DATAで見るケータイ業界
キャリアが進める災害対策、エリア維持に向けた各社の取り組みを整理する
2018年11月9日 08:00
本誌既報の通り、NTTドコモは11月5日に災害対策の取り組み説明会を開催した。台風と地震が重なる複合災害に見舞われた今年9月の北海道胆振東部地震における具体的な対策内容を説明した。
2年間で200億円規模の追加投資を決めたNTTドコモ
北海道胆振東部地震では、釧路市にて、大ゾーン基地局が国内で初めて運用された。通常、大ゾーン基地局は最大半径7kmをカバーできるが、今回は電波干渉を避けるため、稼働していた通常基地局の運用を一時的に停止させ、半径3kmでの運用になった。NTTドコモ内部でも大ゾーン基地局の運用に際し、さまざまな検討が行われたが、ブラックアウト(大停電)の発生に伴い、復電状況なども鑑み、運用を決断したとされる。その後、復電が進み、釧路市での大ゾーン基地局運用は約1日間で終了している。
NTTドコモは今回、さらなる災害対策として、今年度および2019年度の2年間で200億円規模の追加投資を行う。投資比率としては、「広域・長時間停電への備え」「重要通信の確保・信頼性向上」に多くが投下される。「通信サービスの早期復旧」に関しても、衛星搭載移動基地局車自体が高額であり、それなりの費用がかかるという。過去には、東日本大震災を踏まえた新たな災害対策として、2011年度と2012年度の2年間で200億円が投下されている。
なお、2018年3月末時点でのNTTドコモの災害対策車両は移動基地局車が48台、衛星エントランス搭載基地局車は36台になっている。