みんなのケータイ

変換アダプターが手放せないUSB Type-C

【HUAWEI P9】

HUAWEI P9(下)のUSB Type-C外部接続端子は楕円形。上はHUAWEI P9 liteのmicroUSB外部接続端子

 HUAWEI P9はこれまでの同社が販売してきたスマートフォンと違い、底面の外部接続端子にUSB Type-Cが採用されている。USB Type-Cの詳細については、本誌の「ケータイ用語の基礎知識 第717回:USB Type-Cとは?」で解説されているので、そちらを参照して欲しいけど、簡単に言ってしまえば、USBの新しいコネクターの規格ということになる。

 USB Type-Cの特徴としては、伝送規格などは別にして、コネクターに表裏がなく、どちら向きにも挿せるという点が挙げられる。スマートフォンではiPhoneがLightningケーブルを採用しているけど、あれと同じように、どちら向きにも挿すことができる。パソコンでは昨年発売されたMacBookなどで採用されていて、スマートフォンでは今年1月に国内で発売されたトリニティのWindows 10 Mobile搭載スマートフォン「NuAns NEO」がいち早く採用し、話題になった。

 ファーウェイが国内で販売するスマートフォンとしては、今年4月にグローバル向け、今年6月に国内向けに発表されたHUAWEI P9がおそらく最初ということになるけど、実は昨年11月にGoogleやソフトバンクから発売された「Nexus 6P」はHUAWEIが開発と製造を担当していて、厳密に言えば、そちらが先という見方もできる。昨年あたりから「今後、スマートフォンの外部接続端子やパソコンの外部インターフェイスはUSB Type-Cが主流になっていく」と言われていたんだけど、この秋に各社から発表されたモデルと見ると、ようやく出揃ってきて、来年以降は確実に主流になるように見受けられる。

 どちら向きにも挿せ、今後は主流になることが確実視されているUSB Type-Cコネクターだけど、実際の利用環境に当てはめてみると、まだ本流にはできないというのが正直な感想。自分がメインで利用しているスマートフォンのうち、USB Type-Cを採用しているものはなく、海外出張やMVNO用として利用しているHUAWEI P9、Moto Zなどが採用している程度。当然のことながら、USB端子を備えたACアダプターに接続したケーブルもmicroUSBやLightningケーブルがメイン。外出先や出張先のホテルなどで、充電できるUSBケーブルが用意されているところもあるけど、ほとんどがmicroUSBケーブル。一部のタクシーに用意されている充電ケーブルもmicroUSBやLightningケーブルばかり。

 そうなってくると、いざというときのために、microUSBとUSB Type-Cの変換アダプターが欲しいところ。HUAWEI P9のパッケージには「USBケーブル(A to C)」と「USB変換アダプター(micro-B to C)」が同梱されているんだけど、ケーブルは自宅で使うとして、USB変換アダプターは外出用として持ち歩くことになる。ただ、小さい変換アダプターはなくしてしまいそうだし、他機種でも使うことが多いので、USB Type-C変換アダプターを購入して、各所に配置することにした。

パッケージに同梱されている「USBケーブル(A to C)」で充電中
コネクター部分はしっかりと奥まで挿す形状

 ボクが購入したのはAmazonで販売されている「Aukey USB C Micro USB 変換 アダプタ」というもので、購入したときは3個セットで899円というお手頃価格で買えた。これだけあれば、1つは携帯用、2つめはクルマの中、3つめは居間用といった具合いに配備できる。

Amazonで購入した「AUKEY USB C Micro USB 変換アダプタ」。購入時は販売されていたけど、原稿執筆時は3個セットが販売されていない模様
microUSBケーブルと接続すると、こんな感じ。コネクター部分が少し長くなるので、何かに引っかけて、折ったりしないように注意したいところ

 ところで、この秋に各社から発売された新製品もUSB Type-C外部接続端子を備えたモデルが販売されているけど、各携帯電話事業者が販売するモデルは、いずれもUSB Type-C変換アダプターが同梱されていない。たとえば、NTTドコモ、au、ソフトバンクから発売されたソニーモバイルのXperia XZ、auのisai Beatなどがそうだけど、いずれもUSBケーブルも付属していなければ、USB Type-C変換アダプターも同梱されていない。つまり、販売店の人がアドバイスし忘れると、持ち帰っても充電できないわけ。せめて試供品でもいいから、変換アダプターくらいは付けて欲しいところだけど……。ちなみに、NTTドコモとauはUSB Type-C変換アダプターをオプションとして提供しているんだけど、ソフトバンクはオプションにACアダプターしか用意していないという状況。これもちょっと気になるところですね。

キャリアアクセサリー価格
NTTドコモmicroUSB変換アダプタ B to C 01540円(税込)
auMicroB-TypeC変換アダプタ864円(税込)
ソフトバンクスマートフォン用 TYPE-C 急速充電 ACアダプタ(ホワイト) ZSCAZX3240円(税込)

 とまあ、話は脱線してしまったけど、こういうちょっと不親切な状況に対し、HUAWEI P9をはじめ、メーカーが販売するSIMフリースマートフォンは、ちゃんとUSB Type-Cケーブルや変換アダプターが付属しており、ユーザーとしては安心して購入できる環境が整っている。各携帯電話事業者の「同梱しなくても販売店がアクセサリーとして販売できるから……」という思惑も理解できないことはないけど、移行期なんだから、ユーザーが困らない環境を用意して欲しいですね。