山根康宏の「言っチャイナよ」

2in1 PCになるスマホが登場、ファーウェイはKirin 9000搭載モデルを発表

 スマートフォン市場で勢いを増す中国メーカーの新製品の動きを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏がまとめる「言っチャイナよ」。今回は2020年10月に中国で発表された5Gスマートフォンを紹介する。1000元切り5Gスマートフォンがさらに登場、ファーウェイはMateシリーズを5機種も投入。Smartisanからは2in1 PCに変身するスマートフォンを投入した。

5Gスマホの市場最安値をRealmeが自ら更新する「Realme Q2i」を発表

 Realmeは今月新たに「Q2」シリーズ3機種を発表。低価格5Gスマートフォンの新しいモデルとなる。Q2iはチップセットにDimensity 720を搭載して低価格を実現。先月Realmeが発表した「V3」も同チップセット搭載で999元だったが、Q2iは998元とし最安値をわずか1元だが更新した。本体はV3と同等でメモリ構成を変更している。

主な仕様
発表日2020年10月13日
価格999元(約1万6000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 720
ディスプレイ6.5インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n41 / n77 / n78 / n79

新しい「Q2」シリーズの中核モデルとなる「Realme Q2」

 Q2シリーズ3モデルの中心となるモデル。チップセットはDimensity 800Uでトリプルカメラを搭載。4GBメモリモデルも用意し価格を抑え、日本円で約2万円とこちらも5G対応ながら格安のモデルとなる。

主な仕様
発表日2020年10月13日
価格1299元(約2万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 800U
ディスプレイ6.5インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1(SAのみ) / n41(2515-2675MHz) / n77(NSAのみ) / n78 / n79

薄型ボディーに4カメラを搭載する5Gスマホ「Realme Q2 Pro」

 Q2シリーズ最上位モデルは8.1mm厚の薄いボディーに4800万画素を含むクワッドカメラを搭載。価格は1799元とやや高いがそれでも3万円を切る価格はコスパが高い。65Wの急速充電も備えている。

主な仕様
発表日2020年10月13日
価格1799元(約2万8000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 800U
ディスプレイ6.4インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4300mAh
5G NR対応バンドn1 / n41 / n77 / n78 / n79

ゲーミングにも対応するハイスペックモデル「OnePlus 8T」

 2020年4月に発表されたOnePlusの「8 Pro」「8」両モデルの中間に位置するスペックを備えたモデル。両モデルともディスプレイは角を丸めたエッジデザインだったが、8Tは一般的なフラットタイプに変更、120Hzの高速駆動でゲームユーザーもターゲットにする。65Wの急速充電に対応、ToFカメラも搭載するなど機能も強化。背面はガラス仕上げだが指紋のつきにくいマット仕様としている。

主な仕様
発表日2020年10月15日
価格3399元(約4万4000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 865
ディスプレイ6.55インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+1600万超広角+500万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn1(SAのみ) / n3(SAのみ) / n41 / n78 / n79

チップセット変更のマイナーチェンジモデル「Huawei nova 7 SE 5G Youth(活力版)」

 2020年4月発売の「nova 7 SE」のチップセットをKirin 820からDimensity 800Uに変更して「活力版」の名前を付けたモデル。チップセットとメモリ構成、5G対応周波数以外は同一で、マイナーチェンジ版という位置づけ。アメリカの制裁の影響でKirinの製造が困難なことからメディアテックチップセットに切り替えたと思われる。その分価格はKirin版より700元(約1万1000円)も安くなった。

主な仕様
発表日2020年10月16日
価格2299元(約3万6000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 800U
ディスプレイ6.5インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB
バッテリー4000mAh
5G NR対応バンドn1 / n41(2496-2690MHz)/ n77 / n78

2in1 PCスタイルのディスプレイも提供、1億画素カメラ搭載の「Smartisan JianGuo R2」

 Tiktokを運営するByteDANCE傘下となったSmartisan。同ブランドのスマートフォンを展開するDelta Innovation Technologyから約1年ぶりに登場した新製品は、マイクロソフトのSurfaceに似た形状の外付けディスプレイとマグネット脱着式キーボードを周辺機器展開し、PCライクな使い方も提唱する。

主な仕様
発表日2020年10月20日
価格4499元(約7万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 865
ディスプレイ6.67インチ2340x1080ピクセル
リアカメラ画素数1億800万広角+1300万超広角+800万望遠+500万マクロ
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー4510mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n78 / n79

ZTEの低価格機も5Gに対応、「Blade 2020 5G」が登場

 ZTEのスマートフォン上位モデル「AXON」はすでに複数の5Gモデルが展開されており、日本でもソフトバンクから「AXON 11 Pro 5G」が発売されている。今回発表された「Blade 2020 5G」はAXONの下の低価格ライン「Blade」シリーズ初の5Gモデル。液体冷却や大型スピーカーを搭載しエンタメ用途にも向いている。

主な仕様
発表日2020年10月20日
価格1399元(約2万2000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 800
ディスプレイ6.53インチ2340x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成6GB+128GB
バッテリー4000mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28 / n41 / n78 / n79

ファーウェイ秋冬フラッグシップモデル「Mate 40」が発表

 ファーウェイが毎年秋に発表するフラッグシップモデル、2020年モデルは「Mate 40」シリーズとして4機種が同時に発表された。Mate 40は機能を絞ったシリーズ最下位モデル。チップセットはKirin 9000Eを搭載。中国国内の発売は未定で、ヨーロッパで先行発売される。

主な仕様
発表日2020年10月22日
価格899ユーロ(約11万1000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9000E
ディスプレイ6.5インチ2376x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1600万超広角+800万望遠
インカメラ画素数1300万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4200mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28(UL703-733MHz、DL758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 / n80 / n84

Kirin 9000搭載のハイエンドモデル、ファーウェイ「Mate 40 Pro」

 Mate 40の上位モデルでチップセットはハイシリコンの最上位モデルとなるKirin 9000を搭載する。フロントカメラ前に手をかざして操作できるエアジェスチャーに対応。望遠カメラは光学5倍でデジタル50倍撮影も可能。フロントカメラはToFを加えたデュアル仕様。有線66W、無線50Wとどちらでも高速な充電ができる。なお中国発売のMate 40シリーズは世界初のデジタル国家通貨「デジタル人民元」の利用にも対応している。

主な仕様
発表日2020年10月22日
価格6499元(約10万3000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9000
ディスプレイ6.76インチ2772x1344ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+2000万超広角+1200万望遠(ペリスコープ光学5倍)
インカメラ画素数1300万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、8GB+512GB、
バッテリー4400mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28(TX703-733MHz、RX758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 / n80 / n84

100倍ズームを含む5カメラ搭載のファーウェイ「Mate 40 Pro+」

 Mate 40 Pro+のカメラスペックを高めたモデル。カメラは光学10倍、デジタル100倍のペリスコープカメラを搭載し、中低望遠域用に光学3倍望遠も載せている。なおMate 40 ProとMate 40 Pro+は別売の充電式スタイラスペン「M-Pen2」にも対応し手書き入力が可能だ。

主な仕様
発表日2020年10月22日
価格8999元(約14万2000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9000
ディスプレイ6.76インチ2772x1344ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1200万超広角+1200万画素望遠(光学3倍)+800万望遠(ペリスコープ光学10倍)+ToF
インカメラ画素数1300万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー4400mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28(TX703-733MHz、RX758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 / n80 / n84

ポルシェデザインとコラボ、温度計も搭載するファーウェイ「Mate 40 RS Porsche Design」

 毎年発表されるMateシリーズはファッションブランドのポルシェデザインとコラボしたモデルが出るのが恒例となっている。Mate 40 RS Porsche DesignはMate 40 Pro+の性能はそのままに、カメラ周りを八角形デザインとして特徴を持たせている。本機だけの機能は背面に搭載した赤外線温度センサーで、温度計測も可能だ。背面はスポーツカーのようなデザインで高級感も持たせている。

主な仕様
発表日2020年10月22日
価格11999元(約19万円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9000
ディスプレイ6.76インチ2772x1344ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1200万超広角+1200万画素望遠(光学3倍)+800万望遠(ペリスコープ光学10倍)+ToF
インカメラ画素数1300万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4400mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28(TX703-733MHz、RX758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 / n80 / n84

チップセットを積み替えたリニューアルモデル、ファーウェイ「Mate 30E Pro 5G」

 2019年9月に発売された「Mate 30 Pro」をリニューアルしたモデル。Mate 30 ProはKirin 990を搭載していたが、Mate 30E ProはCPUスペックを強化したKirin 990Eに積み替えた。前年モデルを引き続き販売する例はファーウェイとしてはやや異例のことだ。

主な仕様
発表日2020年10月22日
価格5299元(約8万4000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 900E
ディスプレイ6.53インチ2400x1176ピクセル
リアカメラ画素数4000万広角+4000万超広角+800万画素望遠(光学3倍)+ToF
インカメラ画素数3200万+ToF(ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28(TX703-733MHz、RX758-788MHz) / n41(2515-2690MHz) / n77 / n78 / n79

シャオミ格安ブランド最上位モデル「Redmi K30S Ultra」は4万円台でSnapdragon 865搭載

 シャオミの低価格ラインナップ「Redmi」シリーズの最上位モデル「Redmi K30S 至尊記念版(Ultra)」はSnapdragon 865を搭載し、ディスプレイは144Hzの高速駆動タイプを採用。カメラは6400万画素を含む3眼仕上げで価格は約4万円台とコスパ最強と言える製品だ。

主な仕様
発表日2020年10月22日
価格2599元(約4万1000円)から
チップセットSnapdragon 865
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+1300万超広角+500万画素マクロ
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n78 / n79

山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。