スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

さよならATOK、こんにちはGoogle日本語入力♪

ATOKに鬱憤、結局アンインストール!

 これまで主に使ってきた日本語IMEはジャストシステムの「ATOK」シリーズ。最近まで「ATOK PASSPORT」(公式ページ)を使っていました。

 最初にATOKを使ったのは1985年くらい? でしたが、その1~2年後にVJEという非常に使いやすい日本語入力プログラム(FEP;フロントエンドプロセッサ)に移行。そのVJEを、確かWindows 95登場直前あたりまで使い続けました。Windows時代に入ってから再度ATOKを使いだしたという記憶があります。

 ATOKはWindows時代に入ってからずっと使ってきたので、20年以上も新バージョンに乗り継ぎつつ使ってきたという感じ。ですが、今年の4月に入り、アンインストール。使うのをスパッとやめてしまいました。

 その理由は、ここ数年じわじわと感じてきた「ATOKの使用感からくるフラストレーション」です。2010年頃までは非常に快適に使えていたんですが、毎年すこーしずつ「ん~この機能イヤかも」と思うことが増加。都度、そういう機能を使わないように設定してきました。

 しかしここ数年では、期待する変換をしてくれないという印象が強くなりました。筆者的感覚では「誤変換を多発するATOK」という感じ。恐らくですが、そう感じてしまうのは筆者が「単文節変換」ばかりするユーザーだからだと思います。文節ごとに漢字変換するスタイル。

 具体的には「おせわになっておりますさいとうです」なら「おせわに」「なって」「おります」「さいとうです」を順に変換するのが単文節変換ですね。筆者の場合、経験上、この方法が最も高効率・高速に日本語文章を書けるし、文章を書いていくうえでの集中力・テンポが削がれないと感じています。まあ、単文節変換ばかりでなく、複数の文節をまとめて入力して連文節変換することもあるんですが。

 とりわけ最近のATOKは、単文節変換をすると「常識的でない漢字変換を行う」というのが筆者の印象です。でも、ある程度の長さ以上の連文節変換ならマトモに変換される。単文節変換だとどうも具合が悪い。

 また、単語を変換して正しい結果だったので確定したけど、その後に同じ単語を変換したら別の結果となった……けど直前と同じ変換結果が出ると思っているので思わず確定していて、再入力するハメになった、ということも多発。なんか最近こういうコト多いな~、と。

 なーんかこう、ひとつの文をまとめて入力してから変換すると、マトモ度の高い変換をするATOKなんですが、単文節変換をすると変換結果がダメだったり、ユーザーの期待通りには機能しない感じ。ATOKの使い勝手により、筆者の日本語入力効率が急に落ちてきたという状況でした。ATOKの動作が原因で効率が落ちているので、もちろんATOKに対して「イラッ!」とすることも多々。

 極めつけは、ATOKマンスリーレポート(公式ページ)です。「ATOKを使って入力した文字数や文字種、入力ミスの傾向を分析してレポートでお届けします。各端末の使用状況もチェックします」(公式ページの紹介文より)という機能で、参考にすると便利ではあるんですが、筆者的には「いやいやいや、ATOKのせいでイラついて入力したから入力効率落ちたんだから!」的な気分になったわけです。

 まあ、とにもかくにも、2018~2019年あたりのATOKにはイライラしっぱなし。筆者の使い方が悪いのかもしれませんが、結局は筆者とATOKとの相性悪化が激しいという状態。そうなってくると、ATOKは「不快語は絶対変換させない方向」(ジャストシステム・変換辞書をめぐるFAQ)であってプロ用ツールとしては自由度が低いとか、筆者は「ATOK PASSPORT プレミアム」(公式ページ)使用中であり月額500円(税別)払って鬱憤を買っているとも言えるなど、思考があれこれとネガティブな方向へ。

 ということで、性格の不一致ということで、ATOKと決別したのでした。一応、学習結果が残っているATOKユーザー辞書は保存してみましたが、それを開いてみると「こんな辞書を引き継ぐとまた鬱憤が増えそう」と思える自動学習結果がたっぷり含まれていましたので、それも即消去しました。

 でもATOKの名誉のために追記しますと、ATOKを便利に使えているユーザーは多いと思います。ある程度以上の長さの連文節変換をし、普通一般の言い回しが多い文章を書いていると、ATOKの本領が発揮されるように思います。即座に各種辞書を利用できたり、PC上で登録した単語をiOS端末やAndroid端末上でも利用できたり、優れた点は多いと思います。

 でも筆者が使うと……。というわけで、まあWebブラウザを乗り換える感じでATOKやめちゃいました。

じゃあGoogle日本語入力で!

 20年以上も使ってきた日本語IMEをズギャッとアンインストールしたんだから、やっぱり喪失感とかあるんだろうな~、と思っていましたが、案外そうでもない。あの鬱憤がなくなり、サブスクリプション解約で課金もなくなったと思うと、なんかスッキリ感しかない。

 でもスッキリ感だけでは日本語文章を書けません。仕事にならない。次に使う日本語IMEが必要。

 でもまあ、このスッキリ感からすると、どんな日本語IMEでもすんなり使っていける気がする! ということで、とりあえずmacOS標準IMEで原稿を書くことにしました。

 しかし、数本の原稿を書いてみても、なーんかこうシックリこない。居心地が悪いような、集中できないような。まあでも、悪くない。しばらく使っていれば馴染むだろう。

 そう考えてmacOS標準IMEを数日使ってみましたが、ん~、やっぱり筆者にはコレじゃないのかも。あーmacOS標準IMEが肌に合えば、とりあえずMac買えばお気に入りのIMEを即使い始められて「日本語入力関連のカスタマイズの手間ナシ」「工場出荷状態のMacでイキナリ原稿書けて便利」でサイコーだと思ったんだけどな~。

 そこでチョイと検索してたら「Google日本語入力」(公式ページ)が浮上。ATOKにあったような便利機能もそこそこある様子。よく使うフレーズの最初の数文字を入れればフレーズ全体が入力されるとか、ちょっとした間違いを訂正してくれるとか、いろいろあります。しかも無料。

 じゃあGoogle日本語入力で! さっそくインストールして使い始めました。

 ……インストール後、「あっGoogleと言えばこないだマップがズタズタ(特に山道や細道)になったし、IMEもズタズタだったりして!」とか思ったのは事実ですが、結果良好。超良好。急速にGoogle日本語入力に慣れていった筆者でした。

 正確には、Google日本語入力をインストールしたのが2019年4月3日の夕方。この記事もGoogle日本語入力により書いておりますが、現在は2019年6月5日です。使用開始後約2ヵ月ですが、これなら課金されてもイイぜ! というほど、気に入って、快適に、書きまくり中です。

とりあえず試してほしい、優良だけど無料の日本語IME

 まず、ATOKから乗り換えてどうだったのかと言えば、ATOKにもちょっと未練はあります。ATOKの入力支援機能や辞書機能はやっぱり強力で、今にすれば「細かいところまでホントに作り込んであるIMEだったんだなぁ」と思います。裏返せば、Google日本語入力はそこまできめ細かな機能性はありません。

 でも、そこがいい。誤解されてもカンケーネーや的な気分でGoogle日本語入力の使用感を書きますと「昔のFEPのような軽快さで使える」という感覚。単文節変換派の筆者にとっては、MS-DOSで走ったVJEのような気持ちよさで日本語を書ける。書いて削って書いて書いて、原稿を書くほどに集中していける感覚は非常に久しぶりです。

 ATOKのときもそういう感覚はあったんですが、近年のATOKは筆者の足も引っ張った。Google日本語入力は支援系機能は抑えめですが、筆者の足を引っ張ることはほとんどない(たまにはあるけど)。素晴らしい! これなら課金されてもイイぜ(←それさっき書いてるし)。

 ともあれ、近年稀に見る「インストールして使ったら感動したソフトウェア」となったGoogle日本語入力。感動のあまり「コミック: Google 日本語入力ができるまで」(公式ページ)も全部読んでしまいました。

 Google日本語入力の機能性については、Google日本語入力公式ページの「くわしく/思いどおりの日本語入力」(公式ページ)で一覧できますが、今時的な日本語IMEとして便利機能がけっこうあります。必要最小限というイメージですが、ラク&便利に使えつつも、過剰にユーザーをサポートしようとはしないので、日本語を書くことも邪魔してこないという感じがします。

 また、前述のコミックにも説明がありましたが、変換候補表示(サジェスト)は、ユーザーの入力履歴も反映されているそうで、使うほどに変換候補表示がユーザーに合ったもにになっていくそうです。確かにそうで、ほとんど単語登録などはしていませんが、変換候補表示を使い始めの頃と今とで比べると、最初の頃は「ん~、えーと……、あっこれ」という少々遠回りな感じでしたが、今では「そう、ソレ!」という小気味良いものとなってきています。

 ぜひGoogle日本語入力を試してほしいと思います。まあ、誰にでも合うかどうかはわかりませんが、なにせ無料ですし。ちなみに、筆者的に「Google日本語入力すげぇ!」と思うことのひとつが、ほとんど設定や単語登録をせず自分に馴染んでしまったこと。初期設定のままで使えるハードウェアやソフトウェアが大好きなんですが、その点でもかなりGoogle日本語入力が好きになりました。

左はGoogle日本語入力インストール時の入力メニュー表示。Google日本語入力のメニューはシンプルです。右は約2ヵ月間で行った単語ユーザー登録。上の5つはよく使う特定文字列で原稿執筆とは関係ありません。「…(三点リーダー)」2個分を登録したのと、ナゼか「wi-fi」「WI-FI」「Wi-fi」しか変換されないので「Wi-Fi」を登録したりも。読みも単語も空白なのは、たぶん操作ミスで登録されたものだと思います。ともあれ、これくらいしか単語のユーザー登録をしていませんが、ほとんど不足なく原稿を書けています。
他の設定はこんな感じ。キー設定にATOKがあり、ATOK元ユーザーとしてスムーズに使い始められました。
半角・全角の設定はちょっと変えましたが、他はだいたい初期値のまま……だったと思います。
こういうソフトウェアだと積極的にレポートを自動送信したくなる筆者でした。

 スクリーンショットを取っていて思い出しましたが、Google日本語入力を使い始めたとき、環境設定がかなりシンプルに見えたので「なんか心細いような……」といった印象がありました。でも実際に使ってみると、なんかGoogle日本語入力側がいろいろ微妙なチューニングを行っているようで、設定を変える必要があまりないようです。ラクでイイですね。

 てな感じのGoogle日本語入力。筆者は日本語を書くのが仕事なので、「もっといい日本語IMEがあるかどうかわからないし、日本語IME変えたら慣れるまでかなり時間がかかるだろうし、新しい日本語IMEに慣れられない可能性もあるし」など、なかなか日本語IMEを変更できずにいました。最重要と言える仕事道具のひとつですしね。

 でも、今調べたら、Google日本語入力の評判はかなり以前から良かったようです。「ンが~っ、もっと早く、Google日本語入力に乗り換えておけばよかった!」と、今さらながらに思うのでした。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。