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我慢をしなくていい優等生なSIMロックフリー端末「HTC U11」

【HTC U11】

HTC U11

 前回の原稿を提出したちょうどその日に届いたHTC U11。この原稿を執筆するまでの約1カ月ほど毎日のように使ったHTC U11の印象は、独創的な個性はないけれど不満もない、とても優等生な存在です。

 見た目は切り欠き液晶もない普通のスマートフォンで、カメラも一眼、セキュリティもすっかり普及した指紋認証のみで顔認証や虹彩認証のような特徴的な機能はありません。けれど基本スペックが非常に高く、機能も必要十分なものが揃っているため、何かを我慢するということがなくとても快適です。

 前回、HTC U11よりも若干スペックの劣るSnapdragon 600番台を搭載していたHTC U11 lifeを見て若干の動揺を覚えた筆者ですが、実際に使用してみると、Snapdragon 600番台を搭載していたZenFone 3よりも操作感は圧倒的に上。ZenFone 3も決して不満はなかったのですが、Snapdragon 835を搭載したHTC U11のサクサク感は、もうZenFone 3には戻れないくらいの満足度です。

 4GBメモリのおかげでアプリを多数起動してももたつくことはなく、64GBの大容量ストレージは、大容量アプリも気にせずインストールできます。といっても写真をたくさん撮ると64GBでも物足りなくなってきますが、128GBのmicroSDカードを装着してカメラの写真はすべてSDカードに保存することでこちらも容量が気にならなくなりました。以前のAndroidはSDカードに写真を保存すると記録や読み込みがもたつくこともありましたが、最新のスマートフォンではそんな心配もありません。

 カメラは評判通り起動も早く画質もいい。オートで撮影するだけでも十分な写真が撮れますし、プロモードに切り替えればISOや露出補正、ホワイトバランスも細かく設定できます。夜などの暗い場所にもとても強く、少しの明かりでも十分な撮影ができました。

作例1
作例2
作例3
作例3

 HTC U11を選んだ一番の理由であるFeliCaは、ここぞとばかりに手持ちの電子マネーやポイントカードをすべて設定。ちょっとした買い物やお出かけならスマホ1台あれば十分という手軽さは本当に魅力的です。ただ、残念なことに愛用していた電子マネー「iD」は、なぜかNTTドコモの「dカード」だけ設定できないという仕様(※参考)のため使うことができていません。dカード以外のクレジットカードならiDを設定できるというという不思議な現象が起きており、同じドコモのサービスだけ使えないというのがとても残念。

 HTC U11の数少ない個性とも言えるエッジ・センスは、本体の両側を強く握ると特定の機能が起動するという仕組み。賛否両論ある機能ですが個人的にはとても便利で、本体をちょっと強めに握るだけでカメラを起動できるので、さっと写真を撮りたいときに重宝しています。エッジ・センスは他にもカスタマイズでいろいろと便利に使えるのですが、このあたりは別の機会にエッジ・センス単体でまとめてみたいと思います。

FeliCa関連アプリを片っ端から設定。dカードでiDが使えないのが悩み
握って特定の機能を呼び出せるエッジ・センス
綺麗だけど指紋が目立つソーラーレッド

 HTC U11 SIMロックフリーモデルならではのソーラーレッドはとても綺麗なのですが、指紋がつきやすいためカバーにいれて使っており、その結果としてせっかくの綺麗さが日常の中であまり実感できておりません。また、これはケースにもよりますがHTC U11の上下デザインがよく似ているため、指紋センサーを持とうとしてスピーカー部を握ってしまう、ということがちょこちょこ起きていますが、1カ月ほど使うとだいぶ上下の違いにも慣れてきました。

 若干の難点はバッテリーで、高解像度のディスプレイを搭載していることもあってZenFone 3よりはバッテリー消費が早く、あまり使わなければ1日、そこそこ操作をしていると1日持たないくらいのバッテリー持ちです。とはいえ最近は常にモバイルバッテリーも持ち歩いており、充電速度自体はとても早いのでそこまで気になってはいません。

 今までMVNOやSIMロックフリーの端末は、キャリアモデルに比べて我慢する要素が多かったのですが、FeliCaを搭載したハイスペックモデルの登場により、MVNOでもキャリアモデルと変わらない使い勝手が実現できるようになりました(HTC U11はキャリア向けにも提供されているので当然といえば当然ですが)。久々のハイスペックAndroidスマートフォン、しばらくいろいろといじり倒してみたいと思っています。