだ、ということは当初より言われており、ドコモショップを「5Gエリアです」と言ってしまうことについても、「実質Wi-Fiスポットと変わらないのではないか」など賛否両論ある様子です。ただ、これによって全都道府県で最低1カ所は5Gが使えるようになっているため、地方でも5Gを体験しやすい状況にはなっているのではないでしょうか。

 以前、本コーナーで都内2カ所の5Gの通信速度を紹介しましたが、今回は地方をピックアップしたいと思います。筆者がこれまで訪れた5Gスポットのうち、富山県の商業施設「ファボーレ」と沖縄県の那覇空港の2カ所でスピードテストをしてみた結果をご紹介します。

富山県富山市の「ファボーレ」。名前が特徴的なため隠れたファンも多い場所なのですが、ここでも5Gが使えるというのは意外でした

 富山県ではドコモショップのほか商業施設など数店舗が5Gエリア化されており、ファボーレでは「太陽の広場」で利用できます。屋内の5Gスポットは基地局を目視で確認できないことが大半で、今回も例外ではありませんでした。

 電波強度を確認しながら、なんとか5Gでの通信を維持できる場所を見つけ、スピードテストを行うと1Gbps近い結果に。

実際に計測してみると予想以上に速く、一時は1Gbpsを超えることもあったほど

 この場所はスーパーマーケットが隣接し、訪問時は催事が行われ、その場にいる人数もかなり多い状況。これでは電波の独占状態を期待できないため、あまり良い結果にはならないだろうと思っていたのですが、この結果には驚きです。

意外と通信が安定していて、eLTEでの待ち受け状態の直後でなければ700Mbps以上は出る様子だった

 沖縄県では那覇空港のほか、美ら海水族館や国際通りといった主要な観光施設も5Gエリア化されています。那覇空港では2階の出発ロビー周辺で利用できるとのことなのですが、訪問時はこの場所で電波を確認できず、3階のチェックインロビーで5Gでの通信を確認できました。

5Gの電波を見つけられず一瞬は断念するところでしたが、吹き抜けが多い構造のためかエリア一覧に書かれていない場所で5Gにつながりました
ちなみに国際線側は閉鎖状態です

 館内で基地局のようなものは確認できず、電波強度から基地局の場所の目星をつけようにもほとんど変化がなかったため、比較的安定して通信できる場所をなんとか見つけてスピードテストを実施したところ、約150Mbpsほどという結果に。同じ場所でLTEで通信した場合よりは速い結果となりましたが、感動はあまり大きくありません。

LTEで通信した時よりは速いものの、感動的な結果にはならなかった

 筆者の訪問時は空港到着後に市中に出ることなく数時間で引き返すという奇異な行程で那覇空港を訪れたため、那覇空港以外の5Gはまた試しに行きたいところです。

 5GではLTEと比べて電波の直進性が強くなるため、周囲の環境によって性能が左右されやすくなるというのもエリア展開の課題のひとつとなっています。基地局を確認できない環境でも、屋外・屋内問わず5Gらしい速度で満足に通信できるようになってくれればありがたいのですが、さまざまな事情で解決はまだ難しいようです。とはいえ、都心部であれば少しずつ使える場所が増えてきているようにも感じられるので、5Gで通信できる場所がこれからもどんどん増えてくれることを楽しみにしています。あと、そろそろエリアマップも見たいですね。