DATAで見るケータイ業界
モバイル市場への再参入を本格化させる電力系通信キャリア
(2016/1/29 12:59)
先日、四国電力子会社のSTNetがMVNO方式のモバイル通信サービス「Fiimo」(フィーモ)の提供を2月15日より開始すると発表した。電力系の通信子会社によるMVNO参入は、関西電力系のケイ・オプティコムの「mineo」(マイネオ)など、いくつかのサービスが立ち上がっている。
かつてASTELブランドでPHSサービスを立ち上げ、モバイル事業への参入を果たしながらも撤退に見舞われた苦い経験を持つ電力系通信キャリアのMVNO事業について、今回は取り上げていきたい。
百花繚乱にあるMVNO業界への参入は、その出自から「通信キャリア系」「ISP/CATV系」「メーカー系」「SI・情報サービス系」「流通・サービス系」の大きく5つに分類することができる。
そんな中、電力系通信キャリアは「通信キャリア系」に入るが、このなかにはMVNO市場のツートップであるNTTコミュニケーションズ、IIJも含まれている。
電力系通信キャリアのMVNO事業の特徴としては、表にあるように資本や取引関係からKDDI網の回線も調達するケースが多いということである。中国電力系のエネルギアはNTTドコモ網のみとなっているが、これはU-mobileのシステムを利用しているためである。
また、ツートップに次ぐグループに付けるケイ・オプティコムは、2016年1月22日時点のMVNO契約者数が約19万件とNTTドコモとKDDIのダブルキャリアの強みを活かし急成長を続けている。
かつてPHSでは、地域通信という呪縛に捉われていたが、MVNO事業では電力自由化の流れと歩調を合わせるように商圏を全国へ一気に広げ、これら市場に一定の影響力を与えていくこととなりそうだ。