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iPad(第6世代)がコスパ良すぎなので買い時だとオススメしたい

【iPad(第6世代)】

iPad(第6世代)

 新しいiPadを購入した。2018年3月発売のiPad(第6世代)とも呼ばれるモデルで、昨年発売のiPad(第5世代)同様の「スペックは最新・最先端じゃないけど、その分やや廉価」という位置づけのまま、プロセッサー強化とApple Pencil対応がなされた。

 本コーナーでも何度か紹介しているが、筆者は仕事で必要なこともあり、iPadは新モデルが出るたびに買い足している(一部モデル除く)。そして古いiPadも必要に応じて手元に残し、モデルごとの特性に応じて使い分けをしている。そうした使い分けをしている中でも、今回の新モデルは使い勝手が良く、そのわりには手頃な価格なので、非常にオススメしやすいモデルだと感じている。

 たとえば12.9インチiPad Proは仕事用デスク上の専用機としている。画面が大きいので細かい作業や動画視聴に最適なのだが、タブレットの基本スタイルとも言える「片手で掴んでもう一方の手でタッチ」にはやや大きすぎるサイズ感なので、外出時どころか家の中で持ち歩く用途にも使っていない。書籍制作の校正作業など、専門的な業務用途ではほかにない使い勝手があり重宝するのだが、正直なところ、個人用途ではあまりオススメできない。

画面サイズを比較すると、12.9インチiPad Proの短辺がiPad(第6世代)の長辺とほぼ同等と、かなり大きな差がある
iPad mini 4とiPad(第6世代)の差は、12.9インチiPad Proほどではないが、しかし大きな差である

 iPad mini 4も活用している。片手で掴んで使いやすく、かつ電子コミックやWebなども見やすいサイズ感なので、いろいろな用途・場面で活躍している。しかし、iPad mini 4は現行モデルでもあるのだが、発売は2015年秋とやや古く、将来的なiOSアップデートでほかの現行モデルよりも先に足切りされると予想されるので、今からiPad mini 4を買うのは個人的にはオススメしにくい。

10.5インチiPad Pro(左)とiPad(第6世代)。ここはそこまで大きさに差はない

 我が家の主力タブレットは、10.5インチiPad Proだ。家の内外のいろいろな場所で、テキストメモ入力や動画視聴など仕事にも遊びにも、あらゆる用途に使っている。Smart Keyboardによる文字入力のしやすさ、ステレオスピーカー内蔵による動画視聴時の音の良さはiPad Proならではの長所だが、それ以外の面ではiPad(第6世代)と大差がないとも感じている。

 iPad(第6世代)と10.5インチiPad Proを細かく比較すると、プロセッサー世代は同じだが、性能は微妙に10.5インチiPad Proの方が上で、プロセッサーのコア数とシステムメモリー容量に差がある。この差は、アプリのマルチタスクや大きな画像処理などに影響が出る。しかしWeb閲覧や動画視聴、電子コミックなど、iPadの普段使いでは、ほぼ差は感じられない。GPU性能の差は大きいが、その差が顕著になるアプリは現時点では少なく、映像処理を業務で使うとかでない限り、iPad(第6世代)でも十分だ。

iPad(第6世代)のCPUベンチスコア。コア数は2個、システムメモリーは1.93GB。クロックは差がないのでシングルコアスコアは大差がない
10.5インチiPad ProのCPUベンチスコア。コア数は3個、システムメモリーは3.91GB。コア数の差がマルチコアのスコアの差となっている

 10.5インチiPad Proに比べるとディスプレイの面積・解像度は15%ほど小さいが、iPad(第6世代)の9.7インチでもA4のフルカラー雑誌の1ページ表示、コミックの見開き表示に十分だ。動画でも小さいと感じることはなく、Webもページによってはむしろ画面が大きすぎると感じるくらいである。解像度が高いので、フルHD以下のタブレットや格安ノートパソコンに比べると、電子書籍も動画もWebも綺麗に見やすく表示できる。

iPad(第6世代)はベゼルを掴めば片手で持てるサイズ感・重さだ

 ただ、狭額縁と薄型化のおかげで、10.5インチiPad ProとiPad(第6世代)のサイズ感は近く、重さはほぼ同じとなっている。実は内蔵バッテリー容量を見ると、10.5インチiPad Proの30.4Wh(3.8V換算で8000mAh)よりiPad(第6世代)の32.4Wh(3.8V換算で8526mAh)の方が大きい。ディスプレイの重量差をバッテリーの重量差が打ち消しているのだろう。ちなみにカタログスペック上の連続利用時間は同等。これはiPad Proが電力効率の良い高価なディスプレイパネル(たとえばシャープのIGZOのような)を使っているためと思われる。

 最安のWi-Fiモデルで比較すると、iPad(第6世代)は32GBで3万7800円に対し、10.5インチiPad Proは64GBで6万9800円と、その価格差は3万2000円で倍近い。Web閲覧や動画視聴、電子書籍などの一般的な用途であればiPad(第6世代)でも問題ないので、Smart KeyboardやハイスペックGPU、高品質ディスプレイにこだわりがない限り、iPad(第6世代)を選んで間違いはないと思う。

 古いモデルからの買い換えならば、iOSのアップデートができない古いモデル(2012年以前のモデル)はもちろん、iPad AirやiPad mini 2/3からも使い勝手に影響があるくらいプロセッサーが高性能化しているので、iPad(第6世代)への買い換えはオススメできる。しかしスペック的に十分なiPad Air 2からの買い換えは、我慢できそうなら次の世代かその次まで待っても良いとは思う。

iPad(第5世代)のCPUベンチスコア。第6世代と使い比べて見て、体感できる差はないが、スコア上はそこそこの差となっている
iPad mini 2のCPUベンチスコア。まだiOS 11対応だが、そろそろ厳しいスペックである。この世代はメモリが少なく、Touch IDもないのでちょっとツライ
第6世代(下)と第5世代(上)は外見上、区別が付かない。Apple Pencil対応でパネルが変わってると思うのだが、重さもグラム単位で同じ。ジャケットケースなどはほぼ流用できるハズだ

 iPad(第6世代)はコストパフォーマンスが良い。上位モデルのiPad Proと比較しても実用上は問題ないスペックで、価格は半分にも近く、ついでにApple Pencilにも対応している。iPadシリーズのスタンダードモデルにして傑作モデルだ。初めてのiPadとしても、古いモデルからの買い換えにも、家族のための買い増しでも、幅広くオススメできる。

 iPad(第6世代)は廉価モデルとは言っても、iPadの品質は保っている。同価格の他社タブレットに比べても、コストパフォーマンスは十分だ。Windows/Androidが必要な事情がなければ、今タブレットを選ぶとき、iPad(第6世代)は選択肢に入れておくべきモデルと言えるだろう。

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