スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」
久しぶりに易占を再開!
あらま~便利な道具が安く出ている~♪
2016年11月16日 06:00
漢字の復習から易占へ
本連載バックナンバーの「漢字が……漢字が書けない~」で、最近は漢字が読めるけど「書けなさすぎ」なので漢字の復習を始めましたヨ、という話を書きました。その後、ある頃を境にグングンと漢字が書けるようになりました。……というか、脳内に孤立していた漢字記憶域(!?)にシナプスがメキメキとつながり始めたようで、芋づる式に漢字を思い出しました。漢字復習開始時には、集中すると若干の頭痛を感じたんですが、この頃になると頭痛もなくなったのは興味深いところです。
さておき、その「漢字を思い出す過程」で、あるジャンルの漢字も連鎖的に思い出されました。「蟲」「巽」「坤」「蒙」「豫」「蹇」とかです。ミョーに見慣れないし、あまり使わない漢字ですよね。何だと思いますか?
って、タイトルで軽くネタバレしてますが、易占(えきせん)で使われる「卦(か/け)」です。易の占いでは、筮竹(ぜいちく)という細い棒をジャラジャラッてしますが、アレはこの「卦」を導き出す手順です。易者は、「卦」が出たら、その卦が持つ意味を相談事などと照らし合わせて、吉凶を占うなどアドバイスを示します。
ともあれ、漢字の復習をしていたら、脳内から易占に関わる漢字もバラバラッとこぼれ出てきたというわけです。ワタクシは易占をたしなみますが、この流れで「久しぶりに易をやってみよう!」という気分になりました。
ワタクシの易占道具は上の写真のようなもの。ですが、六十四卦の基本的な部分はだいたい覚えており、算木は無くても大丈夫。最低限、専用サイコロがあれば易占ができます。が! ナイ! 易用のサイコロがどっかいっちゃった~! あら困った(※上の写真はその後に見つかったものです)。
新たに買うしか……うわ便利! あら安い!
せっかく盛り上がった易占意欲。道具が見つからないからと言って諦めるのは残念です。実はサイコロがなくても、たとえば硬貨が1~3枚あれば易占ができたりもします。その方法は「易占 方法」あたりをキーワードに検索すれば見つかりますが、やはり専用のサイコロで占いたいな~、と。
そこで早速、検索。易占入門情報から易占道具までネットで見つかるなんて便利な時代で……ええっ!? ナニこのサイコロ! 便利じゃん! というのを発見。即、購入。
初見で「すっげー、八卦が一目でわかる!」と少々興奮しました。こんな易占用八面賽見たの初めて。陰陽の記号(三爻)まで入っていて、非常にスムーズに易占を行えます。
どういうコト? 軽くご説明を。
易占は、基本的に2つの八卦を出すところから始まります。八卦は、乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)の8種類があります。サイコロや硬貨を振ったり筮竹をさばいたりして、最終的に八卦を2つ得ます。この2つを組み合わせて得られるのが六十四卦(8×8で64種類)で、易占の「結果」です。
たとえば、得た卦が「兌」「離」だとすると、「沢火革(たくかかく)」という結果が得られます。これは六十四卦のうちのひとつです。この「沢火革」という名称には、元になった八卦である「兌」「離」と、ある規則的な関連があります。
八卦の「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」には、それぞれ意味がありますが、自然の要素としては「天・沢・火・雷・風・水・山・地」がそれぞれ割り振られています。乾=天、兌=沢、離=火、震=雷、巽=風、坎=水、艮=山、坤=地、です。
先ほどは、「兌」と「離」から、「沢火革」が得られました。「兌」と「離」の自然の要素は「沢」と「火」です。「沢火革」は、頭に「沢」+「火」が付いていますが、これが2つの八卦から六十四卦の卦名が導かれるときの主な規則性です。これを念頭に、「六十四卦」をキーワードとして画像検索すると、八卦と六十四卦の早見表などからそれらの関係がよくわかると思います。また、「兌」と「兌」だと「兌為沢」となり、「兌=沢」の両方の文字の間に「為」が入っているのも、ひとつの規則性です。
なお、「沢火革」の「沢」「火」以外の部分である「革」は六十四卦としての純粋な卦名で、易経に定められた「もともとそういうもの」です。易を利用するにはこの卦名が重要なので、実際に占う場合には、八卦と六十四卦の早見表を使って卦名を導き出すか、卦名を暗記しておくしかありません。
ちなみに「沢火革」の意味するところですが、「改革すべきとき」「正しい改革なら悔やまれるような結果にならない」というもの。流れ下ろうとする水が上にあり、燃え上がろうとする火が下にあり、双方が対立し拮抗しているカタチと見て、この状態を改め正すことで物事の本来のバランスを取り戻す、といった見方もします。
って、話がかなり長くなってしまいました。まとめます。
従来型のサイコロだと、「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」しか刻印されていませんので、「乾=天、兌=沢、離=火……」というコトを頭の中で即座に変換して、「沢火革」などの卦名を導き出す必要がありました。しかし、前述の最近見つけたサイコロには、「天・沢・火・雷・風・水・山・地」が刻印されていますので、見ればすぐに卦名を導き出せて便利~♪ というわけです。さらに八卦の陰陽の並びまで刻印されていますので、卦の陰陽の並びから細かな判断をするときも役立つでしょう。
あと、このサイコロ、1個が税込540円で売られていました。サイコロ1個の値段としては高価ですが、易占専用の文字が刻印されたサイコロとしては「昔と比べたら激安」だと感じました。20年以上前に買ったものは、最も安価なセットも1万円前後したと思います。その上のランクだと数万円からとなり、趣味で易をたしなむ程度ではとても手を出す気にはなれませんでした。20年前でも、一般的なサイコロは現在と似たような価格でしたので、易占専用サイコロの価格がガクリと下がったんだと思います。
電子化で易占もラクに!
ワタクシと易占の出会いは、1988年頃。ゲーム雑誌でライターをしていましたが、ナゼか誌上の「占いコーナー」を任されました。ゲーム関連の物事をイロイロと占うという連載記事で、専門家を取材して誌面を作っていました。取材先は福田有宵先生。当時は日本占術協会の常任理事(現在は会長)をされていた「超本格派の易専門家」です。
ほぼ毎週取材するうちに易に興味を持ち、福田先生にイロイロ訊いていたら、易占の基本をマスターしてしまいました。その後も福田先生に質問しつつ勉強を続け、易占が非常におもしろくなりつつ友人も巻き込み、アレコレと昂じて「易占機関」というPC-9801シリーズ版パソコン易占ソフトを作るに至りました。
上の「易占機関」は1993年発売。取材と同時に福田先生から易を習っていたので、5年くらいミッチリとやった感じです。……思い出すとイロイロと苦労したりも。たとえば、易経を始めとする関連書籍を頻繁に持ち歩いていました。本によって易経の解釈がわりと異なるので、実践時にそれぞれを参考にしたいわけです。古今の有名占者の占例を集めた占例集のようなものも、やはり頻繁に参考にしました。易占関連本と易占道具を常時携帯していた、アナログの易占マニアみたいなワタクシでした。
現在はどうなのか? と思って軽く調べてみましたら、あらまあお手軽! 易経や易占解説書は電子書籍化されていますし、手軽に易占を行えるウェブサイトも多々。現在だと、たとえばiPadだけで易の勉強~易占までシッカリとできちゃいます♪
iPadのWebブラウザを使い、易占ウェブサイトにて易を立て(易占で卦を得ることを「易を立てる」などと言います)、その卦をKindleの易経で調べる……という、もうサイコロすら不要な「スマートデバイス易占時代」と言えましょう。八卦と六十四卦の早見表をタブレットに取り込んだりもできます。参考にできる易占解説サイトも多々。身軽に易占に親しめる時代です。
易は、単なる占いだと考える方が多いと思いますが、脳内から情報を導き出したり、新たな考え方へと誘導したりする、「考えるためのツール」という側面も非常に大きいワタクシは思います。易を使って占うと、多くのケースで「答えは相談者本人がわかっていた」ということが多かったりします。易経には、脳内に滞っていた正解を意識上に現れやすくする呼び水のような働きがあるように思います。ともあれ、単なる占いとしても楽しめますし、処世のための助けにもなると思いますので、興味があればゼヒ一度触れてみてください。