スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ブラックライトで遊ぼう!

UVライトで蛍光物質を光らせる

 強力なUVライト(いわゆるブラックライト)を手に入れました。紫外線を発するライトですが、紫外線LEDを100個内蔵したものです。UVライト好きな筆者ですが、こんなにたっぷり紫外線が出るライトは初めて。

これがそのUVライト。100個の紫外線LEDを搭載したハンドライトで、単3形電池×6本で使えます。たっぷりの紫外線を広範囲に照射可能。具体的な製品はAmazonの「100LED 紫外線ブラックライト」(Amazon.co.jpへのリンク)で、2199円で買いました。紫外線から目を保護するUVゴーグル付き。

 UVライトを何に使うかと言えば、何はともあれ「身近なものを照らして遊ぶ」んです♪ UVライトを蛍光物質に照射すると、蛍光物質が可視光線を発します。つまりUVライトが当たった蛍光物質は光るわけです。なので、蛍光物質を含んだモノにUVライトを当てると、そのモノだけが発光します。

 どんなふうに光るか、まず見てみましょう。ちなみに、以降に掲載する「UVライト照射時の写真」ですが、肉眼で見たときと近い印象になるように多かれ少なかれ修正を加えています。

ノートにUVライトを照射。すると右のように白いページだけがうっすらと光ります。これは紙に蛍光物質(蛍光染料)が含まれているからです。こういった紙は、ハッキリしたホワイトに見えるよう、蛍光染料を含ませていることがあります。
キーボードに照射。2つのキーが光りました。これらのキーに蛍光物質が含まれていることがわかります。見た目は深みのある青いキーですが、その深みを出すために蛍光染料を使っているんでしょうか?
これは蛍光色の輪ゴム。UVライトを照射すると蛍光色が色鮮やかに光ります。

 UVライトは紫外線を発しますが、発する光のピークが紫外線であり、可視光線も少し含まれていたりします。ピーク周辺の紫や青紫の光も出ているため、照らされた対象は肉眼でも写真でも青~紫っぽく見えます。

 なお、ここで照射に使っている「強力なUVライト」のピーク波長は395nmとなっています。人間が感じられる可視光線波長の下限は360~400nmと言われていますので、けっこう青っぽく見えがちなUVライトかもしれません。

左は、可視光線とその付近の電磁波を説明した概念図で、虹色で示された範囲が「人間の目に見える波長の電磁波」。つまり目に見える光です。その外側の紫外線や赤外線は目に見えません。UVライトを当てた蛍光物質が光るのは、紫外線を受けた蛍光物質が(励起して)可視光線を発するからです。右の写真は壁のスイッチパネルにUVライトを当てた様子。UVライトに含まれる青紫の可視光線により、こんなふうに青っぽく見えます。少し薄緑っぽく見えるのは樹脂や皮脂に含まれる蛍光物質で、うっすらと発光しています。

 ザックリと紫外線と書いていますが、UVライトから出る紫外線は「UV-A」と呼ばれるもので、波長は315~380nm。太陽から降り注ぐ主な紫外線で、皮膚の深層まで届いて老化につながったり日焼けを起こしたりします。ですので、UVライトの光を直視するのは危険ですし、長時間肌に当てるのもよくありません。UVライトを扱う場合、上の写真にあるような紫外線から目を保護するUVゴーグルを使うなど注意が必要です。

 なお紫外線には、UV-A(波長315~380nm)のほか、UV-B(波長280~315nm)やUV-C(200~280nm)があります。UV-Cは強い殺菌力がありますが、太陽光としてはオゾン層に遮られて地表には到達しません。太陽光としてのUV-Bはわずかに地表に届き、肌に当たるとメラニンがつくられます(メラニンを褐色に変えるのはUV-A)。

身近に潜む蛍光物質を可視化!

 蛍光物質にUVライトが当たると光を放つ。蛍光物質が含まれたモノにUVライトを当てると光る。クラブとかライブとかのイベントで、白いTシャツやアクセサリーだけが光ったりしますが、あれはUV光源が近くにあり、Tシャツやアクセサリーに蛍光物質が含まれているからですネ。じゃあ、身近などんなモノに蛍光物質が含まれているのか、実際にUVライトを当てて可視化してみましょう~♪

仕事場の流し台周辺。UVライトを当てたら、布巾を吊す黄色い紐、白いタオル、白い樹脂のブラシが顕著に光りました。蛍光染料を使って色鮮やかに見えるようにしている製品、という感じ。
紙類を置いている本棚を照射。中央にピンク色の線が見えますが、これはピンク色の大判ポストイットです。ほか、白い紙や白い樹脂もほのかに光っています。
吊してあるバッグ類に照射。雪上迷彩柄っぽいバッグが強めに発光。ほかのバッグは案外発光しませんでした。
説明書の類が入った本棚を照射。説明書ってけっこう強めに光りますね~。紙質を抑えつつキレイな冊子に見えるように蛍光染料を多めに使っている? よくわかりませんが興味深いです。
小間物をいろいろ収めた引き出し式ケースを照らしてみました。蛍光カラーの釣り用ウキが顕著に発光。ほか白系の樹脂もほのかに光りました。
釣り具が入った防水バッグに照射。登山用ロープ(ボート係留に使用)がよく発光しました。

 上の写真の「蛍光物質入りのモノ」は、撮影してよく写ったモノだけを並べています。UVライトで蛍光物質が光る様子って、写真に撮るのがなかなかタイヘン。肉眼だともっとよく見えます。広範囲を一気に照らせるUVライトを使い、暗くした部屋のなかを照らすと「アレにもコレにもソレにも蛍光物質が!」とオモシロがれますので、ゼヒお試しください。

汚れも浮かび上がらせちゃうのダ!

 UVライトは汚れや傷の発見にも使われたりします。たとえばヒトの歯や爪、血液や尿もUVライトで光りますので、血痕や尿汚れをUVライト照射で見つけることができます。ということは、人体にも蛍光物質が含まれているわけですね。蛍光物質とか言うと何だかヤバげな物質かなと思ってしまいますが、そういうわけではありません。実際、日常口にする食品にも蛍光物質が含まれていますし、それらは有害ではありません。UVライトを照射すると意外なほど光る食品もありますヨ♪

 さておき、面白いし実用的なのが、UVライトによる「汚れの発見」です。皮脂汚れや体液の痕跡、それから前述した尿の跡など、いろいろな汚れを見つけることができます。見つかり過ぎて掃除が終わりません。どんなふうに見つかるのか、怖い物見たさ半分で見てみましょう~♪

 なお、UVライトが汚れを浮かび上がらせる様子ですが、ナゼか肉眼ではハッキリ見えまくりなんですけど、写真には写りにくいものが大半でした(汚れが付着する部分に蛍光染料が含まれているケースが多いからかも)。なので、よりよく見えるよう、写真に強めの処理を施しつつ、赤矢印で示してあります。

流し台付近。UVライトで照射すると点々とした汚れが見つかります。写真では1つですが、肉眼だと多々見えちゃってウンザリです。
ベッドのシーツ。謎のシミが見つかってしまいました。即シーツ交換!
カーテンの下端。落下した液体が付着した痕跡を発見。なんでしょう?
トイレの便器下部。一見、汚くは見えませんが……UVライトで照らすと液体が流れた痕跡がいくつも。実際はもっとハッキリ、たくさん見えてしまって絶望的な気分です。たぶん洗剤や尿。
温水洗浄便座のヒンジ部分。白とピンクに色分けされているような箇所は、恐らく洗剤を広範囲で拭き忘れた跡だと思います。上のピンク色は尿汚れかもしれません。
手荒い用蛇口の上部で、この真上に手を拭くタオルがあります。ピンクに見える点々は全て汚れ。手を拭いた飛沫がここに落ちているものと思われます。

 写真ではわりと地味に見える「隠れた汚れ」ですが、肉眼だとかなりハッキリ見えまくりで衝撃的です。マジかよ~俺んち汚ねぇ~! トイレの壁なんか照らすと……!

 非常に興味深いですし、掃除すべき箇所が文字通り浮かび上がりますので、実用的なUVライト活用法です。なのですが、実際にやると「こんなところまで汚れていたのか!」と驚き過ぎの結果となりがち。なので、ヤルかヤラナイかはご自身でご判断を。

 ともあれ、いろいろ遊べるし、けっこう実用的なUVライト。最近ではLEDタイプのものが入手しやすい価格帯になってきました。興味があれば、使い方に注意しつつ、ぜひお試しください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。