みんなのケータイ

SIMカードのサイズを交換

【Moto Z】

 各携帯電話会社やMVNO各社と回線を契約する上で、欠かせないのがSIMカード。思い返せば、FOMAサービスが開始されたとき、「FOMAカード」と呼ばれる標準サイズのSIMカードを本格的に使い始め、その後はひと回り小さい「microSIM」が主流になり、iPhoneの登場で「nanoSIM」も使われるようになってきた。

 AndroidスマートフォンのSIMフリー端末ではmicroSIM対応の製品が主流だったが、昨年あたりからnanoSIM対応が増えてきている。なかにはnanoSIM/microSIMのデュアルSIM、nanoSIM×2スロットのデュアルSIMのものも増えてきている。

 ちょっとユニークなのが昨年8月に連載でも取り上げたモトローラのMoto G4 Plusで、microSIM対応デュアルSIMスロットを採用しているが、純正のSIMカードアダプターが提供されていて、nanoSIMをmicroSIMサイズのスロットに挿すことができた。昨年末からはMotoMods対応の超薄型スマートフォン「Moto Z」を使い始めたが、こちらは同時期に発売された「Moto Z Play」と共に、nanoSIM対応になっている。その他のメーカーでは、ファーウェイやASUSといったメーカーのSIMフリー端末も昨年半ばあたりからnanoSIMサイズを採用する機種が増えてきている。

Moto Zでは先端部から着脱できるトレイにSIMカードを装着する。トレイにはめ込むため、microSDメモリーカードとSIMカードが落ちにくいのはうれしい
Moto ZはnanoSIMのデュアルSIMに対応し、デュアルスタンバイも利用可能。2枚目のSIMカードはmicroSDメモリーカードと排他利用。兄弟モデルの「Moto Z Play」は2枚のnanoSIMとmicroSDカードを同時利用可能

 こういう状況になると、契約中のMVNO各社のSIMカードがmicroSIMの場合は、順次、nanoSIMに切り替えていくことを検討した方が良さそうだ。ただ、筆者のような仕事では旧機種の確認も含め、microSIMを使うこともあるので、すべてを切り替えるのではなく、microSIMは数枚を残して、その他をnanoSIMに切り替えることにした。

 携帯電話各社で契約しているときは、機種変更の際、購入した機種の対応するSIMカードのサイズが違っていると、基本的には無償でSIMカードが交換された。これに対し、SIMフリー端末とMVNO各社と契約する環境では、端末購入と回線契約が分離されていることもあり、端末の購入などには関係なく、SIMカードのサイズを変更したいときは再発行を依頼する必要があり、そのための費用も別途、請求される。また、各携帯電話会社の場合はキャリアショップでの手続きが中心だが、MVNO各社はショップを展開しているところが少なく、店舗数も多くないため、オンラインなどのサポートから手続きをする方法が一般的だ。

 仕事柄、複数のMVNOと契約はしているが、せっかくなので、代表的なMVNO各社のSIMカード交換についての費用と手続きなどの対応状況をまとめてみた。

サービス名費用手順
IIJmio(タイプD)2000円会員専用ページで申込。準備完了後、旧SIMカード停止
IIJmio(タイプA)2000円マルチSIMのため、会員専用ページで再発行を申込。準備完了後、旧SIMカード停止
OCN モバイル ONE3000円カスタマーズフロントに電話
楽天モバイル3000円メンバーステーションで問い合わせ後、メールで手続き
mineo(Aプラン)2000円mineoマイページで申し込み。新カード到着後、回線切替手続き
mineo(Dプラン)2000円mineoマイページで申込。申込後、旧SIMカード通信不可
BIGLOBE3000円オンラインサポートで申込。申込後、旧SIMカード停止
NifMo3000円会員サポートから申込
FREETEL2000円マイページで申込。準備完了後、旧SIMカード停止
LINEモバイル3000円マイページで申込。申込後、旧SIMカード停止
nuroモバイル3000円So-net SIMサービス サポートに電話で申込
UQ mobile3000円UQお客様サポートに電話で申込。新SIMカード到着後、my UQ mobileで回線切替手続き
イオンモバイル3000円イオンモバイルお客さまセンターに電話で申込。申込後、旧SIMカード停止

※費用はいずれも税別

 表を見てもわかるように、費用としてはほとんどのMVNOが3000円で、IIJmioとmineoが2000円で対応している。NTTドコモなどでSIMカードのサイズを交換するときの手数料と変わらない金額で利用できるわけだ。

 注目されるのは申込手順で、ほとんどのMVNOが会員専用ページで申込ができるのに対し、OCNモバイルONEやUQ mobile、イオンモバイル、nuroモバイルなどは電話で申し込む必要がある。電話による申込は、時間帯に制限があるので、注意が必要だ。

楽天モバイルから無事に届いたnanoSIM。従来のようなNTTドコモのSIMカードではなく、最近、増えてきた無地のタイプが採用されている

 例外的なのが楽天モバイルで、メンバーステーションの「お問い合わせフォーム」から依頼し、送られてきたメールに希望するSIMカードのサイズなどを返信すると、数日後にSIMカードが届くという流れになっている。ちなみに、楽天モバイルやイオンモバイルは店舗での手続きも受け付けているので、自分が活動するエリアに店舗があれば、空き時間に立ち寄って、手続きをすることも可能だ。

 SIMカード交換で注意が必要なのは、申込後の流れだ。MVNO各社が回線を借り受けている携帯電話事業者によって、対応が異なり、NTTドコモの回線を借り受けているMVNOの場合は、申込後、旧SIMカードの利用が停止し、一時的に利用できない期間ができてしまう。auの回線を借り受けているMVNO(プラン)の場合は、SIMカードの到着後、オンラインで回線の切替手続きを行なう形が一般的だ。旧SIMカードの扱いは、NTTドコモ系MVNOの場合は返却を求められるところがほとんどであるのに対し、au系MVNOの場合はユーザー自身で廃棄するところが多いようだ。

 今回はFREETELや楽天モバイルなどでSIMカードのサイズを交換してみたが、楽天モバイルのメールでやり取りする形にはちょっと驚いたものの、いずれも2~3日程度で新しいSIMカードを入手することができた。ただ、これは東京に住んでいるからであって、地域によっては、配送にもう少し時間がかかるかもしれない。

 また、音声契約を含まないデータ通信のみの契約の場合、契約解除料がかからないMVNOが多いため、欲しいサイズのSIMカードを新規で契約し、旧SIMカードを解約するという手法も利用できる。かつての「解約&新規」のような形だが、あまり好ましくない印象もあるが、OCNモバイルONEなどは自らのWebページでも案内しており、特に問題がないようだ。

 ちなみに、IIJmioでは3月31日まで、「春のSIM交換・変更0円キャンペーン」と題して、無料でSIMカードの交換や変更(タイプAとタイプDの間の変更を含む)ができるキャンペーンを実施している。SIMカードのサイズ変更を検討しているユーザーは、このタイミングで変更してしまうのも手だろう。残念ながら、筆者は数日の差で、このキャンペーンの対象期間から外れてしまったのが悔やまれる。IIJさん、もうちょっと早く教えてくれればいいのに……(泣)。