スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

……アルコール依存症かもしれない

飲酒と断酒と日常生活の変化を吐露

あれ? コレってアルコール依存症!?

 ふと「あ、俺ってアルコール依存症なのかな?」と思いました。ちょっとマジメに、焦り気味の顔で、そう思いました。

 というのは、もうずっと毎晩酒を飲んでますし、ここ一年以上は休肝日とは無縁。また、飲む量が明らかに増えています。仕事が終わって夕食時になると、食べながら飲んで、食事が終わってもまだ飲んで。「今日もけっこう飲んじゃったナ~」とベッドに入るとそのまま爆睡。毎日コレの繰り返しで、飲酒が習慣として生活に組み込まれてしまっています。

 飲むアルコール量を毎日正確に計算しているわけではありませんが、空いたボトルなどの本数から逆算すると、適量と言われる量の1.5~2倍(3~4単位)くらい飲んでいます。しかも毎日。ありったけの言い訳を動員しても、やはり明らかに「飲み過ぎ」です。

 ちなみに、アルコール摂取量の基準は「単位」で示されることが多く、1単位=純アルコール約20gです。ビール500ml、日本酒180ml、焼酎約110ml、ウイスキー60ml、ワイン180mlくらいが、それぞれ1単位。飲酒の適量は1~2単位までと言われていますが、飲む速さや体質・体重などによって異なります。

 そんな「飲み過ぎ」のワタクシに、医師から忠告が。肝臓の数値が悪化しているとのことで、飲酒量を減らすように、とのことでした。「うっ、やっぱり!?」とか思ったわけですが、でも急に減らせって言われてもアレだし、体調とか大して変化ないし、二日酔いとかするわけじゃないし、酒はストレス解消になるし、だいたいモトから酒が強いほうだから大丈夫だし等々、医師の指摘に反発する考えばかりが多々噴出しちゃいました。

 そのとき思ったんです。「あ、俺ってアルコール依存症なのかな?」と。前に「アルコール依存症の人は何かと理屈を並べて絶対に酒を飲もうとする」という話を聞いていたんですが、その時の自分がまさにソレ。ちょっと怖くなりました。

 ですので、さっそく酒の量を減らす……前に、アルコール依存症なのかどうか、ネットでスクリーニングテストを行いました。質問に答えると自分の状態がよくわかる「YES/NOテスト」です。

 検索してヒットしたテストを次々と試しました。久里浜医療センターのテストやキリンビールの飲酒状態セルフチェックなどです。

 その結果、出てくる答えはヤバげなものばかり。ワタクシは「アルコール依存症の疑い群」「危険な飲酒群」に属することがわかりました。いやそんなコトはないだろうと、ほかのテストもアレコレ試してみましたが「あなたの飲酒量は適切です」「健康的な飲酒です」などという結果は、1単位もいや1mlも出てきませんでしたから深刻です。

 はい、わかりました。じゃあ飲む量を減らせばいいんでしょ? はい、はい、はい、はい……つーか飲まなきゃいいって話だろ、あァン、オイ、そうハッキリ言ってみろってんだコノヤロウ! などと、見えない敵かなんかにナゼかカッとなっているワタクシでしたし、酒量調節とか適量とか超絶メンドクセエのでズギャッと断酒してみることにしました。

 とか軽くオモシロげに書いておりますが、正直なところは「断酒してみて、それができなかったら、アルコール依存症かもしれないので受診しよう」みたいな気持ちが増幅していました。ので、ちょっと不安になりつつ、断酒開始。

……結果

 断酒について「結果」というのは、少し合わない言葉かもしれません。「酒」を「絶っている」という状態を示す言葉なので、断酒している本人の生涯が終わらない限り「結果」はいつも揺らぐものではないでしょうか? ……などと一応お約束的に意味深な書き出しをしてみましたが、現在も断酒が続いています。断酒を始めてから3カ月ほどです。これだけだと「あっ、そう」というコトになりそうですので、その成り行きや起きたことなどを少し書いてみたいと思います。

 まず最初、「断酒できなかったらどうしよう?」と不安に思いつつ始めたわけですが、不安を抱いていたのは最初の1週間くらいでしょうか。それは単なる不安として終わり、何事も無かったように断酒が継続していきました。いや、「何事もなかった」は少しウソかも、です。

 思い返すと、断酒開始当初は「なかなか寝付けなかった」です。毎晩飲んで酔ってイイ感じで眠くなった流れで寝ていたので、アルコールを睡眠薬代わりに使っていたのかもしれません。

 断酒直後は「アルコールがないとこんなに目が冴えちゃうのか!」と軽く驚きつつ、夜を過ごしていた気がします。ただ、半月もすると「俺は夜になるとこんなに眠い人だったのか!」と軽く驚くほど眠く、子どもみたいにすぐ眠れるようになりました。

 酒を飲みたい! と思うこともあります。映像からの影響が多いかも。写真や動画を見て素敵な雰囲気の飲酒シーンがあると「そうそう、こういう状況で飲む酒はオツなんだよな~」と思って、「たまには飲もうかな」と思います。それから、イロイロと面倒なコトが重なるとか、怠いしヤル気ナイし予定通り進んでないしとか、も~全部後回しにして今日は終了にした~いっといった気分の時は「酒飲もうかな~」と思います。そんなとき、以前ならガッツリと飲んでストレス解消していたのかもしれません。

 ただ、「酒飲みたいナ♪」とか思っても、いくつかの要素がその気分を滅したりします。いちばん大きいのは「もうちょっと断酒続けてみたらどうなるのか?」的な好奇心です。後述しますが、断酒後にはけっこーイロイロと生活が変わりました。ワタクシは禁煙もしていますが、禁煙より断酒のほうがダイナミックに生活が変化したと思います。そんな変化もあり、「断酒を続けるとどうなるのか?」と強い興味があります。

 もうひとつの要素は、周囲の人の反応。家族は、まあ家の中にいた酔っ払い(と言っても暴れたり騒いだりはしていませんでした)が常時シラフになったので、面倒&危惧がひとつ減ってスッキリしたと思います。酔っ払って酔っ払いの相手をするなら悪くないですが、シラフで酔っ払いの相手をするのはタイヘンですもんネ。

 ヒッジョォォ~に意外だったのが「医療関係者の誰もが大喜びした」ということです。ビックリしました。「ホントにそんなに嬉しいの? 何か罠でも!?」と思うほど、医師や看護師や薬剤師が喜ぶんですから。基本的には他人事だというのに。

 たとえば、かかりつけ医(カメラ大好き)は「酒ヤメたんですね、素晴らしい!」「まだ断酒続いているんですか、イイですね! とてもイイ!」と、とてもハイテンション。断酒後の血液検査結果などを見て「ほらこんなに数値が、どんどん良くなってます。ありがとうございます!」などと、謎の感謝ワードまで付け加えて喜んでくれます。また、そのかかりつけ医の後ろでいつも退屈そうに待機している看護師(長身美女)も、ナゼかイロイロと話しかけてくれて、わりとレアと思われる美しい笑顔とフランクな態度で喜んでくれます。

 処方箋薬局でいつも担当になる薬剤師(かなりカワイイ)も、毎回断酒について話しかけてくれて、断酒継続中とわかると満面の笑顔に。禁煙もしていることを知ったら、茶飲み友達的なテンションで会話を続けてくれます。

 ……医療関係者は接した患者などが断酒したという実績があると、なんかこう、ヒミツのポイント制度とかで高ポイントが付与され、そのポイントをTポイントやAmazonポイントに移行して使えたり、iTunesカードと交換したりできる制度があるのだろうか? などと妄想してしまいます。

 ただ、話の端々から、医療関係者は断酒や禁煙を志す人と接することが多々あるようで、また、残念な結果を知るケースも少なくないようです。断酒中オヤジに笑顔を見せる彼ら彼女らは「この人、頑張ってる、続いてる!」と知るだけで嬉しくなる、ピュアなエンジェル・ハートの持ち主なのかもしれません。ともあれ、そんな人たちの笑顔を見ると、「もうちょっと断酒継続しようかな♪」という気分に。

 なお、断酒の方法ですが、「食事中に飲んでいた酒を麦茶に置き換えた」だけです。麦茶じゃさぞかし味気なかろうと思っていましたが、無問題でした。液体だったら何でも良かったのかもしれません。酒を見えないところにしまうとか、冷蔵庫からビールを撤去するとか、そういうコトはしませんでした。最近では冷蔵庫のビールや棚のウィスキー瓶(ウィスキー派です)が邪魔です。

 あと、たまに贈り物でいただくお酒とか、「いいウィスキー手に入れたから飲まない?」というお誘いとか、そういうのを死蔵したりお断りしたり。「んぁ~モッタイナイ、断酒さえしていなければ!」と思ったりします。

 そう言えば前述のカワイイ薬剤師曰く、断酒や禁煙は「人とあまり会わない生活」だと成功率が高いそうで、会社などで飲み会とかに出ないといけない人だと……とのことでした。ワタクシの場合も、仕事が終わったタイミングで「いい店見つけたから飲みに行こう!」とか言われたら……すぐ断酒終了になっちゃうような気がしなくもありません。そう考えると寂しい生活かも、です。

断酒がもたらしたもの

 断酒をしばらく継続し、まず得たものは「あぁ、どうやらアルコール依存症ではなかったらしい」という緊張が解けるような安堵です。何か非常に不安な症状があって受診した精密検査の結果が「問題ナシ」だった瞬間の、「はぁ~ひと段落」という気分に似ているかもしれません。

 その後は「さぁ~、じゃあいつ、機会飲酒や節酒に切り替えようかな~」とか思っていたわけですが、我ながら意外にそうしていません。それは、「断酒するとこんな変化があるのか!」ということが「多々ある」からです。前述の「周囲の医療関係者が喜ぶ」ことも断酒継続の大きな後押しになっていますが、ほかにもイロイロ「断酒の利点」を感じます。

 まず「時間が増えたこと」です。飲んで酔って何となく過ごしたりしていた時間が、まるまる余ったので、当然と言えば当然です。数十冊あった「積ん読」はみるみる消化でき、「趣味の時間」がたっぷり拡充され、試してみたかった細々したコトにもどんどん手を付けられ、モヤモヤしていた事柄も調べまくりで次々と解明。「余った時間で仕事をする」のを除き、「時間があればやりたかったコト」が多々できました。

 これも当然ですが、二日酔いやそれに準じた体調不良などからくる「飲酒翌日午前中の気分イマイチ感」もなくなりました。朝から出力を十分出せるという感じ。だからと言って朝からガシガシ原稿書いちゃうってわけでもないんですが、「体調がイマイチだから夜まで仕事に追われた」みたいなコトは激減してイイ感じです。

 考えてみると、断酒した後は、寝る前の時間を酒飲んでダラダラすること以外に活用できるようになり、起きた後のイマイチ本調子じゃなかった時間も出力全開で使えるようになりました。断酒だけでツカエル空き時間が出現するって、なんか不思議です。

 あと、これは断酒がもたらしたのかイマイチよくわかりませんが、「憂鬱な気分が後日まで持ち越されない」というのも実感しています。以前は、イヤなことがあると数日間はその気分が纏わり付いていた感じでしたが、断酒後は「イヤなことからくる憂鬱な気分を容易に消せる」という感じ。「purgeできた」という感覚で、酔っている時間がなくなった分、その時間でイヤなことについて前に向きに考えて答えを出しているのかもしれません。

 そんな気分の変化もあってか、「考え方が積極的になった」かもしれません。たとえば、「この件はこの要素があるから巧くいかなそう」という投げやり思考が、「この件のこの要素は、こう回避できるかも」という前のめり思考になったような。これもまた時間ができたりして、物事についてゆっくり考えられる時間が増えたからかもしれません。

 体調面では、最初は体重がスルスルと減りました。1~2カ月で5~6kg減って、現在は停滞している感じ。食事内容は変えている意識はありませんが、冷静に考えたら酒のツマミを食べる必要がなくなったので、その分体重減になったのかもしれません。

 また、以前は少々感じていた不整脈や動悸も激減しました。この不整脈や動悸、医師からは「歳のせい」と言われていましたが、まあそうだとは思いますが、「酒のせい」でもあったのかもしれません。

 味や匂いにも敏感になったと思います。禁煙した後にそうなりましたが、それよりさらにという感じ。悪いことではないと思いますが、逆に「あまり匂いや味についてアレコレ言うと周囲の人が引くかもしれないから注意しよう」と思ったりもします。ともあれ、酒の飲み過ぎが、味覚や嗅覚にかなり影響していたように思います。

 かかりつけ医に指摘された血液検査結果の数値悪化も、前述のように良好化していて、現在はだ~いたい正常範囲内です。「あとは体重を減らすだけですネ♪」とかかりつけ医に言われていますが、そっちはね~、これがね~、なかなかね~、みたいな。

 あと、知識としては知っていたものの、驚いたのは「血圧の低下」です。ワタクシは高血圧気味ですが、断酒した最初の1カ月で明らかに血圧が下がり正常範囲になりました。典型的な「早朝高血圧」でしたが、現在は朝も夜も正常な血圧に。「飲酒ってこんなに血圧に影響していたんだ~」と自分の体のことながら、その現象を興味深く見ました。

 といった感じで、断酒がもたらす「いいこと」は多々あるように思います。ワタクシの場合、ゲームのキャラクターを育てるような感じで断酒が続いている気がします。「せっかくレベル7になったんだから、レベル10あたりの様子も見たい」「このアイテムを手放すのは忍びない」みたいな。これがずっと続けばいいんですけどネ。

 それと、「たぶん」ですが、断酒は(アルコール依存症でなければ)けっこー容易だと思います。禁煙と断酒を比べたら、断酒のほうが圧倒的に簡単だと、ワタクシは感じました。まあ、自身の体や周囲の人に悪影響がなければ楽しく美味しく飲むのはいいものだと思いますが、「酒を飲まないでいるとどうなるのか?」を考えると、もしかしたら「これまで欲しかったもの」が手に入るのかもしれません。

オマケ:参考になった「アルコール依存症本」

 断酒直前に、「断酒してみて、それができなかったら、アルコール依存症かもしれないので受診しよう」と思っていたことは前述しましたが、ハッキリ言ってアルコール依存症についてほぼ何も知りませんでした。せいぜい「酒を飲み過ぎると禁断症状で恐ろしい幻覚が現れる」くらいの認識。断酒開始直後には「アルコール依存症だったらイヤだな」と思いましたが、よく考えてみたら何がイヤなのかもハッキリしていませんでした。

 そこで、ネットや本でアルコール依存症について調べてみました。断酒開始後に時間がたっぷりできたので、すぐにいろいろな事実がわかりました。結果、自分は漠然としたイメージと偏見でアルコール依存症を想像していたくらいで、アルコール依存症については無知だとわかりました。

 じゃあ、アルコール依存症についてどんな事実がわかったの? って話になると、これは本が数冊できるくらいイロイロありますので、このスペースでは説明は無理です。ので、かわりに、非常に参考になった「アルコール依存症関連本」をご紹介したいと思います。

 まず、物凄く参考になったのが「酒乱になる人、ならない人」(Amazon.co.jpへのリンク)。掴みが強めのタイトルで購入してみましたが、遺伝子や脳のメカニズムのレベルでアルコール依存症を説明した先鋭的な本でした。アルコール依存症研究の最先端なども紹介していて、専門的な要素が多くて少し読むのがタイヘンですが、非常に科学的で「そうだったのか!」と驚くことしきり。酒がもたらす脳に対する快楽がいかに強力であるかを知ると、アルコール依存症に対する偏見の多くが払拭されていきます。「凄い本だな~」と思って読んでいたら、筆者はアルコール依存症治療で屈指の医療機関「国立療養所久里浜病院(現国立病院機構久里浜医療センター)」の元神経内科医長でした。

 それから、「人はなぜ酒を飲むのか」(Amazon.co.jpへのリンク)。アルコール依存症患者治療現場で長く治療を行った医師による本で、治療や患者の実際を多々知ることができます。アルコール依存症の本質(アルコールを飲み続けなければいられないという「依存」の意味)や、そこから逃れることの難しさを、悲痛な事例とともに知ることができます。書かれたのが1994年と古いので、当時は現在よりもさらにアルコール依存症への偏見が強かったことなどもわかります。冷静な視点で書かれていますが、恐ろしい内容が描かれた本でもあります。

 この2冊を読むと、実際の医療現場ではアルコール依存症がどう捉えられ扱われるのかよくわかります。同時に、一般の人が持っているであろうアルコール依存症に対する多くの偏見が覆されます。また、アルコール依存症は、本人はもちろん、周囲の人間も苦しめる非常に恐ろしくタチの悪い「病気」であることも理解できると思います。

 それから、オモシロいけど怖いマンガ。ご存知の方も多いと思いますが、「失踪日記」(Amazon.co.jpへのリンク)と「失踪日記2 アル中病棟」(Amazon.co.jpへのリンク)。漫画家の吾妻ひでお氏が、自らの失踪~アルコール依存症体験を描いたものですが、純粋に非常にオモシロいです。また、アルコール依存症についての正しい知識をある程度得てから読むと、恐ろしオモシロく読めつつ、登場人物の一見理不尽に思える行動が理解できたりもします。アルコール依存症関連の話だけ読むなら「失踪日記2 アル中病棟」だけでもいいかもしれません。

 それから、アルコール依存症関連の「サイバラ本」。「おサケについてのまじめな話」(Amazon.co.jpへのリンク)と「あるこーる白書」(Amazon.co.jpへのリンク)です。どちらも対談を収録した本(マンガではありません)で、対談参加者としてアルコール依存症の元夫(鴨志田穣氏)を持つ西原理恵子氏が含まれています。西原氏の発言は、わかりやすくも重く、アルコール依存症患者の家族の苦悩がストレートに伝わってきます。「あるこーる白書」は前述の吾妻ひでお氏と西原氏の会話が多く、患者自身と患者を家族に持つ者との会話が滑稽でもありつつ深刻です。これらの本は、アルコール依存症への偏見をわかりやすく解き、同時にアルコール依存症について最低限の知識を得るには非常に有用だと感じられました。

 ほか、「アル中地獄」(Amazon.co.jpへのリンク)「今夜、すべてのバーで」(Amazon.co.jpへのリンク)「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(Amazon.co.jpへのリンク)「アル中ワンダーランド」(Amazon.co.jpへのリンク)あたりも読みました。ただ、これらの本だと、アルコール依存症の正しい理解のための知識が得られにくいかもしれません。

 でも、とにかく強烈だったのが「アル中地獄」。36回もアルコール依存症治療のため入院した人が1989年に書いた本です。アルコール依存症患者自らが語る赤裸々でリアルな生活、幻覚体験、失敗と苦難。「戦慄するような事実」が書き連ねられています。2003年には増補版(Amazon.co.jpへのリンク)が出版され、Amazonカスタマーレビューによると筆者は「再入院」したようですが、ともかくアルコール依存症とはいかに凄まじい病気なのかがわかる本でした。

 これらの本を読むと、アルコール依存症に関するある程度正しい知識が得られ、現在も多くの人がアルコール依存症について無知でいることもわかります。さらに、アルコール依存症は、本人にも周囲にも非常に危険で治療も難しく、誰もが陥る可能性があるにも関わらず、多くの人がそれに無防備だということもわかります。

 あと、これらの本、断酒しつつ読むと断酒継続効果があるかもしれません。どの本からもアルコール依存症がどれくらい野蛮に命を削ってしまう病気であるかが、イヤでも伝わってくるからです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。