ケータイ用語の基礎知識
第719回:myThings とは
(2015/8/4 12:27)
ヤフーが2015年7月、スマートフォンアプリ「myThings」と「myThingsプラットフォーム」を発表しました。
myThingsは、一般ユーザー向けに提供されるサービスで、自分が使用しているIoT製品やWebサービスを組み合わせて、新しく便利な使い方ができるようにします。IoT製品やWebサービス、スマートフォンの機能などがmyThingsに対応していれば利用できます。myThingsのアプリは、iOS、Android向けに提供されています。
たとえば「Yahoo! 天気・災害」「プッシュ通知」を組み合わせると、「ユーザーの現在地周辺の天気予報が雨であれば、プッシュ通知で知らせる」といったことが可能になります。
myThingsプラットフォームは、企業などに向けて提供されます。さまざまなIoT製品やWebサービスのAPI(アプリケーションプログラムインターフェイス。他のプログラムから、その製品やサービスの機能を呼び出す手順のこと)が集められています。myThingsを利用する事業者は、プラットフォーム上のAPIを利用したり、あるいは逆にプラットフォーム上に自社製品・自社サービスのAPIを公開したりといったことが可能になります。その特徴はWebサービスだけでなく、IoT機器からの情報をトリガーにしたり、あるいはIoT機器へのアクションを指定できること、オープンなことです。
myThingsアプリは、「myThingsプラットフォーム」を活用して開発されたもので、このプラットフォームの応用例のひとつです。myThingsプラットフォームには、2015年7月の提供開始時点で10程度のハードウェア、30程度のサービスが対応していて、これらを「チャンネル」と呼びます。myThingsアプリでもこれらのチャンネルを組み合わせてスマートフォン上で、さまざまな機能を実現できるようにしています。
海外では以前より、「IFTTT」など、Webサービス同士を連携させて連携させることができるAPIプラットフォームはありました。ヤフーの「myThings」は、日本のユーザー向けに、同社のサービスのほか、はてななど他社を含めた日本のWebサービスが最初から提供されていること、また、家電などのIoT機器を利用できるAPIなども整えられていることが違いになります。
IDCフロンティアが提供する「IDCF」チャンネルを利用すれば、自作したIoTデバイスをmyThingsアプリで扱えます。既存のWebサービスと自作デバイスを組み合わせるなど、これまでは、開発に手間がかかった部分も、手軽に利用できるようにしています。
ワンタッチで手軽に
これまでWebサービスといえば、そのサービスの提供する機能の範囲内で使うのが主流となっていました。数のサービスの提供するAPIを組み合わせて「マッシュアップ」する、というトレンドもありましたが、こうしたことを実現するには、ある程度、プログラミングの知識が必要となっていました。
一方、myThingsでは、マッシュアップほどの自由度はありませんが、その代わり、スマートフォン上で使いたいチャンネルを選ぶだけで利用できます。アプリ内にはオススメの組み合わせも用意されており、ワンタッチでWebサービスの組み合わせを利用でき、手軽さもウリの1つになっています。
2015年7月現在、チャンネルとして「Yahoo!ショッピング」「Yahoo! 天気・災害」といったヤフーのサービスのほか、「Gmail」や「Twitter」、「Dropbox」といった大手サービスの外部用API、「Fitbit」や「Jawbone UP」「netatmo」といったIoT機器、それにスマートフォンの「プッシュ通知」、自作IoT機器と連携できる「IDCF」などが登録されています。myThingsプラットフォームに自社のAPIを登録する事業者が増えれば、このmyThingsアプリで利用できるチャンネルも増えていくことになるでしょう。