みんなのケータイ

海外渡航時の予備回線として重宝しそうな「変なSIM」

【HUAWEI P20 Pro】

 僕は現在、ドコモ契約の「HUAWEI P20 Pro HW-01K」と、ソフトバンク契約の「iPhone X」を使っています。しかし、海外渡航時は、データ通信料を安く抑えるために、SIMフリースマホを使うことが多いです。2枚のSIMを挿せて、同時に使える“DSDS”の便利さは、一度体験すると手放せなくなりますよね。

 僕は、仕事で必要なこともあり、そこそこの台数のSIMフリースマホを持っています。まだまだ現役で使える端末も10台くらいあるのではないかと思います。そのなかで、海外渡航時に使うことが多いのが「HUAWEI Mate10 Pro」や「HUAWEI P20 Pro」のグローバル版です。後者は技適マークがないので、日本国内では、ほぼカメラとしてしか使えませんが、海外では地図を見たり、撮った写真をインスタにあげたりと、フル活用しています。ドコモ版のHW-01KからドコモのSIMを抜き出して、グローバル版のP20 Proに挿して、さらに現地のSIMを挿せば、日本からの着信にも応対でき、なおかつ渡航先での通話・通信料を節約できるわけです。そもそも同じ機種ですし、操作性も同じなので、すんなり切り替えられます。

ドコモ版のHUAWEI P20 Pro HW-01Kは、SIMが1枚しか挿せない。たとえ、SIMロックを解除しても、DSDSにはならないのは残念
グローバル版のHUAWEI P20 Proは、nano SIMを2枚挿せて、同時利用が可能。ただし、日本ではSIMフリー版は販売されていない

 海外で使うSIMは、現地に到着してから買ったり、事前にAmazonで買っておいたりと、行き先によってまちまちなのですが、いつも心配になります。現地でちゃんと入手できるのか? 自力で設定できるのか? もし、ネットにつながらなかったら……と、何度経験しても不安は拭えません。

筆者が購入したのはSIMカードの上に貼り付けて、切り替えて使えるタイプ

 そこで、今年の夏から“お試し”的に使っているのが、H.I.S.モバイルの「変なSIM」です。本誌の読者には、あらためて説明するまでもないと思いますが、一度購入したら何度でも使えて、渡航先と日数を指定して、500円/24時間のプランを購入する仕組みです。

 最初に使ったのは、7月にサンフランシスコに旅行した時。「変なSIM」は高速通信が使えるのは1日に200MBまでという制約があるものの、アメリカのプリペイドSIMはそれなりの値段なので、「変なSIM」はお得に思えました。とは言え、僕はソフトバンクのiPhone Xを使っているので、アメリカでは「アメリカ放題」が適用されます。なので、「変なSIM」はあくまでも“予備”として使いました。200MBは、移動中に地図などを見ていたら、あっという間に達します。メイン回線としては心細いですが、普段AndroidとiPhoneを併用している自分にとっては、1日わずか500円でAndroidも使える環境を維持できることは心強かったです。

 その時は、「変なSIM」のサービスイン直後だったこともあり、専用アプリをGoogle Playからダウンロードできなかったり、アプリが説明書の通りには操作できなかったりといったトラブルはあったのですが、何度か再起動を繰り返して、説明書の「インターネットが接続できない時は」という案内に従って、手動でAPN設定を行うことで、接続させることができました。つながったあとは、満足がいく速度で使えたと記憶しています。

サンフランシスコ旅行ではHUAWEI Mate 10 Proで使用。日本でプランを購入し、飛行機内で「変なSIM」に切り替えて、到着後に「このプランを使う」をタップする、という流れなのだが、SIMの切り替えボタンが表示されないというトラブルに見舞われた
滞在中にスピードテストアプリで測定した結果

 次に「変なSIM」を起動したのは、IFA 2018の取材のためにベルリンに向かったとき。あらかじめヨーロッパの複数国で使えるSIMを買っていたのですが、「変なSIM」の使い勝手を確かめるために、経由地のブリュッセルで使ってみました。ベルギーで1日だけ使うプランを購入し、空港に着いてからSIMを切り替えて、プランを有効化したと記憶しています。はっきり覚えていないほど、すんなり使えたということです。

 「変なSIM」のいいところは、スマホに挿しっぱなしにしておけること。「1日200MBでは足りない」という人でも、現地に到着し、SIMを購入するまでの“つなぎ”として使うことができるでしょう。個人的には、飛行機の乗り継ぎ時に役立つように感じています。空港は無料Wi-Fiを利用できることが多いですが、速度が遅かったり、時間制限があったりすることも。そして、予期せぬ遅延が長引いて……ということも。

 ただ、「変なSIM」を購入して、ひとつ後悔していることがあります。それは、貼るタイプのSIMを買ってしまったことです。「変なSIM」に、貼るタイプと通常のプラスチックカードタイプがあります。貼るタイプは、自分が普段使っているSIMに貼り付けて、2つのSIMを切り替えて使う仕組みになっています。SIMを1枚しか挿せない端末では便利ですが、2枚挿せる端末では、せっかくのDSDSが生かせなくなります。本来は「SIM 1」と「SIM 2」に分けて使えるものが、「SIM 1」(または「SIM 2」)に2枚が一体化したSIMをセットし、2枚のどちらを有効にするという排他利用になるからです。

 僕は、実際には通常タイプの「変なSIM」を使ったことがないので、そっちのほうが便利だとは断言できないのですが、購入を考えている人には、慎重な検討をおすすめします。

※編集部注:「変なSIM」ではiOSアプリが起動できない不具合が発生しているため、iPhone/iPadのユーザーはご注意ください(関連記事)。

オンラインショップで最新モデルの情報をチェック
docomoauSoftBank