ケータイ用語の基礎知識
第924回:GMS(Google Mobile Service) とは
2019年10月2日 06:00
「GMS」(Google Mobile Service)とは、米グーグル(Google)が提供するアプリやAPIをまとめたものです。グーグルが作成し、配布しています。
他のアプリをインストールするための「Google Play ストア」のほか、「Google 検索」「Google音声検索」「YouTube」「Google Chrome」「Gmail」「Google Maps」などが含まれます。
「素の状態のAndroid」とも言えるAOSP(Android オープンソース プロジェクト)では、メールや電話といった最低限のレベルのスマートフォンの機能を提供していますが、GMSはAOSPには含まれていません。
AOSPはオープンソースですから世界中の誰でも自由に使うことができるのですが、GMSは、プロプライエタリー、つまりグーグルとのライセンスを通じてのみ利用できるサービスになっています。
GMSによって、Android端末メーカーは、スマートフォン、タブレットなどの端末の発売と同時に、グーグル製アプリを搭載できます。あわせて発売前に互換性テストを受けることになります。スマートフォンを購入するユーザーにとっては、ある程度、互換性が保たれていることがわかる、ということはメリットのひとつと言えるでしょう。
一方、GMSを搭載しないAndroid端末は、これまでにも存在しています。たとえば、Androidをベースにしたフィーチャーフォンです。これらは、形状や操作方法が、かつてのフィーチャーフォンと同等に仕上げられています。そのため、アプリも専用の方が良いことになります。
AmazonのFireシリーズのタブレットも、AndroidベースのFire OSを搭載しており、そうしたデバイスの一環と見なすことができます。
最近では、ファーウェイの「Mate 30」シリーズが、Android 10を搭載しながら、Google Playなどが搭載されていない形で発表されています。
そのほかのアプリで代替できるのか
GMSを搭載しなかった場合、一般的なスマートフォンで、代替できるアプリはあるのでしょうか。
GMSの機能は、最小限とされながら、現在のスマートフォンの根幹になっています。最も重要なのはアプリケーションストアの機能でしょう。その代わりを担うのは、容易なことではありません。
たとえばAndroidでは、APKという形式で、1つのアプリをパッケージ化したファイルがあればインストールすることも、できるようになっています。ただ、これも信頼できる事業者であればともかく、ネットからひとつひとつダウンロードしていくのは、手間暇や安全性などを踏まえると、現実的ではないでしょう。
GMSの代わりに、独自のアプリストアを用意する場合もあり得ます。地図や動画プレイヤーなどはそうしたストアを通じて配信できるでしょうし、開発者に向けて、独自ストアでの配信を呼び掛けることもできるでしょう。それでも、Google Playで提供されるアプリの数には、すぐ追いつけないことも予想されます。代替はそう簡単ではないと言えるでしょう。