ケータイ用語の基礎知識
第892回:AirDrop とは
2019年2月5日 12:23
AirDropは、iPhoneやiPadから、写真や動画、連絡先、位置情報などを手軽に送信できる機能です。「iOS 7」から取り入れられ、その後、iOS 8からはMacにも転送できるようになっています。
利用する際には、BluetoothとWi-Fiの両方をONにすることになりますが、赤外線通信のように送信する側と受信する側の向きや距離をあまり気にすることなく、ユーザーはその手にiPhoneやiPadを持ったままで利用できます。
AirDropの使い方
iPhoneに置ける、AirDropの使い方は簡単です。たとえば、あなたが誰かと写真を共有したい場合、自分のiPhoneの「写真」から送りたい写真の下の送信ボタンをタップします。このとき写真が選択中という表示になります。そして写真一覧の下の行が、送り先のiPhoneの一覧になるはずです。
そして送り先をタップすれば、相手に写真が送られることになります。
もしAirDropの設定を「連絡先のみ」あるいは「すべての人」からにしていると、特に何の操作もしなくても、プレビューで「○○が1枚の写真を共有しようとしています」と表示されます。
写真などをそのまま受け取るのであれば「受け入れる」、受け入れないのであれば「辞退する」をタップすればOKです。
Bluetoothで相手を探索、Wi-Fiで高速データ伝送
AirDropのプロトコルはちょっと変っていて、まず、BLEを使ってデータ伝送ができる、ほかのiPhoneやiPadを探します。この間の距離は大体8~15m程度の範囲のようです。
通信できることを確認すると、Wi-Fiを使って、iPhone同士を直接繋ぐ「PierToPierモード」で結びます。そしてリアルタイムにデータを送ることになります。
ダイレクトに繋ぐことから、Wi-Fiのアクセスポイントがなくても、AirDropでiPhone同士でデータをやり取りできます。たとえばデータを使いすぎてデータ通信制限がかかった状態、いわゆる「ギガが足りない」状態や、携帯電話の基地局の電波の届かない場所でもAirDropは利用できます。逆にいえば、BLEやWi-Fiの両方が使える環境でないとAirDropは成立しないことになります。
いたずら目的の利用者も
AirDropは手軽に写真や動画をやり取りできる機能ですが、その手軽さを利用した愉快犯がいることも報じられています。たとえば都心の混雑した電車などでは無差別に不適切な画像を送るといったもので、「AirDrop痴漢」とも呼ばれることもあります。
iPhoneでは、特に何も気にせず利用すると、「○○のiPhone」というように「名前」+「のiPhone」とユーザー自身の名前が表示されることがよくあります。この名前から、持ち主の性別を推定し、その相手に「AirDrop痴漢」が行われるという流れもあると言われています。物理的に接触したわけではなくても、これをハラスメントと捉える人は少なくないでしょう。
自衛するには、設定でAirDropの受信範囲を「連絡先のみ」「受信しない」に狭めるといった手法が考えられます。あるいは、「○○のiPhone」といった表記から性別がわからないようにするといった工夫をしても良いかもしれません。