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新製品もいいけど新iOS/watchOSを使いこなす方が重要かも

iOS 10のウィジェット画面。デザインがカード風になった

 毎年この時期は新iPhoneの発表・発売で大忙しなのだが、今年はiPadがない代わりに、新Apple Watchが発表・発売された。iOSもメジャーアップデートが配信され、ついでにApple WatchのwatchOSも新しくなっている。

 個人的には新iPhoneと新Apple Watchよりも、FeliCaも使えない現状では、新iOSと新watchOSの方が影響が大きいかな、と感じている。

 新iOSでは通知とウィジェットの画面の見せ方が変更され、使い勝手が変わっている。ウィジェットの画面はホーム画面だけでなく、通知センターやロック画面からも表示できるようになった。

天気系のウィジェットが便利

 iOS 8でウィジェット対応してから2年が経過し、対応アプリも増えてきている。ウィジェットも見やすくなったので、これからはウィジェットを活用すると、iPhoneがより便利になりそうだ。

 たとえば「Googleマップ」は、現在地から自宅と職場への所要時間を表示しつつ、ワンタップで検索できるウィジェットを提供している。天気予報は標準ウィジェットもあるが、雨雲レーダーも見たいことが多いので、「アメミル」も設定してみた。

 すべてのアプリがウィジェット対応というわけではなく、「あのアプリのウィジェットが欲しいなぁ」と感じることも少なくないが、しかし現状でも使いこなせばiPhoneをより便利にしてくれる機能だ。

Apple Watch Series 2。FeliCaアップデート前なので見た目はもちろん使い勝手も機能も旧モデルと大差がない

 Apple WatchのwatchOSは、基本的な使い勝手で大きな変更があった。watchOS 2までは、時計の文字盤画面を上にスワイプすると、「グランス」と呼ばれる各アプリのウィジェットのような画面が表示されていたが、この「グランス」が廃止された。また、「友達」の画面に割り当てられていた側面ボタンは、アプリランチャー/スイッチャーでもあるDock画面表示に変更された。

 グランスは対応アプリや機能が限られていて、結局アプリを起動しないとダメ、ということが多かったので、これを廃止し、代わりに各アプリを起動しやすくするというのは、非常に理にかなった変更だと思う。

Dock画面。左右スワイプもしくはDigital Crownでアプリを選ぶ

 Dock画面は左側に固定アプリを設定でき、右側に最近使ったアプリが表示される。Dockには最大10個までアプリを登録できるが、4個くらいに厳選しておいた方がアプリを選びやすくて良いと思う。

 それから、グランスがなくなった代わりに、文字盤関連が大幅に強化されている。

 まず、文字盤の基本デザインがいくつか追加された。Apple Watchの文字盤のカスタマイズは、用意されている基本デザインの色や「コンプリケーション」と呼ばれる要素を変更できるだけなので、基本デザインが追加されることは非常にありがたい。

 さらに画面外から左右にスワイプすることで、文字盤をすぐに切り替えられるようになった。複数の文字盤をカスタマイズして用意しておいて、「作業中」や「移動中」などシチュエーションに応じて切り替えるというのが使いやすい。

 文字盤をカスタマイズする上で重要になるのは、なんといっても「コンプリケーション」である。これは文字盤の各所に表示される極小サイズのウィジェットで、対応アプリの情報を表示できる。Apple Watchでは文字盤を見る機会が一番多いので、コンプリケーションに必要な情報が表示されているといないとでは、利便性がケタ違いに変わってくる。

「モジュラー」は表示情報量が多く使い勝手が良い。デジタル表示なので移動中などの時刻確認にも向いている

 最もコンプリケーションを活用しやすいのは、「モジュラー」という文字盤デザインだ。時刻はデジタル表示で、中サイズ・正方形のコンプリケーションが4つ配置でき、中段には大サイズ・横長のコンプリケーションを1つ配置できる。

 大サイズ・横長には複数行の文字列が必要とされるコンプリーション、たとえばカレンダーやリマインダーが王道だが、表示が大きいので、乗換案内系アプリやアラーム、タイマーを設定する手もある。

 中サイズ・正方形のコンプリケーションは、文字表示には向かないが、アイコンや数字の表示は視認性が高くて使い勝手が良い。

「ユーティリティ」は横長モジュールが便利だが、シンプルなアナログデザインの見た目も魅力

 アナログ時計タイプだと、「ユーティリティ」には1行サイズの横長コンプリケーションを配置できるので、予定などの確認がしやすくて使いやすい。

 上段には小サイズのコンプリケーションを2個、配置できる。ここは小さいサイズながら、バッテリー残量やアクティビティの円グラフを表示できるし、天気予報なら気象アイコン、カレンダーなら次の予定の時刻を表示できるなど、結構使い勝手が良い。中サイズ・正方形のコンプリケーションと異なり、数字や文字だと少し横長に表示してくれたりもする。

 このほかにも、「ミッキーマウス」や「ミニーマウス」も、1つの横長コンプリケーションと2つの小サイズコンプリケーションが表示可能(日付表示はナシ)で、実用度が地味に高い。

「アクティビティアナログ」。Apple Watch独特のアクティビティグラフが表示される

 「アクティビティアナログ」も似ているが、上段のコンプリケーションは数字や文字の横長表示ができないので、ちょっと使い勝手が異なる。しかしアクティビティの円グラフが大きく表示されて見やすいので、ウォーキングには最適だ。

 「シンプル」は、横長コンプリケーションはないものの、四隅に小サイズのコンプリケーション(横長表示可能)を配置できる。「シンプル」は日付専用のコンプリケーションエリアもあるので、ビジネスでも使いやすい。

「シンプル」の小サイズコンプリケーションも少し横長表示ができるので、時刻なども見やすい

 「カラー」も似ているが、こちらは横長表示できない正方形コンプリケーションを4カ所に配置できる。日付表示もないが、文字盤全体の色を変更できるので、シチュエーションごとに「カラー」の文字盤を用意し、切り替えるといった使い方にも向いている。

 「クロノグラフ」は右上がストップウォッチボタンになっているが、ほかの3カ所にコンプリケーションを配置でき、日付表示も可能なので、「シンプル」と似た使い方ができる。

「カラー」は4文字のモノグラムを表示できる。コンプリケーションは正方形表示
「クロノグラフ」の右上はストップウォッチボタンで固定されている
「Watch」アプリでの文字盤カスタマイズ画面

 これらの文字盤の追加やカスタマイズは、watchOS 3+iOS 10では、iPhoneの「Watch」アプリ上でできるようになった。同アプリ上では、文字盤のテンプレートも用意されているので、初めてのカスタマイズ時にも参考にできる。

 どの文字盤にどのコンプリケーションを表示させると便利になるかは、その人のライフスタイルやシチュエーションによって様々だ。しかし、ハマるカスタマイズができれば、Apple Watchの利便性は一気に向上するハズ。わたしもまだまだ完璧なカスタマイズはできていないので、これから時間をかけて、より便利になるようにカスタマイズしていきたい。