ケータイ用語の基礎知識
第634回:ハイレゾ音源 とは
(2013/10/15 12:01)
「ハイレゾ音源」とは、これまで音源としてよく使われていた音楽用のCD、あるいはDAT(デジタルオーディオテープ)よりもさらに高音質な音源のことです。「ハイレゾ音源」の“ハイレゾ”とは、高解像度を意味する英語「High Resolution(ハイレゾリューション)」から来ています。
音楽用CDを数字で見ると、サンプリング周波数が44.1kHz、量子化ビット数が16bitになっています。ハイレゾ音源では、サンプリング周波数が48kHzか96kHz、量子化ビット数が24bit以上のデータが一般的とされており、情報量は通常のCDの音楽よりも格段に大きくなっています。
つまり、同じ楽曲(同一時間)を、「ハイレゾ音源」とCDで比べると「ハイレゾ音源」のほうが数倍、大きなデータですが、聴いてみると“CDでは再現できない空気感・臨場感まで表現できる”と言われています。一般的に、人間の耳が聞き取れる音の周波数は20Hz~20KHz程度とされ、ハイレゾ音源のサポートする音は、人間の耳が聞き分けられる範囲を超えていることになります。
人間は、こういった可聴域以外の音を、全身の肌や骨など、耳以外でも感じているとされていて、このことを音の「空気感」と呼んでいるようです。
ハイレゾ対応コンテンツの楽しみ方
ハイレゾ音源を再生するには、ネット上のコンテンツ配信サービスから音楽データを入手し、パソコンからデジタルアナログコンバーターなどを通じてオーディオ機器に出力して再生します。かつては非常に高価だったUSBデジタルアナログコンバーターなども普及価格で提供されはじめており、最近ではパソコンユーザーにとってハイレゾ音源が馴染みやすくなってきています。
一方、最近では、スマートフォンや携帯型音楽プレーヤーでもハイレゾ音源に対応する機種が出てきています。
スマートフォンでは、2013年10月現在、NTTドコモ向けに発売されたLG製「G2」が量子化ビット24bit、サンプリングレート192KHzというハイレゾ音源と、ハイレゾ音源用のファイル形式であるFLAC形式などの再生をサポートしています。
また、携帯音楽プレーヤーでは、ソニーから販売されているウォークマンNW-ZX1とNW-F880シリーズの2シリーズが、ハイレゾ音源に対応していて、FLACやApple Losslessといった形式の音楽データを再生することができます。
FLAC形式の“FLAC”(フラック)は、「Free Lossless Audio Codec(フリー ロスレス オーディオコーデック)」の略です。つまり、可逆圧縮を使い、音質劣化を抑えているという特徴を持っています。
FLACは、オープンソースのコーデックとして提供されています。WindowsやLinux、Mac OS X向けプレーヤーなどが配布されています。
FLAC以外でも、米アップルのApple Losslessも、オープンソース化された可逆圧縮形式で、MacやWindowsのiTunesで再生が可能です。
ハイレゾ音源データはインターネットで配布されている
ハイレゾ音源の音楽データは、ネット上販売サイトなどでダウンロードして入手します。
ハイレゾ音楽データが配信されているダウンロードサイトとしては、「e-onkyo music」「KRIPTON HQM STORE」「OTOTOY」「HD Tracks」「LINN Records」などがよく知られています。
10月17日からは、レーベルゲートが、ウォークマン公式音楽配信ストア「mora」において、ハイレゾ音源の配信を開始すると発表しています。moraのハイレゾ楽曲は、ファイルフォーマットに、アルバムアートや各種メタデータを利用しやすいFLACを採用。デジタル著作権保護(DRM)はかけず、自由にコピーできます。moraでのハイレゾ音楽の多くが、サンプリング周波数96kHz、量子化ビット24bitで提供される予定になっています。