ケータイ用語の基礎知識

第798回:ヒアラブル とは

耳に付けるコンピュータ

 身につけることができるコンピュータとして「ウェアラブルコンピュータ」というジャンルがあります。その一種で、耳に付けるタイプのコンピュータや端末、そしてもう少し広げて音声アシスタント機能を搭載するデバイスのことを最近、「ヒアラブル」と呼ぶことが増えています。このワードは、“聞くことができる”という意味の英単語「hearable」から来ています。

 そうしたジャンルの製品として、ソニーが2016年に発売した「Xperia Ear」がひとつの例として挙げられます。耳に装着してハンズフリーで、スマートフォンを通じたコミュニケーションができるというものです。これまでスマートフォンの画面を見て操作していたメッセージや電話、予定の確認といった機能を、スマートフォンの画面を見ることなく「Xperia Ear」に搭載された「アシスタント」との会話で利用できます。

Xperia Ear

 Xperia Earの場合、アシスタントの音声を、アニメ「ソードアート・オンラインシリーズ」のヒロインである「アスナ」の音声に変えることもできます。アシスタントの言動パターンが変わるわけではないのですが、好評を博しているようです。

 この種のヒアラブルデバイスを、画面を見なくても、さまざまなことができるということで、このジャンルの製品を「ノールック家電」などと呼ぶ人もいるようです。見なくても、声で指示して、声で情報を得ることができることがこの種のデバイスの特徴となるわけです。

アシスタントの出来が普及の鍵になるか

 ヒアラブルデバイスのような製品、その便利さの鍵となるのはアシスタントの出来になりそうです。

 先行している例として、スマートフォンではiPhoneに搭載されている「Siri」が有名ですね。端末の充電中などに「Hey Siri」と声をかけることで起動し、「今日の天気は?」と言えば天気予報を教えてくれます。

 一方、2017年、最も注目されているデジタルアシスタントと言えばAmazonが提供するAlexaでしょう。Alexaは、米国など英語圏で流行しつつある、と伝えられています。

 Alexaは、2014年、Amazon Echoという円筒形デバイスのデジタルアシスタントとして搭載されました。机などに置かれたEchoへユーザーが話しかけると、Siriと同様にさまざまな答えを返したり、家電を操作したりできます。

 Siriも似たような仕組みを採用していますが、Alexaも音声を認識し、Amazonのクラウドコンピュータで音声を変換して、AIが処理、その処理結果を音声としてデバイスに返すという動作をします。

 そのため、Amazon Echo以外でも、Amazonのクラウドに接続できる他社のデバイスであればAlexaを利用できます。

 2017年1月、米国で開催された見本市「CES2017」では、実に700社以上のメーカーのデバイスにこのAlexaが搭載されたのは記憶に新しいところです。

 ヒアラブルデバイスや、スマートフォンにAlexaが搭載されるのは時間の問題という見方もあります。このままAlexaがの主流を占めてしまうのか、また、Alexaが日本語へ対応して日本に上陸するのか、といったところに日本のユーザーの関心が寄せられています。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)